165~ナナに友達ができたそうだ~
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前話の続きです。
軽自動車並みの大きさのイノシシ、30頭。
プラム郷の広場に出すと、すぐにメイちゃんが料理を始める。
魔法も使っているらしいけど、料理スキルの低い私にはよくわからない。
おいしい料理ができていくと、徐々に郷の人たちが集まった。
テーブルセッティングもシツジローくんが完璧にやってくれているし、私は座って待つだけ。
え?
交流持つのじゃなかったかって?
まずはごはんでしょ。
目の前には、おなかすかせている幼い子供がいるんだし。
あ、ナナのことよ、もちろん。
6歳になったはずなのに、相変わらず小さいし、ハムスターみたいに口の中いっぱいにほおばるからね。
おやつを先に与えられているのに、目はイノシシ見ているし。
夕方も遅くなって、明かりが灯されたころには、もうみんな来ていた。
えーと・・・度の人たちが新しい住民なのかな。
冒険者ギルドの人たちも、冒険者の人たちも、宿に泊まっている人たちも、この広場に来ているようだし、わからないんだけど?
しかも、みんな住民と仲良いし。
キドナップバブーンたちも、仲良しだし。
あ、赤ちゃんが増えてる。
うちのキドナもこれでいいお兄ちゃんに・・・ならないわね。
あの仔、甘えんぼさんだし、成長しないし。
「あのねぇ、おじょーさま。ナナねぇ、おともだちができたよー」
「えっ!友達?」
「うん。ジューノさんの8ばんめのおこさんなんだって」
えええ!
ジューノさん、実は子だくさん?
きつね奥さんとの子供だから、どんなのか想像つかないんだけど、それより、そんなにいるのか、お子さん。
「ユノちゃんは、15にんきょうだいだっていってた」
「ユノちゃん?」
「ジューノさんの8ばんめのおこさん」
ユノちゃん。
ジューノさんの名前そのままなんじゃ。
いや、それより、15人兄弟。
すごいな。
あっちこっち飛び回ってて、奥さんに見せ任せてるだけじゃなく、お子さんの世話も奥さんだけでやっているのかな。
あ、でも、お金あるから、乳母とかいるのかもしれないね。
「ユノちゃんは、ジューノさんと一緒にこっち来たの?」
「ううん。お兄ちゃんがむこうのまちにつれてってくれた」
「え?」
「おじょーさまかえってこないから、それしらせるって」
「そうだったんだ」
いやいやいや。
それでもナナを連れていくのは危ないでしょ。
馬車で二日もかかるんだけど?
でもナナも同じような年ごろの子がいないから、寂しかったのかもしれないし、いいことなのかな。
「ユノちゃん、こないかなあ」
「ああ、それなら、ジューンさんたち呼ぼうか」
どうせ、物資を提供してもらわないといけないだろうし、話もある。
呼んでおこう。
「行ってくるよ。・・・ナナはごはん食べてなさい」
「はぁい」
よし。
これでみんなの目の届くところにナナを置いておけるね。
シツジローくんとメイちゃんに声を掛けたら反対されるだろうから、一人でこっそり行こう。
二年ぶりのジューノさんの店は、なぜか、三軒どころか、五軒まで大きくなってた。
両隣買い取って、資材置き場とかにしているそうだ。
しかもこの日は、一家勢ぞろい。
ジューノさんときつね奥さん筆頭に、よく似たタヌキとキツネがいっぱいいる。
ジューノさんと同じくらいデカ・・・もとい、恰幅の良いのが長男たぬき。で、次がキツネの次男で。
タヌキとキツネばかりだけど。
ほかの血も入っているとかいう話だったけどなあ。
出ないのか。
ユノちゃんは、かわいいキツネ娘さんだった。
ナナより一つ上の、よつごの一番上なんだそうだ。
ユノちゃんだけ女の子。
男の割合多いな、ここの家。
ジューノさん一家を誘って、そのままプラム郷入り。
・・・メイちゃんとシツジローくんが、部屋の前に待機してた。
怒られた。
なぜばれたし・・・
まあ、でも、今日は楽しい食事会だからね。
あまり怒らないでほしい。
ナナはユノちゃんと再会できてうれしそうだし。
さあ。
宴会の始まりだ。
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暑い日が続きすぎて、ぼんやりしています。
余計、誤字脱字が増えますね。




