183~大ボスって・・・~
いつもお読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、寝てないな。
獣人の少女、ナナは、常駐しているようです。
春が過ぎたら、乾季が来た。
うん?
雨季じゃなかったか。
まあいい。
どうせ一か月。
だらだらと過ごしているけど、きちんとプラム郷の見回りはしている。
乾く時期の水魔法は貴重なんだけど、このプラム郷は、スライム核石の水の核石で済ませてる。
外で遊んでいる子供もいないなあ。
ナナは相変わらずうちに遊び来て、ご飯食べてるね。
せっかく手に入れたご飯も、ほとんどナナのおなかに入っているけど、そういえば、一年中取れるのかな?
冬は無理とかなら、空間に収納しておかないと、ナナに食べつくされちゃうしね。
雑穀米、どうしようかな。
食べるのもいいけど、私は白米大好きだから。
そういえば、人が増えたから、食用魔獣も飼い始めてたよね。
私がいなかった二年間の間にだけど。
そう考えたら、そこに使ってもらうのでもいい。
クコッケの餌とかにしてもらおうか。
プラム郷の人たちにも、おコメの炊き方とか教えたし、自分たちで刈り取ってもらうので、田んぼ増やしたしね。
ああ、でもちょっと、働かせすぎかなあ。
畑も宿も石鹼もで、休みあるのかな。
「ナナはぁ、いつもおやすみ」
「そうね。ナナはいつも遊んでいるものね。・・・お勉強は進んでいるの?」
「神父さんが、教えてくれたのはわかってる。神さまが世界を作ってー・・・」
ああ、うん。
その神様、一緒の食卓でご飯食べているよね。
しかも、ほかのワールドの神様たちに、米がうらやましいからよこすように言われたとかで、半分以上持ってってくれたよ。
収納したものがすぐなくなってったよ。
絶対許さん。
「じもかけるしよめるようになったよー。でもまだ、けいさんがむずかしい」
「おうちのお手伝いは?」
「えへへ」
笑ってごまかすな。
ほとんどやってないのね。
仕方ないか。
ほとんどここで過ごしているものね。
なぜかメイちゃんが料理の仕方を教え始めたわ。
「私には?」と聞いたら、「無駄な食材は増やせません」との返答、ひどくない?
ナナの料理スキルは確実に上がっているよね。
「おじょーさま、ボスがねえ、こんどもりにいこうって」
唐突にナナが言う。
森って、すぐそこのよね。
「なにかあるの?」
「いっぱいなかまができたって」
ええと?
ナナの話をまとめると、キドナップバブーンたちが増えたらしい。
春の間に繁殖期があったようだ。
ナナは友達だから、見せてもらえるのだそうだ。
あと、私を誘ってくるようにも言われたらしい。
私があの群れの本当のボスだからと。
いや、違うから。
何を言っているんだ、ボス・・・
「ボス、というのが、もう、あのキドナップバブーンの名前なのでしょう。お嬢さまにキドナを預けたときから、もう、お嬢さまは大ボスになっていたのだと思いますよ」
「大ボス・・・」
いやな響きだな。
でも仕方ないか。
ボスはあの頃より強くなったな。
プラム郷の子供たちも鍛えてくれているらしいし、あれ?ジャムさんたちの役目は?
「ボスはたいじゅつのせんせーなの」
「ナナもやってるの?」
「ナナもおしえてもらってる。もりにはいるにはつよくないとだめなんだって」
そうだね。
森だけじゃない。
普通のフィールドにだって魔物がいる。
なので子供は外に出さないのが基本。
ここでは、畑に森にと子供たち自由だけど、キドナップバブーンが一緒について行ってくれているらしいし。
「わかった。今度行こうね」
「わーい。ボスにいっておくね」
おやつ食べて万足気なナナは、外に元気よく飛び出していった。
子供はほんとに元気だな。
でも、そうだな。
一度、きちんと森の中を見ておかないとよね。
ちょっと楽しみかもしれない。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
寒くて手が動きにくくなってきますね。
ちょっと風邪気味です。




