139~いい加減ってなんだろう~
いつもお読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、ダンジョン攻略中です。
王様とリアさんの武器を作り終わって、さらに半日。
リアさんがよろよろの状態で起きてきた。
そのころには、王様もサカイ様も普通に動いているし、ご飯モリモリ食べてる。
復活はやくないか?
「リアさん、大丈夫?」
「ああ・・・アイリーンちゃん。なんだか体中がずっとふらふらするの・・・」
レベル酔いと空腹だと思うのだけど、まずはレモン水と特級ポーション。
まだ起きられそうもないスズランとエイトのことは、しばらく待とう。
「数日はここで滞在しますね。馬車で寝ればいいし、ご飯はあるから」
みんなが起きてこないと次に進めないよね。
幸いにも食糧は向こうから勝手にやってきたり、みんながとってくる。
復帰した人たちへの影響はもうなさそうだ。
これからはゆるゆるとレベルが上がるのだと思いたいけどね。
「リアさん、これね、リアさんの魔力流してほしいのだけど、できそう?」
スライム核石を渡す。
小粒だけど極上品だよ。
やはり魔法を使うものとしては、いい核石の付いたものにしたいじゃない?
「・・・ごめんなさい・・・まだ・・・」
「ああ、いいですよ。復活してからにしましょうね」
「ごめんなさいね」
「ずっと寝てたから気持ち悪いでしょ。お風呂もすぐ使えるから」
「ありがとう」
まだふらふらしているけど、メイちゃんがサポートしているから大丈夫でしょ。
うちのメイドさんは優秀なのよ。
「お嬢さま、デュース様とグリーンバズス様、サカイ様がお帰りになりました」
「ああ、どこまで行ってきたのかな」
目の届く範囲にはいなかったけど、結構遠くまで行っていたみたいね。
運営さんが、王様とサカイ様のレベルアップの後の力の加減の仕方を見てくれている。
出てくる魔物の討伐を兼ねた感じだ。
今までのようにふるうと、大惨事になるだろうって。
そういえば、レベルいくつになったのかな。
99にはなっても、限界突破のための討伐ができないから、それ以上にならないのは知っているけども。
「おかえりー、どうだった?」
「二人とも、何とか抑えるようになった。あまり強くなりすぎるのは困ると思うのだがな」
「しかたないよね。行きたいと言い出したのは向こうだし」
「エイトのことも考えないとな」
「それが困るのよね。まだ見習いなのに」
寝ているエイトの鑑定をしたら、レベルが80を超えてしまっている。
これで見習いだというのは困るのだ。
まだ幼い子供なのだし。
「特例があるといいのだけどね」
「どうなのだろうな」
「エイトには一番覚えてもらわないとね。力の加減」
「そうだな」
ちょっと喧嘩しただけでも、相手に重傷もしくは死を与えてしまうかもしれないほど強くなってしまっている。
まだ子供なのだ。
精神の成長途中だというのに。
「なんだ、あの子供のことか。それなら城で預かろう。近衛騎士にでも入れようじゃないか」
「何言ってんの?そんなことさせないし。エイトに強制したら、城つぶすよ?」
「ああ・・・わかった。強制はしない」
「ほんとにわかってる?王様たちなんて、私から見たらザコなんだからね」
二けたレベルなんて、ザコの塊だわ。
エイトに強制したらただじゃおかないけどね。
「息子たちの護衛に欲しいものだが・・・」
知るか!
自分で探してほしい。
「それより剣の具合どうだった?」
「あれはすごいな。軽く振るだけで地面が割れた」
「それはレベルのせいでもあるでしょ」
「ん?」
「まあいいや。みんなが起きてからだね」
まだしばらく起きないかな。
再び、二日も経って、ようやくスズランもエイトも起きてきた。
私は退屈だった。
退屈すぎて、リアさんに魔法の加減の仕方と、火魔法の火力の段階を見せながら、近くにマグマだまりのようなとこを作ったら、メイちゃんにしこたま怒られた。
ダンジョンの地面をとかすなということらしい。
でもリアさんも加減の仕方を覚えたからいいよね。
起きて、魔力が満ちて、指輪に流してもらって、与えてから。いつもの感じで魔法使ってもらったら、そこの地面もとけたからね。
「ようやく起きたね、エイト」
「ねーちゃん・・・」
よろよろだな。
エイトだけがダイレクトに経験値を加算されていったからなあ。
経験なんて何もしてないないのにね。
「きもちわる・・・」
「薬飲んで明日まで寝てなさい」
「うん・・・」
再び寝たエイトのところに、スズランが来た。
スズランは何とか立っていられるみたいだ。
「また寝ちゃったのね・・・」
「あなたも寝てなさいな」
「はい・・・」
明日になったら、きちんと起きられるだろう。
そしたら説明して、それからさきにすすもうか。
ダンジョン攻略はまだまだ長そう。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
本文で出てきた、グリーンバズスは、王様の名前です。
ゼブラフ・ドレープ・グリーンバズスといいいます。
だけど、王国の名前はグリーンバズスではありません。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
https://ncode.syosetu.com/n4898ho/




