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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
130/281

130~ポーションの販路~

お読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、起きてます。

そろそろ春になります。

雪解けは早い。

あと数日もしないうちに春になる。

そういえば、拠点はもう、ほぼ雪が残ってない。

プラント母さんが、生き生きとしながら、庭の植物を厳選しているから、おいしいものがいっぱいできるだろうな。

雪の中では、あまり走り回れなかったウーマも、森に行っているようだし。

まだ森は雪深いのだけど、大丈夫かな。


プラム郷は、まだ少し雪が残っているけど、ほとんどが住民の魔法でどうにかなってる。

ぬかるみもほとんどない。

冬の間にポーションづくりに精を出したからだと思うのだけど、みんな魔力値が上がってる。

微ポーションが下級ポーションになってる人たちばかりだ。

いやし草も、なぜか冬でも繁殖してたしね。


王都中央部の家のいやし草は、サカイが使っているようだけど、減らないよね。

まだ微ポーションしか作れないみたいだけど。


プラム郷の会議室には、ポーション保管用のマジックボックスを置いてある。

私の、スキル想像力で、中に物が入ると、カウントされて、数字が表面に示されるようになっているので、何がいくつほど入っているかわかるようになっている。

住民が必要なら、そこから持っていくことになっている。

冒険者の鉄の人たちは、自分たちが作ったものだけしか使わないと言い切ったので、作られたポーションは、ほぼ余り状態だ。

冒険者ギルドに微ポーションは渡したけど、どうせなら、これを売ることも考えたい。

プラム郷を発展させるためには必要だ。

そのことは、プラム郷の人たちに伝えたら、みんなの了解を得たのでよかった。

あとは・・・

ジューノさんならいい考えがあるかな。


「シツジローくん、ジューノさん呼んできて」

「かしこまりました」


ほどなくして、ジューノさんが来た。

なぜか興奮しているようだ。


「アイリーン殿、ポーションを下ろしてくれるとは本当ですか!」


開口一番。


「プラム郷のみんなが下級ポーションを作れるようになったの。それでどこかに託して売りたいと思ってね」


プラム郷の商人は、ジューノさんがやってくれているのだしね。


「うれしいですなあ。本来、商人ギルドや冒険者ギルドでも扱えるのに、薬師ギルドが独占していまして、こちらには全く回ってこないのですよ」

「そうなの?薬師ギルド?」


そんなギルド、ゲームにはなかったな。

商人ギルドもなかったけど。


「薬師が寄り集まって作られたギルドでして・・・、薬を作ることにたけているのですな。高額で薬を売りつけるので、貧しいものは買うこともできず、教会の治療術だけでは追いつけず、奴隷に身をやつす者もおります」


特に、獣人は多いらしい。

ジューノさんほどの財力をもってしても、獣人全員を賄えるほどの薬を用意もできず、結果として、ダンゴロー一家のようなものたちも生まれるのだ。


「教会も治療してくれるの?」

「しますよ。無償ではないですが・・・、治療術を使えるものにお布施として料金を払うシステムですね。それでも、薬より安い。難しい病などは直せませんがね」

「治療術を使える人しかできないのね」


そうよね。

ここの神父さんは、使えそうにないしね。


「門番街の薬屋あったよね?あそこのが確か・・・」


いくらだったかな?

ゴミにしか見えなかったから、肝心の値段見てないかも。


「銅貨五枚分ほどでございます」

「あのごみ、そんな高かったの」


驚きだわ。

ゴミならゴミらしく、ただで配りなさいよ。


「弱いポーションはそれくらいしますよ」

「え?それじゃ、本物のポーションは?」

「・・・これが下級ポーションなら、金貨一枚の価値はございます。ですが、アイリーン殿は、そんな値段では売りたくないのでしょう?」


当たり前だわ。

安く手に入ればいいと思うもの。


「みんなが手が届く値段にしてほしいわ」

「承知しました。商人ギルドと冒険者ギルドで相談して、適正価格を提示させていただきます」

「まだ量はそんなにないから、申し訳ないけどね」

「いえいえ・・・。それで今はどれほどありますでしょうか」


ああ、そうよね。

実物のある場所に案内しないとね。


会議室では、相変わらず休みの人が作ってる。

みんな下級ポーションなら、作れるようになったし、今は、中級ポーションを作るのに必死だ。

ナナも、なんと微ポーションを作ったと思ったら、低確率で中級ポーションを作り出した。

ナナの魔力はまだ安定していないあからだろうとのことだ。


会議室で、ジューノさんといる住人があいさつを終えて、保管用ののマジックボックスを見る。


微ポーション、1800

下級ポーション、375

菓子、10


ん?

おかし?


「ナナ、この中にお菓子入れたでしょ!」

「えへへー。おやつがいつでもたべられるようにしたいのー」

「自分のバッグに入れなさい。ここには入れちゃだめよ」

「はあい」


返事はいいのよね、この子は。

・・・かわいいから許す。


「微ポーションは、プラム郷の冒険者ギルドにも渡してあるのよ」

「そうなのですね。・・・ふむふむ。またここに増えるんでしょうか」

「増えるでしょうね。みんなよく作るし」

「わかりました。・・・早速家に帰って、ギルドに相談します」

「お願いね。王都中央に行かないといけなさそうなら、連絡して」


連絡用にと、小さな通信玉を渡す。

用があるときにこれに魔力を流せば、家にある受信用の球が光りだす仕様だ。

ゲームで作ったのだけど、ゲーム内での連絡手段て、普通にメール送るだけだから、使う機会なかったのよね。


シツジローくんにジューノさんを送ってもらって、お別れだ。

ポーションが広まるようになるといいな。


ね、運営さん。


お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。


不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。

「追放王子と生態系調査人」


https://ncode.syosetu.com/n4898ho/

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