153~若者は飽きるのも早い~
いつもお読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、どうやら何日か寝てたようです。
この空間に来てから、二日経った。
私の感覚だから、本当は何日たっているのかわからないけども。
だって、寝てたし。
あれだけ魔力使ったんだよ?
眠いよ。
疲れたよ。
ずっと寝てても文句言われたくないよ。
起きたら、スズランとエイトが何か言っていたけど、無視。
私の感覚では、まだ二日。
王様とリアさんとサカイ様は、すっかりこの空間になれていて、外で優雅にお茶しているし。
何やら小難しいこと話しているらしいけど、私には関係ないか。
運営さんは、私の横で寝てる。
あ、これは、お仕事しに帰っているんだな。
大変だよね、神様は。
うちの従魔たちは、こちらも馬車の外でのんびりしている。
何の変哲もない空間だから、平和だわ。
もしかしたら、油断しきっているところを襲いたいのかもしれないけど、そうでもなさそうだし。
メイちゃんとシツジローくんは、今までのドロップ品を並べながら、分別してくれている。
マジックバッグに等分に入れてくれているようだけど、貴重品ぽいのは、別に保管で、あとでみんなでお話なんだろうな。
「ししょー、きいてます?」
「ん?・・・暇だからここから出たいんだっけ?いいじゃない、何もないから平和で」
「いつまで閉じ込められているかわからないのって、嫌なのよ」
「そんなに気になるなら、壁でも攻撃してくればいいじゃない」
「やったよ、それ。何にもならなかった」
やったのか。
そうだよね。
若いって、無謀なことするから、やるよね。
「攻撃が吸い取られていく感じなんだ」
「そうそう。魔法はなったけど、吸収されているのか、すり抜けるのか、あとも残らないの」
ああ・・・
ここは、あれを壊さないと出られないからね。
「ししょー、どうにかしてよー」
「わかったわよ」
もう少しだらけてたかったけど、若い子たちは飽きてきたみたいだし。
そろそろこちらから干渉しますか。
空間の上のほう。
ダンジョン核があるであろう方を見つめる。
手に持ったかけら。
魔力で包んだままだから、向こうから干渉できない。
それを投げつける。
おお、吸い込まれてった。
馬鹿なダンジョン核だなあ。
魔力ごと吸収したってことは、こちら側からとらえられるってことなのに。
どうしてもかけらを取り戻したかったのかな。
空間はそのまま。
天井から何かが下りてくる。
私たちは固まってそれを見守る。
攻撃態勢を取っていたらこちらが迎撃するけど、そうでもないらしい。
青い人型のそれ。
私の魔力できちんと身動きができないようで、動きが変だ。
「ハ・・・ジ・・・メ・・・マシテ」
「うん?はじめまして。しゃべるタイプなんだ?」
明らかにこれは日本語。
私の魔力が干渉しているせいなのかな。
ほかの人たちにはわからない言語。
「こちらの言葉でしゃべれるかな?」
「ハ・・・はい・・・なんとか」
お、流暢になってきた。
でも動きが変。
「お話があります」
うん。
わかってる。
これからお話合いだね。
運営さん戻ってきてないけど、勝手に話しをすすめよう。
でもまずは、お茶を勧める、だよね。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
https://ncode.syosetu.com/n4898ho/
こちらは少しの間、おやすみしています。




