161~ダンジョンというのはそういうものらしい~
いつもお読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、、家でまったり中です
プラム郷の家はきれいだった。
住民たちがいつもきれいにしてくれるから。
問題はこっち。
家の中はほこり一つない、っていうことはなくて、王都の家の中はすんでいないし、管理者がいないので、ひどいありさまだった。
いつもなら、シツジローくんが見回っているから、死者も出ない生垣も、何か得体のしれないものがぶら下がっている。
誰も見に来なかったんだろうな。
仕方ないけども。
サカイに言っておけばよかったと思う。
外のいやし草は、手入れされているけど、生垣門までは、何も言わなかったからなあ。
家の中は埃だらけだけど、すぐにメイちゃんが掃除を始めてくれた。
家の税金とかも、手続きはされているから、勝手にひかれているだろうから、ほんとに誰も来なかったんだなあ。
まあ、プラム郷の冒険者ギルドから、王都のギルドに話はいっているだろうから、もしかしたら、サカイはここに来るかもしれないけども。
それよりも二年だ。
何があったのだろう。
家が整ったら、運営さんと話さないとね。
なんて思っていたら、もう、きれいになった。
うん。
うちの者たちは優秀すぎるな。
「運営さん、おしえて」
お茶とお菓子も用意されている。
聞く体制、というにはちょっと違うけど、まあそんなに驚くことないと思うのよね。
「結論から言えば、転移ダンジョンの特徴といえよう」
「転移ダンジョンの特徴?」
「うむ。転移する際に生じる魔力そのものが、時空をゆがめているものの一つとなっているのだ」
「でも、転移陣なんて、いっぱいあるけど、どれも大丈夫よね?」
「使う魔力の質の問題だろう。ダンジョンの転移陣は、この世界の魔力を糧に使われている。この世界が作られたものだということなのだが、それはわかっているだろう?」
ここはゲームの世界、のおおもとになったものだものね。
「ダンジョン自体はシステムによって作られているが、もともとはわれらの力が反映された世界だ。それにより些細なずれが生じることがままあるということだ」
「よくわからないけど、わかった。ダンジョンの中にいる時間も長かったし、外と時間の流れが違っても仕方ないってことなのね」
ゲームでも、同じように時間が流れていたような気がするし。
ずれは仕方ないのか。
「でも二年かあ。結構びっくりする長さよね」
「プレイヤーであるアイリーンには関係なかろう」
「まあ確かに」
私にとっては二年だろうが10年だろうが、そんな問題ないか。
あるとすれば、成長途中であるエイトだと思うのだけど。
「エイトは大丈夫なのかな?」
「成長には問題ない。流れから切り離されたせいでいまはまだ当時のままだが、すぐに大きくなるし、変わりもしないだろう」
「そうかなあ」
二年は大きいと思う。
弟が自分より年上になってたのだし。
しばらくは様子見ないとだめだよね。
ああ、でもホント疲れた。
のんびり生きようと思ってたのに、なんだかなあ。
お菓子食べて、寝て、だらだらしながら好きなことやる生活。
きちんと目指さないとなあ。
庭からサカイの声がしている。
シツジローくんが対応してくれるだろう。
うるさいけど、私はここでひと眠りしよっと。
いろんなことは、明日以降、また考えないとね。
いまはおやすみなさい。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
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