188~子供の成長は早い~
いつもお読みいただきありがとうございます。
久しぶりにビイトとマークです。
ここしばらくマークとビイトを見なかった。
二人は冒険者として、各地を回ったりしているから、最近はプラム郷にもいないらしい。
ナナがさみしがっているけど仕方ないことだね。
二人のための装備を整える約束。
そろそろ成長もしたし、今のショートソードより、体に合ったもののほうがよさそうだ。
マークは獣人だけあって、重量級の剣も装備できるのだと、ドワーフさんが言ってた。
相変わらず治すだけで自分は作らないんだけどね。
ビイトは、もう少し長めのソードでもいいそうだけど、ロングソードでは振り回されそうだということだ。
プレイヤーはどの武器でも難なく使えてしまうから、その辺はよくわからない。
私の場合、剣より魔法だし。
・・・あまり使うなと怒られるのだけどね。
二人の体の装備のほうも大切だと思う。
ずっと使っている軽装だからだ。
二人に聞いたら、持っているショートソードはそのまま使うし、装備は自分でお金を出して買い替えるそうだ。
冒険者として、全部がおんぶにだっこじゃいけないと思ったのだそう。
おおきくなったんだね。
おばちゃんうれしいよ。
二人の成長にちょっと寂しいけどね。
だけどここじゃろくな装備がないじゃないかね。
二人を王都中央部に連れて行ってみるか。
「二人は緊急な依頼とか受けてないんでしょ?」
「ないよ。たまには家に帰って、いろいろ手伝いもすることになってるし。ねーちゃんの言うとおり、ナナも相手しないとだしな」
「ナナは甘えん坊だから。・・・でも、大きくなってよかった」
ビイトの言うとおり、ナナの相手もしてもらいたいし、兄であるマークは、しみじみしているけど、ボスに手ほどき受けているナナに、この前、体術で転ばされていたしね。
ボスに修行もつけてもらいたいのかもしれない。
「二人の装備をそろえに、王都中央部に行こうか」
「「え?」」
そりゃ驚くよね。
いきなり言われても、戸惑うよね。
「あー・・・、オレはいいよ・・・。おじょーさまとビイトだけで行って来いよ」
マークは行きたくなさそう。
それもそうか。
王都中央部では、嫌な思いでしかないものね。
「俺も行かないかな。あそこの物価は高い」
ああ、なるほど。
ビイトも、王都中央部出身だったわ。
エイトは住めるのに、ビイトにとっては、何か嫌なことでもあったのだろうか。
「そっか。・・・もし何か欲しい装備があったら、私が見繕って来ようか?」
「それじゃ、冒険者として頼りきりになるだろ。大丈夫だよ、ねーちゃん」
そっかぁ。
二人はほんと大人になったんだなあ。
やっぱりさみしいけど、成長を感じられてうれしい。
「何か相談があったら頼るよ。俺たちがんばるからさ」
「うん。無理はしないでね。あ、そうだ。これ、渡しておくわ」
容量を大きくした時間経過なしのマジックバッグ。
郷面積一つ分くらいの量が入るから、便利なはずだし。
プラム郷の絵と二人の名前入りだ。
「前のより大きくなっているから、いっぱい入るからね。でも無理はしないこと」
「「ありがとう」」
うんうん。
二人の成長は見守っていこう。
ただし、武器は作らせてもらいたいな。
二人に合うものを作ろうと思う。
今度はね。




