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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
148/281

148~私は気ままでいたい~

いつもお読みいただきありがとうございます。

居眠り女主人公、怒りのまま、暴走中。


馬車が走り抜ける。

どこまでも蝗害のせいで、私の!大切な!コメが!なくなってる。

大切なことなので…ということは言わないけども!

私が求めていたものをことごとく食べつくしていく、この虫たちをどうしてくれよう。


いや、それよりもだ。

感じている。

その魔力。

ここに、今、ダンジョン核がある。

正しくは、そのひとかけらがあるといえるのだと思う。

ダンジョン核は、ばらばらになることはないけども、ダンジョンの各層の運営として、小さなかけらみたいなものを作っていくのだそう。

それをひとつづつ破壊して、全部の層を踏破していくのが、プレイヤーのダンジョン攻略だから。


だからこそ、ダンジョンキラー。

新しいダンジョンを次々と作ってもらうために、プレイヤーはダンジョンを破壊していく。

それがゲーム内の楽しみでもあったから。


運営さんは大変だったのだろうけども。

ああ、もしかしたら、仕事で忙しいのは、ほかのワールドでも、同じことをやっているプレイヤーがいるのかもしれない。


階層にあるダンジョン核のかけら、と呼んでいるものを壊すと、その階層のボス部屋まで一気に行ける。

それをしらみつぶしに探すのが、プレイヤーのダンジョン攻略でもあるんだけど、この世界では、その魔力を感じているから、それを追いかけているところ。


移動している。

その魔力をおって、ウーマを走らせる。


私自身は、御者台。

魔力感知した場所に、魔法を放つ。

・・・また逃げられた。

空だったり、地面だったり、木の間だったり。

田んぼの中だったりもする。

そこに向かい、魔力を放出しては、舌打ちを繰り返す。

ゲームとは違って、逃げるからだ。


「少しは冷静になれ、アイリーン」


いつの間にか横に運営さんが来ていた。

冷静も何も、あんたがこのダンジョン核を作ったんでしょう。


「ほかの者たちが、何が起きているのかわかっていない。チームで来ているのだから、チームの者たちと意思疎通を図るのも、プレイヤーとしての務めだろう」


うっ。

確かにそうだけど・・・

でも、やっぱりこのダンジョンは許されない。

私が目覚めてから、パンやパスタばかりの食事に、どれだけ辟易しているか、だれもわからないからだ。

コメ、みそ、しょうゆ、の美味しい世界が、目の前で壊されていくのは耐えられない。


でも私は、アラサーだ。

大人にならなければ。



「ごめん・・・」

「わかればいい」

「無理だわ」


うん。

無理だわ。

私はここで自由に気ままに生きていたいんだから。


ウーマが走り抜ける。

景色が変わらない。

・・・ん?

先ほどの田んぼは、私が魔法で穴を開けたところだ。


冷静になろう。

同じところに打ち込んだ?

いや、ちょっとずれているのか。

でもあの辺りに、再び移動したということは・・・

いやいやいや。

今までも、穴が開いたちょっと近くのところに打ち込んでいると。

ということは、あの範囲が、ダンジョン核が移動するために何かがあるということ。

次はあそこ。

そのつぎは・・・


「ウーマ、次の地面で決着をつける、少し緩めて」


魔砲弾を撃ち込んだ。

次はもっとでかいのを撃ち込む予定だ。

半径どれほどの距離に、ダンジョン核が移動できるのかわからないけど、大穴を開けてやる。


隣で運営さんがため息をついているけど、知らない。


両手に意識を持っていき、巨大な魔砲弾を作り上げた。


投げつける。


・・・やったか。


ダンジョン核のかけらが、そこから動いていない。

砂煙の舞う中を降り立つ。


小さなガラスの破片のようなものが、そこにある。

手でつかむとすぐわかる。

ダンジョン核のかけらだ。


魔力で閉じ込め、馬車に戻る。

ああ、今は眠い。

魔力の使い過ぎ。

起きたらこのかけらを処分しよう。


クッションに倒れこんで、もう・・・ねむい・・・


お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。


不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。

「追放王子と生態系調査人」


https://ncode.syosetu.com/n4898ho/

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