155~スキルを使う~
いつもお読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、スキルで無双中。
私は虫が嫌いだ。
それは何度もみんなにいっているし、みんなわかってくれている。
だからここにいるのは私ひとりなのはおかしいのもわかる。
だけど、それは仕方ない。
スキルがある。
ふたつ。
狂戦士とバトルジャンキー。
狂戦士。
いわゆるバーサーカーというもの。
こちらのスキルは、目につくものを持っている武器ですべて破壊しつくすという。
生きてるものだけじゃなく、森だろうが、動かないものである家だろうが、ただただ目に付くものすべてを破壊しつくし、周りにそれがなくなるとスキル状態が切れるというもの。
バトルジャンキー。
こちらは理性がある。
ただ、動くもののみに攻撃を繰り返す。
それは魔法であろうが、武器であろうが、動くものに対しての破壊行為のみ。
生命感知したものに対する攻撃を繰り返していくスキルだ。
スキル解除には、リアル時間で二日から長いと一週間、これはランダムで決められている、か、戦闘不能状態になるか、であり、その間は、プレイヤーは自分のキャラクターを操作できない。
どちらのスキルも、ゲーム内で使ったときに、とても不便だったため、二度と使わなかった。
私が選んだのは、バトルジャンキー。
狂戦士を選んでも、エネミーが残ってしまう可能性があるからだ。
生命を破壊しつくす。
それが今の私に与えられている使命だ。
理性が残っているということは、思考できる。
私は周りを炎の渦で満たした。
それでも、狭いボス部屋だけならすぐに終わるが、ここはフィールド。
どれほどの広さがあるのかわからない。
周りには虫、虫、虫だ。
いわゆる、G。
あらゆる種類のGがいる。
なんでそんなのが繁殖してしまうんだ、おかしいでしょ・・・
共食いと変異を繰り返し、最強になったボスが、この奥にいる。
だが私にとっては、全部がボスだ。
『ここのフィールドは、先ほどのドームくらいです』
どこからか、ダンジョン核の声が聞こえた。
そうなのか。
そんなに広くない。
でも、そこを埋め尽くす、この黒い、茶色い、あれらが、餌と認識しているであろう私に、襲い掛かろうとして焼け、消し飛んでいく。
一歩進みごとに羽音がさらに大きくなる。
狂いそう。
ボス部屋までは、まだ遠い。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
https://ncode.syosetu.com/n4898ho/
こちらはしばらくお休みしてます。




