166~ジューノさんちのお子さんはまだまだだ~
いつもお読みいただきありがとうございます。
まだ宴会の続きです・
宴会が始まった。
メイちゃんだけでは料理が間に合いそうもないので、宿の料理人や住民も手伝っている。
私?
メイちゃんに怒られることはしないわ。
私はジューノさんとキツネ奥さんと一緒に、離れた席でお話し中。
ジューノさんのお子さんの一人もいる。
「アイリーン殿、今度からこちらの仕入れなどを、息子に任せようと思いまして」
「その仔が、担当になるの?」
「三男ですが、今教育中なのです」
なるほど。
それで一番近いここの担当にしようということなのね。
まあいいか。
「承知しました。・・・それで、このプラム郷の運営資金なのですが」
白金貨1000枚ほどを目の前に出す。はっきり言って、これでもまだ持っているほうが多いからね。
住民も多くなったし、必要なものが増えるよね。
ここはまだみんながみんな働けるという状況じゃないし。
他から持ってくるための資金が足りないよね。
「と・・・とうさん!これだけあれば、王都中央部に店が!」
三男は目を輝かせているけど、ジューノさんはしかめっ面だ。
いや、狸の顔面、よくわからないんだけどね。
「お前は何を言っている?これはこのプラム郷の運営資金だぞ」
「そんな・・・これだけあれば、この田舎よりも王都中央部に店出せるのに」
いやいやいや。
この三男、ダメだわ。
自分で稼いで王都中央部には店出しなさいよ。
「アイリーンさん!お願いです。このお金を僕に融資してください。絶対に損はさせません」
私は答えない。
ジューノさんの息子だからといって、安易に信用に値するかというとそうでもないからだ。
大体にして、絶対に損はさせないという自信は、一体どこから出るのだろう。
信用も全くないというのに。
父親であるジューノさん自身も呆れた顔しているしね。
「お前にはまだ早いようだな。・・・向こう行ってなさい」
ため息もつきたくなるよね。
わかるよ。
「すみませんね、アイリーン殿」
「気になさらないでください。若いというのはそういう時がありますから」
そういえば、奥さんは口出してこないな。
わきまえているのだと思う。
さすが、手広くやっているとこの奥さんだ。
「今まで通りやりますので、本当にすみません。それで・・・」
ここからは、プラム郷に必要なものの話をする。
住民の家だって足りないだろうし、仕事も人手も足りない。
まずは家からか。
それは、自分で作ればいいか。
「住民の中で、商売できそうな人がいたら、それをフォローしてほしいのですよね。錬金術で作ったポーションも、売りさばくようにしていきたいし」
「もちろんですよ。どの場所でもポーションは足りないですからね。こちらも願ったりかなったりです」
「ありがとうございます。細かいことはジャムさんと話をしてください」
「お任せください」
よし。
あとは宴会だー。
やはりジューノさんと話すのが一番早いよね。
よかった。
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まだ暑いですね。
健康診断行ってきました。
不健康です、はい。




