152~ゆっくりおやすみ空間だわね~
いつもお読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、ゆっくりとしてます。
魔法陣に魔力を流すと、違うフィールドに飛ぶ感覚が伝わってきた。
ついた場所は、何もない小さな空間だった。
「なにここ?」
全員外に出る。
ここが新しいフィールド?
でも、辺り一面壁だ。
壁が迫ってくるホラー映画の要素を思い出したけど、その様子もないし。
広さで言えば、ドーム一つ分くらい?
虫の羽音も聞こえない。
私たちがたっている場所は、ほぼ中央部分。
電気があるわけでもないけど、とても明るい。
ボス部屋・・・ではないようだけど、なんだろう。
ゲームの中にこんな部屋あったかな?
「ししょー、ここなんですか?」
「私が知りたいよ。虫さえいないならどうでもいいけど」
今まで虫だらけだったからね。
いや、出てきたら、また焼くわ。
「運営さん、ここどこかな?」
「ここはダンジョン核の部屋だろう」
え?
こんな場所だったかな?
「呼び寄せるために作ったのだろう」
「ああ、そういう・・・」
それならば、この部屋全体がダンジョン核、あるいは、どこかにダンジョン核があるわけか。
このかけらを取り返しに来たのかな。
それならそれで、ダンジョン核を壊すけども。
「待ってても反応ないし、探るのも面倒だし、ご飯にしようか」
あきた。
なんで私が待たなきゃいけないのよ。
魔力使ったんだから、眠いし、それでも我慢して起きててあげる義理はないわ。
おなかもすいたし。
今までのフィールドは、いい地面じゃなかったけど、ここなら悠々と美味しいご飯作れそうだし。
おコメは無理だったけどね。
蝗、許さん。
虫食は、はちみつくらいだわ。
メイちゃんがご飯の支度、あとはそれぞれこの空間を見に行っている。
まあいいか。
ある程度レベル上がったし、見える範囲しか広さないから、異変があってもすぐに駆け付けられるしね。
あ、シリウスとしーちゃんとベヒーは、攻撃しないように。
向こうの出方を待っていようね?
先ほどの空間で暴れたりないのはわかるけど、虫はいないし。
おうち帰ったら、森の中で暴れてていいからさ。
ウーマは、馬車から外されたら、この空間の隅々まで走り回っているから、みんなの安全がより一層確保できそうね。
紅茶を飲みながら、周りに耳を澄ませる。
うーん・・・
上にいるなあ。
でもこちらに降りてこないし、接触もしてこようとしない。
核のかけらはここにあるけど、こちらは無反応。
まあいいか。
一心地ついたら、こちらから接触してみよう。
お菓子おいしいわ運営さんも、優雅に腰かけて、お茶飲んでるし。
平和だわ。
「ねーちゃん、あっちにも何もないよ」
「あら、確かめてきたの、ありがとう。ここには何もないかもしれないわねえ」
「ししょー、ここってなんのための空間なんでしょうね」
「さあ?よくあるセーフティエリアなんじゃない?」
敵なのかどうかわからない、ダンジョン核は上にいるけども。
「でもここから出ることもできませんよ」
「ああ、たしかに」
出入口ないし、来たとき使った魔法陣はないしねえ。
・・・壊せばいいんだるけど、今は小休止。
「アイリーンちゃん、ここって吹っ飛ばしてしまってもよいのかしら?」
「リアさん、できるなら、もう少しだけ待ちましょうよ。ここの空間の主が、わざわざ呼び寄せたんだし」
「そうはいってもねえ」
「ご飯食べて、お風呂入って、今日は休みましょうよ。虫の羽音もない空間なんて、素敵じゃないですか」
「そうねえ」
寝込んでいるとき以外は、ここではシャワー浴びられているんだし、よく寝られていると思うんだけどな。
みんなが戻ってきて、もう今日は休むことにした。
冒険中は、休めるときは休まないとね。
ああ、もう眠いし、警戒するのは、うちの従魔たちに任せましょう。
ご飯はまだだけど、睡眠大事。
おやすみなさい。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
こちらはしばらく書いてません。すみません。
「追放王子と生態系調査人」
https://ncode.syosetu.com/n4898ho/




