187~ナナがうらやましい~
いつもお読みいただきありがとうございます。
雨季でも、だらだら女主人公です。
雨季は家の中にいることが多い。
拠点と王都中央部とプラム郷を行ったり来たりしてはいるけども、基本家の中だけだ。
暇を持て余している。
今はそんな時期だ。
ナナのお料理スキルが私より上がってた。
いつの間に!
と思っていたら、チトセさんがナナにお料理のお手伝いをさせているそう。
ナナも、いい加減遊んでばかりではいけないからと、少しずつ教えていたのだそうだ。
パンを持ってきた。
ナナが作ったそう。
プラム郷の小麦粉は、私が来てから格段にいい小麦粉になって、真っ白のふわふわのパンができる。
ナナは、ほぼこれがパンだと思っているようだけど、もともともっと、硬くて食べにくいパンが主流なんだよね。
ほかの地域のパンをみたら驚くと思う。
私はそんなの食べたくないので、製粉所の仕様を変えただけだけど。
ドライイーストはどうしているかって?
果物発酵させるとイーストみたいなのできるんだって。
ありがたいよね。
知識くれたプレイヤーさん。
登録されているレシピはありがたく使わせてもらってます。
私じゃなく、主にメイちゃんが。
「おじょーさま、おいしい?」
「おいしいよー」
うん。
悔しいが、ナナの料理スキルは、私より上だ。
ほんと悔しいが。
「メイちゃん・・・」
「ダメです」
まだ何も言ってないよ。
いや、確かにさ。
この前メイちゃんがいないから、おなかすいたし、シツジローくんもいなかったから、勝手にキッチン使ったよ?
その際、キッチン内で大惨事ひき起こしたのは、ただのご愛敬じゃないの。
復元スキルで元に戻したのに・・・
立ち入り禁止にされてしまったよ。
「飲み物や簡単な食べ物はいつでもここに入れておきますね」
って、キッチン以外のとこに食糧棚を作られてしまったよ。
反省したのに・・・
「お嬢さまには必要ないスキルのようですね」
って、ひどいよ・・・
「こんどいっしょにおじょーさまもつくろーね」
「ナナ!」
「ダメです」
「えー・・・」
「ナナの家を壊すわけにはまいりませんから。お嬢さまは、どこの家でも、キッチンへの立ち入りは禁止です」
「えー・・・」
厳しいよ。
火を使わない簡単料理くらいなら・・・
「器具を壊すのでダメです」
あらら・・・
私の料理スキルは、これ以上はどうやら上げられそうもないな。
まあ、メイちゃんやシツジローくんがご飯作ってくれるからいいや。
それよりも、ナナのパン、心なしか身体が回復しているような?
「ナナ、これ、何か入れた?」
「ふつうにつくったよ?」
「んー?」
ちょっと鑑定。
あ、回復薬練りこんである。
「ナナ、回復薬練りこんだの?」
「いっぱいあるから、みんなつかってる」
作って余っている回復薬は、料理に使っているらしい。
さすがプラム郷の面々だわ。
みんな毎日健康だね。
「薬の依存症にならないのかな」
「回復薬はなりませんねえ。本来の作り方ですから」
そうなんだ。
偽物はだめなんだね。
きっと回復薬の効果もあって、プラム郷の料理はおいしいのかもしれないね。
しかし、ナナの料理スキルかあ。
ほかにも作れるのだろうね。
「ナナには、私からも簡単な料理を教えてますが、呑み込みが早いですね」
「そうなんだ」
いいなあ。
私もスキル伸ばしたい。
ああ、ナナがうらやましい。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
ナナ 「おじょーさまは、ぷれいやーだからりょうりだめでもだいじょうぶだよ」
アイリーン「それは違う」
メイ 「お嬢さまは料理だけ不器用なんです」
アイリーン「えー・・・」(がっくり)
アイリーンの料理スキルは上がりません。




