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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
156/282

156~ボス~

お読みいただきありがとうございます。

居眠り女主人公、Gのいる空間にいます。

稚拙なボス戦で、いつもすみません。

埋めつくす虫たち。

私への攻撃は来ない。

近づこうとすれば焼ける。

それが分かっていても逃げられる空間でもない。

森があったかもしれない場所は、虫に食べつくされていたのだろう、残骸ばかり。

もちろん私が焼き尽くしてしまっているのも理由だと思う。

これなら、バーサーカーでも変わらないじゃないかな。


でも、プレイヤーである私の意志には関係なく、体は動くし魔力を使っている。

理性があっても、動かせないのは意味がないと思う。


ゆらりと踏み出すと、無数の虫の焼かれるにおい。

鼻につく。

気持ちが悪い。


でも発動しているスキルは止められないし、我慢だ。

暑さで呼吸がきついけど、それも気にしない。


そんなに広くないはずなのに、虫のせいで前が見えないからだと思う。

ここはどこなのかわからない。

ボス部屋がどこにあるのかもわからないのだ。


ボスがいる限り、ここの虫たちがあふれるのは間違いはない。

ボスが、このフィールドのダンジョン核のかけらを取り入れてしまったからだ。

つまりボスが、ここを支配し、出てくる魔虫をどんどん増やしているのだ。


・・・

穴が開いている。

そこにも私の炎が入り込む。

どうやら中にも卵やらがあるらしい。

このフィールドは、どこもかしこも虫だらけだ。


まっすぐ歩いていたと思うのだけど、フィールドの壁にぶち当たった。

うしろはもう、虫に囲まれているけど、ここまでの道にボス部屋はない。

G、おおすぎでしょ。


もう一度歩いてみるか。

そういえば、拠点に馬車道を作った時の、あの大規模な魔法が使えれば、一気に道を開いて、ボス部屋が分かる気がする。

でも、私の意思が反映されることなんてあるのかな。


考えが体に伝わったのだろうか。

片手が前に出された瞬間に、あの炎の魔法が大きく飛び出た。

そのまま手がゆっくりと動かされていく。

なにこれ?

こんな魔法だったっけ?


意思を反映しながらも、石とは関係なく使っていくこの魔法で、ボス部屋が見えた。

あちらか。


ふらり。

歩みを進める。

やっとボス部屋の前だ。


本来、ボス部屋の前のところは、エネミーがいないはずなのに、ここはボス部屋に入るための扉にもくっついている。

開けないと・・・


手を伸ばすと。扉が解けていく。

ああ、高熱の炎のせいで、強引に開けているのか。


一歩入ると、そこには、大きなGではなく、卵が無数にあった。

そして、そこから、無限に湧いて出てくる、様々な種類のG。


あれがボス・・・

まさかのタマゴ。


タマゴは炎が効かなかった。

耐性ができているのだろう。


酸の水。

狭い空間で使うのは危険だが、呼吸してもしなくても同じな、このプレイヤーの体は、耐えられるだろう。


酸の水で覆う。

泡を吹き出しながら溶けていくボス。

そのあいだも、Gは沸き、ともに溶けていく。


結界があってよかった。

酸の水も炎も、私には嫌なものだ。

どうせ、すぐに治せるけど、ところどころ、皮膚がとけたり焦げたりもしているし。


ボスが完全に溶け切ると、小さなかけらが酸の水の中にとどまっていた。

ダンジョン核のかけらだ。

まだ生きているGがそれを取り込もうとして、酸の水に溶けていく。

しばらくはそれを見ていてもよいだろう。

この空間の虫は、私への攻撃より、その核のかけらのほうが大事のようだから。


空間にいるGを焼き殺しながら、しばらく待つ。

外のGも、空いている入り口から入ってくるけど、それも私の炎で焼き殺す。

ボスがいなくなっているので、無限わきは終わっている。


見ているのだろう、ダンジョン核に、後始末はお願いしたいところだけど、とりあえず、全滅させて、私のバトルジャンキーが解除されないと、空間から出てはいけない。


酸の水が消滅しそうになると、それをつぎ足し、入り口から入ってくる虫を焼き殺す。

これはほんとにわたしの意思を反映していないでやっているのだろうか。

どちらにしても、虫が少なくなってきたと思う。


サーチ。

心の中で唱えると、なぜか、このフィールド全体の生命を感知できた。

うん。

もう、このボス部屋の中に入っているのだけしかいない。


やっぱり、ゲーム仕様ではなく、この世界仕様になっているのかもしれない、バトルジャンキー。


ボス部屋の虫を炎と酸の水で確実に仕留める。

少ししたら、生命が私だけとなった。


酸の水も、地面に吸収されていく。

残された核のかけらを、さっとつかんで、マジックバッグに突っ込んだ。

それでも、私の手が少し溶けたのだから、あまりにも強い酸性の水だったに違いない。


ああ、それよりも疲れた。

生命が見当たらなくても、バトルジャンキーが解けなければまだまだ帰れない。


運営さん・・・

疲れたよ・・・


<もどそう>


運営さんの声が聞こえた。

頭に運営さんの手が置かれた気がした。

バトルジャンキーが解除された。


眠い。

魔力の使い過ぎだ。


「回収・・・して・・・」


聞いているだろうダンジョン核に、そう呟いて、意識がなくなった。

お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。


不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。

「追放王子と生態系調査人」


https://ncode.syosetu.com/n4898ho/


こちらはしばらくお休みしてます。

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