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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
186/281

186~しっとり大事~

お読みいただきありがとうございます。

オールインワンジェル売り出してますね。

石鹸屋さん、どこに向かうのでしょうw


乾季が終わるころにはオールインワンジェルが、王都中央部の女性に人気が出てた。

顔を洗った後の、保湿をするものが欲しかったのだろうと思う。


最初は瓶入りを購入してもらい、中身がなくなったら買いに来てもらう方式。

瓶入りのほうが少々お高い石鹸と同じ価格販売。

中身だけの場合は、普通の石鹸と同じ価格。

売り出している石鹸とほぼ変わらない値段というのが、いいらしい。


ほとんどが女性だが、男性も購入してくれているとか。

顔の乾燥が気になる男性や、女性にプレゼントと考えている人がいるのだろうね。


瓶は、プラム郷で作っている。

スクリューキャップ式の瓶を、プラム郷のドワーフのおっさんに作りだしてもらったのだ。

さすが、モノづくりにたけているだけあって、説明したものを作り出してくれるのもあっという間だった。

ガラス用の炉は作らされたけれどもね。

その時に、いつも鍛冶する炉と違うのだと、初めて知ったよ。

錬金術、同じ炉を使うので。


瓶のふたも、ガラス製。

なので中身が見える。

ふたには、プラム郷の郷証が、削られて彫られてる。

スライム核石を使って、グラスルーター作ってみた。

そしたら、やりたい人続出した。

主に、おっさんの弟子。

増えた人たちの中には、弟子入りの人たちもいた。

それには驚いた。


ドワーフのおっさん、鍛冶仕事を少しずつ始めていたらしいから。

癒されない傷でも、少しずつ前向きになってきたのかな。


ちなみに、ガラスづくりは、金属よりもガラス工芸にたけている弟子がいて、そちらが主にやることになりそう。

工房、ちゃんとしたの作ってあげないといけないかもしれないな。


夏ではなく、雨期が来た。


雨季でも、オールインワンジェル関係なかった。

そういう化粧品があるということが、貴族街にも広まったらしい。

主にリアさんたちのおかげで。

しっとり肌は、化粧のノリがさらに良くなるからね。


雨の時期はお店が暇そうだから、ゆっくりしてもらいたいと思ってたんだけど、洗濯石鹸はよく出るらしい。

外に干せないのに?


「何かいい方法があるといいのですが・・・」

「乾燥機がないからねえ」


私の拠点にはあるけどね。


「かんそうき、とは何ですか?」

「洗濯物を乾かすための・・・魔道具」


機械って言ってもわからないだろうしね。


「乾燥する魔道具・・・」


店長さん、何か考え込んでるな。


「作れないよ」


先に言っておこう。

本当は作れるけど、こちらに頼ってばかりだと意味がない。


「そうですか。残念です」

「言っておくけど、プラム郷は、商品を提供するための場所だと認識してほしい。確かにここはプラム郷産のものばかりだけど、将来的には、そうじゃないものも置かれると思う。その時のことを考えて、お店作りをしてほしいの。あまり言いたくないけど、ジューノさんは、ここを足掛かりにして、ジューノ商店を王都中央部に出したい考えでしょう。そうしたら、うちは切り離すか、単なる取引先の一つになると思うの」

「そんなこと・・・」

「ないとはいいきれないでしょう。そしてそれはわかってて、ここに出したの。あなたは店長なのだし、考えて行動してほしいの」

「はい・・・」

「ジューノさんのお店は、ここではないとこに作られると思うよ。その時、ここがどうなるのかはわからない。ここに出資したのは私だから、ここは私がオーナーの店。それは変わらない。ここをジューノさんに譲るかどうかはそれこそわからない。あなたがやりたくないならそれでもよし。違う人が店長として、石鹸屋を続かせるだけ。やることは変わらないんだ」

「はい・・・」

「私は甘いこと言っているかもしれないけど、この石鹸を作る技術自体は、プラム郷のものだから、ほかに流出してもすぐできるわけじゃないんだよ。いや、違うね。他では作れないんだよ。それはジューノさんは承知していると思うけどね」


錬金術が使えないほかの人たちは作れない。

あの魔法陣の作り方を知らないから、プラム郷以外では、技術を持ってても作れない。

そこは考えて、過ごしてほしいものだわ。


石鹸はともかく、オールインワンジェルを売らなくなったら、どうなるのかな。

ちょっと興味があるけど、女性は怖いから、考えるのはやめておこう。

お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。


年内の更新はこれが最後かなと思います。

いいお年をお迎えください。

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