170~石鹸作り~
いつもお読みいただきありがとうございます。
今回は石鹸作り。
会議所に設置するのは、遠心分離機と、魔法陣。
材料は、いやし草、水、スライム核。
スライム核石ではないので注意。
スライムは、いろんなもの吸収して溶かすので、苛性ソーダの代わり。
アルカリ性ではなく酸性なんだと思うのだけど、スライム核には、どちらの性質も潜んでいるようだから。
ホウ砂と石鹸のりで作るスライムじゃないからね。
こちらは本物の生き物の核。
あ、オイルも必要だったか。
この世界のオイルって、オリーブオイルが主なんだよね。
でもあまり精製されてないから、いいものじゃない。
だからこそ、錬金術では、遠心分離機という器具があるんだけど。
複製に複製を重ねて、ほぼ人数分持ってきましたとも。
宿の仕事がある人以外は集まったので、結構な人数だ。
でも、その中でも錬金術に向いている人がそんなにいないのも事実。
みんな共同でなくては、ポーション一つもできやしないから。
新しい人も来ているけど、まず、錬金術使えないよね。
今日は基礎の基礎ではないから、ちょっと待っててほしい。
まあ、近場で、いやし草と水でポーションでも作っててくれればいいよ。
誰か教えてくれるでしょ。
さて、石鹸作り。
まずはいやし草と水とスライム核とオリーブオイルを遠心分離器にかける。
もちろんそれぞれ別々だよ。
水は精製水になり、いやし草はどろどろの何かになり、スライム核も、ドロッとしたものになる。
オリーブオイルも精製されてる。
これらを混ぜ合わせ、型にいれたら、魔法陣に乗せる。
時間を早めれば、石鹸の出来上がり。
いやし草が、小さな傷を治してくれるし、オイルが泡立ちと保湿を保たせ、スライム核が体臭を消してくれるし、汚れもきれいに落としてくれる。
色がいやし草の緑色なのは仕方ないよね。
ナイフできれいに切れるくらいの硬さの石鹸。
これに香料となるものを入れると、いい匂いになるけど、宿で出す石鹸だからね。
いやし草のさわやかなにおいだけで我慢してほしい。
やり方を見せて、説明しながら、みんなも石鹸作り開始。
ナナも結構できる子だから。
「おじょーさま、しかくいのじゃなくて、まあるいのとかほしい」
ナナの意見。
そうだね。
おうちで使うなら、かわいい型とかいいよね。
星とか丸とかハートとか・・・。
今度作ってもらおうかな。
ドワーフさんは、武器は作らないけど、ここでは様々な加工をするようになったといってたから。
「今度ね」
「わぁーい」
うんうん。
ちいさいこはいいね。
スライム核も欲しいから、冒険者さんに依頼を出さないとね。
宿で使う分は、宿で依頼を出させて、やり取りさせよう。
私が使う分は、拠点でも冒険者に依頼でもいいか。
何はともあれ、宿で使う石鹸の確保はできたと思う。
ジューノさんが取引したいというので、そちらもジャムさんに任せたし。
少しずつ、プラム郷は進んでいけるね。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
苛性ソーダ=水酸化ナトリウムは、毒薬・劇薬指定ですので、18歳未満の方は買えません。
灰とか使うのもあったような。
子供が作るのって、グリセリンで作るのでしたかね。あいまいだ。




