150~心残りがありすぎるけど~
お読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、おきてますよ。
馬車に乗り込み、すぐに出発。
ウーマには、虫よけの結界を張らせているけど、虫よりも早く進むとおもう。
魔物除けの香も焚いているけど、これってダンジョンでも効くのかな?
スピードをあげて、ボス部屋まで一直線だけど、ああ、荒らされていくコメたちを見るのはつらい。
私のコメ・・・
絶対に許さん!
ここのダンジョン核には、お仕置きしないとな。
後ろから虫が迫ってくる。
前からも迫ってくる。
私は、馬車の御者台。
馬車自体にも結界張ってあるから大丈夫だけど、片っ端から、焼いていかないと邪魔だしね。
馬車の中は平和・・・といえば聞こえはいいけど、疲労困憊しているパーティーメンバーしかいない。
もしボス部屋に行っても、彼らは戦えないだろうから、馬車で待機してもらわないとね。
かけらを壊してしまえば、すぐにボス部屋に行けるけど、これは人質のようなもの。
虫がいくら襲って来ようが、こちらの微々たる経験値になってもらうしかないのよね。
ボス部屋の目の前まで来ると、今まで襲ってきた虫が、なぜか距離を置いた。
なんで?
でも、幸運と思わないとね。
休む時間をくれたようなものだ。
もしかしたら、ボス部屋の近くの範囲には、寄れないようになっているのかもしれないけど。
ようやく回復したメンバーたち。
まだ、疲労が残っているようだけど、メイちゃんのご飯はおいしいから、すぐ回復するでしょ。
「今日はここで休んで、明日ボス戦ね」
「・・・もう少し休まないかね」
「ああ、いいよ、あなたたちは馬車にいて。すぐやるから」
雑魚敵のダンジョンに、時間かけていられないよね。
心残りは、収穫できなかったことだけよ。
ああ、私のおコメはいつになったら、手に入るのかな。
おいしいご飯が食べたいです。
メイちゃんの料理に舌鼓を打ちつつ、白いご飯に思いをはせる。
ああ、今食べているこのステーキだって、しょうゆ…はまだ手に入ってないけど、ご飯と食べたい。
パンじゃなく、ね。
さんかくおにぎりに味噌汁・・・
あ、大豆がないから味噌汁も作れないんだ。
アズキがあったのだから、大豆もあるんだろうし、絶対見つけてやる。
私はおいしいものが食べたいのよ。
肉とパンだけの生活は飽きているの。
虫の音が聞こえているのは、まったくうれしくないけどね。
こちらには寄て来ないなら、別にいいわ。
すぐそこにはコメがあったのに、ここでは手に入らないのはわかったもの。
あきらめる。
後ろ髪は引かれるし、ほんとに嫌だけど。
夜は結界を強めて、就寝。
起きたら、ボス戦頑張ろう。
ボスに八つ当たりにしかならないけども。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
https://ncode.syosetu.com/n4898ho/
しばらく忙しくて、連載止まったままです。




