160~まさかの~
いつもお読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、帰ってきました。
懐かしき、とは言えないくらいの間しか留守にしていないけど、プラム郷に帰ってきた。
うん。
あいかわらず、門はうごめいているし人型だなあ。
「お嬢さま、門が慌ててます」
「え?」
いやいやいや。
確かにちょっと長く開けたけど、そんな驚くことないわよね?
あ、弦が何か必死に書いてる。
「なになに?」
今までどこに言ってたのかって書いてある。
あれ?
門にも言い聞かせてあるはずだけどな。
あ、門の向こうから、誰か走ってくる。
あ、ジャムさんだ。
「ジャムさん、ただいまー」
「じゃねえよ!アイリーン!」
あ、なぜか怒ってる。
せっかく帰ってきたのに、何?
「おま・・・ほんとに、アイリーン・・・だな?」
いい年下おっさんが急に泣き出したよ。
どうしたのよ・・・
「中はいれ」
私だけじゃなく、王様たちも戸惑っているけど、ほんと何なのかしらね。
プラム郷は何も変わってなかった。
まあ少しあけただけで変わる場所ではないか。
会議所に連れてこられた。
帰ったばかりだから、家で休みたいんだけどなあ。
「おじょーさま!」
会議所につくと、女の子が抱き着いてきた。
え?
・・・ナナ?
「な・・・ナナ?」
「そうだよ、おじょーさま」
おおきくなってる。
獣人だけど、そんなすぐ成長するものなの?
いや、待って。
なんだかみんな老けた?
おじいちゃんおばあちゃんだったけど。
「ねーちゃん、なにこれ」
「エイト・・・、私にもわからないよ」
たった数か月くらいで、ここまで変わる?
「アイリーン、今から話す」
ジャムさんの真剣な表情に、何が起こったのかやっぱり察せないけど、怖いな。
座るとメイちゃんがお茶を用意してくれた。
うん。
おいしい。
「結論から言う。アイリーン、お前たちがあのダンジョンにもぐってから、もう、二年たったんだ」
は?
何言ってるんだ、このおやじ。
「え?」
「戸惑うのもわかる。だが本当だ。お前たちが帰ってこなくて、二年。もしかしたらダンジョンに飲み込まれたのだろうとあきらめかけてたんだ」
「いや、私、プレイヤーだから大丈夫だけど・・・」
「だがダンジョンには、何があるかわからないからな。現に二年たっている」
確かに。
二年か・・・。
それが本当なら、ナナが成長しているのも頷けるし、でもよくわからない。
「二年・・・」
「そうだ。中で何があったのかわからないがな」
「二年・・・」
やばい。
まだ混乱してる。
すぐ帰るつもりだったのに。
「今はまだ受け入れられないだろうから、また後で話そう。だが無事でよかったよ。エイトもな」
うん。
いわれていることが分からないけど、エイトは叱られたほうがいいけど・・・
二年。
あとで運営さんに聞こう。
何が起こったのか。
一気に疲れた気がする。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
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