177~お客様の長話は疲れる~
いつもお読みいただきありがとうございます。
冬でもゆっくりできない、女主人公です。
冬の寒さはつらい。
外に出るの嫌だ。
私は家の中でのんびりとこたつに入って、お菓子食べてる。
プラム郷の家の中だから、目の前にはナナがいる。
ナナもこたつでまったりだ。
あとは、うちの従魔たちも。
おおきいこたつにしたから、のんびりと寝そべってる。
せかせかと働いているメイちゃんとシツジローくんには悪いけど、私はのんびりさせてほしいわ。
「お嬢さま、王都中央部の家のほうにお客様です」
「えー・・・」
めんどくさい。
「だれ・・・」
「前国王ご一家です」
元王様とその奥さん二人・・・
二人?
リアさん以外知らないけど?
あのおっさん、二人も嫁がいたのか。
一夫多妻制なのか・・・
「いきたくない・・・」
「ダメです」
むう・・・
仕方ない。
「ナナたちはこっちのこってる?」
「ナナはここで寝てるー」
さすが獣人。
温かいとこから出たがらないね。
うちの従魔たちも・・・出たがらないな。
わたしもでたくないんだけどな。
仕方ないな。
ポータルで、王都中央部に移る。
玄関で出迎え。
当たり前だけど、夫婦のほかにおつきのものとか警備とか。
仰々しいな。
「中に入っていいのは、そこの三人だけよ」
あとは帰れ。
迷惑な。
「ちょっとあなた、なんです、その口の利き方は!」
元王様とリアさんじゃないほうの、初見の奥さん?におこられた。
いやだな。
めんどくさそうな人で。
「ユーべリア、ここはアイリーンのおうちよ。従いましょう」
「でもナタリア・・・」
「話したでしょう」
「承知しておりますわ・・・」
何の話よ。
「とりあえず中へどうぞ。・・・あ、ここ、靴脱ぐ仕様だけど、平気?」
こちらの人って、靴脱ぐ習慣ないからなあ。
プラム郷ではやっと浸透したけどね。
リアさんや元王様はプラム郷で過ごした時に、その習慣に戸惑いながらも従ってたけどな。
「・・・なんとはしたない」
「なんですって?」
聞き捨てならない。
はしたないって何?
「そういうなら、入っていただかなくて結構です。お引き取りください」
人がのんびりしているとこに先ぶれもなく来て、文句付けるやつなんて、家に入れたくない。
「ユーべリア・・・」
リアさんがため息つきながら、女性をたしなめてる。
この人が奥さんなら、あんたがたしなめなさいよ、ダメ亭主が。
「はなして聞かせたでしょう。ここのルールに従えないなら、連れてこれないって」
「ナタリアが言うなら・・・」
しぶしぶという感じで誤ってきたけど、こちらも大人げない対応をした。
申し訳ない。
こたつ部屋に案内して、こたつに足を入れることにもなんやかんや文句も言ってたが、最終的には、落ち着いたわ。
めんどくさそうな人連れてきたなあ。
「それで、どうしたんですか」
「ユーべリアがどうしても君と話をしたいというのでな」
はあ?
「改めまして。わたくし、ゼブラフ・ドレープ・グリーンバズスの妻で、ユーべリアでごさいます」
お見知りおきをといわれたけど、かかわりたくないなあ。
黙っておくけど。
「初めまして。プレイヤーの、アイリーン・プラム・シュガーです」
挨拶終わり!
かえれ。
といかないんだよね、これ。
まあ、メイちゃんが、ケーキ出してくれるからいいや。
剪定のお礼に、プラントたちがプラントグレープいっぱいくれたからね。
ケーキと、ラムレーズンサンドビスケットにしてみた。
ラム酒はあるんだよ。サトウキビから作られるからね。
ちなみに、それに嫉妬したのか、プラント母さんもくれたよ、プラントルビー。
ケーキの上に載っているのよね。
おいしい。
超高級品でも、うちでは普通のフルーツ扱いよ。
そういうものに舌鼓打ちつつ、ユーべリアさんの話を聞いた。
うん。
結論から言おう。
この人、リアさんのファンだ。
同じ身分の侯爵家の出だそう。
学生の時、リアさんに助けられて、心酔し、このおっさんとの結婚を阻止できなかったから、リアさんのそばにいるために、側妃になったそうよ。
すごいな。
政治やら外交は、この人が担ってて、リアさんは自由に魔女のお仕事ができるのだとか。
ちなみに、おっさんとリアさんとの間の子供や、自分とおっさんの子供にも政治の教育はして、おっさんは長男が七歳の時には、政治の話で負けたそう。
リアさんのためだけに使っているのがすごい。
おっさん、ないがしろ。
リアさんの子供にも、自分の子供にも、リアさんこそが最高なのだと教え込んだそうよ。
すごい人だ。
ドン引きだよ。
二人が(というより、リアさんが)二年もいなかったことの恨みつらみも聞かされた。
それはほんとすまんな。
9割がたリアさんのすばらしさを聞かされる話だったが、まとめると愚痴だな。
その話の長さで、リアさんも元王様も、聞いてないふりして、本読んだりしている。
ああ、私も疲れたよ。
もう夕方だよ。
ようやく帰った。
ぐったりです。
寝たら悪夢みそう。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
寒さが身に沁みます、秋の今日この頃、忙しくなってます。




