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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
163/281

163~side:ビイト~

いつもお読みいただきありがとうございます。

今回の話は、エイトの弟ビイトの話です。

オレの名前はビイト。

プラム郷にすんでる。

両親と兄が一人だ。


もともとは、王都中央部の近くに住んでいたのだけど、うちは貧乏すぎて、御金がなくて、生活が苦しかった。

なので、いくつだったかな?

王都中央部から出て、王都からも出ることになった。

いまだに王都の中に入るんだけども。


プラム郷の郷主となる、アイリーンねーちゃんにあったのは、その途中だった。

馬車での生活で、野菜ばかりのご飯で、いつもおなかすかせてたオレたちに、肉もたくさんくれたし、お菓子もくれた。

しかも、ねーちゃんがくれたバッグは、業者の馬車の半分ほども入るマジックバッグだった。

これはプラム郷に来てから知ったけども。


そもそもプラム郷も、ねーちゃんが紹介してくれたんだ。

何とかたどり着いた時、父さんがジェヌさんに何か見せてて、すぐに中にいれてくれた。

そしてそこで住めるようになった。


最初は年寄りばかりで、遊べる友達もいなくて、嫌だったけど、すぐ慣れた。

しばらくして、ねーちゃんが獣人一家を連れてきた。

獣人は王都中央部では時々見かけるけど、ここでは、行商で来てくれるジューノさんくらいしかいなかった。


獣人一家には、オレと同じ年のマークと、妹のナナがいた。

近い年の子がいなかったから、すぐに仲良くなったし、家の手伝いしながら、いつも遊んでた。

兄であるエイトは俺たちの面倒を見てくれてた。

オレたち四人はいつも一緒だった。


兄ちゃんが冒険者登録をして、あまり遊ばなくなっても、帰ってくるときはいつも遊んでたし、冒険の話をしてもらえた。


兄ちゃんが冒険者になって少しして、アイリーンねーちゃんが、近くのダンジョン捜索をすると言い出した。

いつか兄ちゃんやオレたちが入り込んでもいいようにらしい。

森の奥にある洞窟。

春の終わりころに、そのメンバーが集まった。


王様と王妃様と、サカイ様と、サカイ様の孫娘のミュゲねーちゃんだった。

そのほかにねーちゃんの一家である、ねーちゃんの従魔、シツジローさん、メイねーちゃんが行くという。

まあ、アイリーンねーちゃんは、プレイヤーだから大丈夫だろうし、王様と王妃様というのが、その頃にもよくわからなかったけど、強いヒトなんだというのはわかった。

サカイ様も強いみたいだしね。


冒険メンバーの見送りの時、アイリーンねーちゃんが魔法を発動させた瞬間、兄ちゃんは飛び込んだらしい。

そこにはついていけなかったから、話に聞いただけだ。

元冒険者だったジェヌさんの話では、転移ダンジョン?らしく、お互いがつながっていないと、別の場所に飛ばされてしまうのだとか。

兄ちゃんがどうなったのかわからない。

郷の人たちが、兄ちゃんの捜索をしようといってくれたけど、転移ダンジョンはどこに飛ばされるのかわからないため、無駄死になるかもしれないといっていた。

それを聞いた父さんと母さんは泣き出したし、オレも泣いた。

兄ちゃんに会えなくなるかもしれないから。


それからしばらくは、父さんも母さんも無気力だったけど、少しずつ日常を取り戻していった。

オレが冒険者になるといったら大反対されたけど、結局折れてくれた。


兄ちゃんたちがいなくなって二年。

ある日、ねーちゃんたちが帰ってきた。

兄ちゃんも連れてた。

父さんも母さんもオレも抱き着いて泣いた。


兄ちゃんは俺が兄ちゃんより大きくなっていることや、二年もたっていることに驚いていた。

向こうでは、せいぜいに三か月ほどだったという。

そしてめいっぱい怒られていたけど、嬉しそうだった。


でも兄ちゃんは、あまり転移ダンジョン内で起きたことの話はしなかった。

見た目は変わらないけど、ものすごい強くなっているのはわかった。

加減を間違えるといろんなものが壊れるといっていた。

そのたびに父さんと母さんに謝っている。

畑でも大きな穴をあけてしまったりしていた。

最初は笑っていたけど、徐々に悲しそうな顔になっていくのもわかった。


ミュゲねーちゃんがエイト兄ちゃんにつきっきりになったのもこのころだったと思う。

何かを話し込んでいたのも、このころだ。


兄ちゃんが王都中央部に行くと聞いたのは、少ししてからだった。

いろいろ吹っ切れた顔をしていたから、寂しいけど仕方ないなと思った。

アイリーンねーちゃんが父さんと母さんを説得してくれたようだ。


もうすぐ兄ちゃんは独り立ちする。

オレももっと頑張って、兄ちゃんのとこにも行けるようになる。


今は、早く、依頼の採取を頑張ろう。

お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。


そのうちまたほかの方の視点も書きたいです。

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