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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
157/282

157~眠い~

いつもお読みいただきありがとうございます。

居眠り女主人公、仕事してます。

現実世界の、佐藤あいりの時の混同記憶です。


眠い。

ものすごく眠い。

頭がぼんやりする。


「・・・さん、佐藤さん!」


声をかけられそちらをむく。

ああ、課長だ。


「大丈夫かい?佐藤さん。ずいぶんとぼんやりしているようだけど」


ここしばらくは、睡眠時間がいつも以上に短くて、目の前の画面すら今はぼんやりだ。

画面?

え・・・と?

ここはどこだっけ?

ガイア、は?


「ほんとに大丈夫か?明日の会議の資料とか」


会議の資料?

ああ、そうだ。

今はそれを作成しているとこだ。


昨日もいつものようにゲームの画面を閉じて寝て、朝は会社に・・・。

いつもの行動だからわからないけど、なんだかおかしい。

本当にそうだった?


確かボスと戦って、スキルを誰かに解除してもらって・・・?

いや、意味わからない。

スキル解除って。

ゲームの話だよね。


でもそれよりは今のこの状況をどうにかしないと。

また残業と徹夜で資料作りだ。


もうすぐ就業時間になるのに、一向に進んでない。

ほかの人たちがやり残したものも、どうせ今日も回されるだろう。


でもおかしい。

キーボードを打っているのに、こんな文字みたことない気がする。


「課長・・・」


振り向くと、社内の人影がなかった。


「え?」


意味が分からない。

どういうことなのだろうか。


「何?え?」


なんだか窓の外も景色がぼんやりしている気がする。

頭が痛い。


「うう・・・」


寝不足もあって、ひどい頭痛でくらくらする。

両手で額を抑え、呼吸を整える。

本当に意味が分からない。


「う・・・」


意識が遠のく感じがした。




「・・・さん、佐藤さん?大丈夫かい?」


呼ばれた声で振り向くと課長がいた。

時刻はお昼ちょっとすぎ。

社内は、昼休みだ。


「え・・・?」

「疲れているのか?ぼんやりして。明日の会議の資料は大丈夫かい?」

「え・・・?」


どういうこと?

先ほどまで、就業時間ぎりぎりだったはず。

なのに、今は昼休み?


時間が戻った?

いや、違う。

っ目の前の画面は、まったく違う内容だ。

つまり違う日?


「本当に大丈夫か?・・・ほかの人に任せて、早退してもいいぞ」

「え・・・?」


今まで一度もそんなこと言われたことはなかった。

課長は、自分が帰るのはありでも、ほかの社員が自分より先に帰るのは良しとしない、パワハラ人間のはずだ。


「ダメですよー、かちょー。佐藤さんに頼んであるものあるし、今日は私、早帰りしないといけないんですぅ」


後ろから、課長お気に入りの若い女性が、甘ったるい声を出して近づいてきている。


「え?」

「母があ、びょーきで倒れちゃってぇ。病院行かなきゃなんですぅ」

「そうか。それなら仕方ないかぁ。うんうん。親は大事にしないとな」


うなづきながら、こちらに残るように命令してくる。

やはりいつもの課長だ。


でも、なんだろう。

違和感。

頭痛のひどさが原因なんだろうか。

わからない、わからない、わからない。


目の前の画面に集中しようとして、私はまた、意識が遠くなっていくのを感じた

お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。


不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。

「追放王子と生態系調査人」


https://ncode.syosetu.com/n4898ho/

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