123~神父さん~
お読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、神父さんとあっています。
ワールドガイアは多神教です。
ジャムさんの家でお世話になている神父さん。
だけど、いつまでも何もせずお世話になるわけにはいかないと、畑を手伝っているらしい。
もうすぐ冬だから、冬支度始めているしね。
そういえば、神父さんは何をしにここに来たのかしらね。
ここが目的地じゃないかもしれないけど、まだ、出ていかないようだしね。
「シツジローくん、神父さん、呼んできてくれる?」
教会は、ここの住民の墓があり、小さな小屋があるだけの、簡素なつくりだ。
直した時にそうしたので、、住民が掃除をしに来る時以外は静かなものだが、もし、神父さんがここに腰を落ち着けると言い出したら、この小屋も住みやすくしないといけないしね。
小屋の中は、神様で埋め尽くされているしね。
・・・一神教じゃないから、仕方ないよね。
運営さんの数だけ、神様がいるんだよね、ほんとは。
・・・何神いるのだろう。
私がゲームであったことのある人だけでもとても多い。NPCで、重要なことをやっていた人だけじゃないというのは、聞いているし。
この教会には入りきらないと思うのね。
まあ、このプラム郷の人たちが信仰している神様だけでも、けっこういるようだしね。
シツジローくんに連れられてきた神父は、とても小柄な人だった。
身長も私より少し高いくらいの、壮年の男性だ。
またおっさんか。
おっさん増えすぎだと思うの。
「初めまして。私はアイリーン・プラム・シュガーです。プラム郷の住民です」
「初めまして。あなたがアイリーン様でしたか。皆様から、この郷を救ってくださった方だとお聞きしております。トロキヨともうします」
「トロ・・・神父さんでいいですよね」
「はい。呼びやすい呼び方で」
優しく笑む。
うん。
おっさんでも、いい人っぽい。
「とりあえず教会に入りますか」
「その前に、死者に弔いをよろしいでしょうか」
気が付いて、動けるようになってから、毎日しているのだという。
一つ一つと祈りをささげ、とある墓の前で、立ち止まっている。
「神父さん?」
「ああ、すみません。・・・この二つの墓は、わたくしの両親なのです」
神父さんが語る。
神父さんは、うん十数年前の12の折、この集落を飛び出したそうだ。
親と先々のことで言い争いをしたらしい。
そのあと、紆余曲折あって、19の時に神父となって、様々な教会に派遣されて、今に至るという。
それまで一度も親と連絡もせず、この集落の担当となったのが、3年前。
しかし、就任するまでに様々なことが重なり、やっとこの近くまで来たときに、倒れてしまったのだそうだ。
「まさか、両親の死に目にすら会えないとは思いませんでした。ここの隣の集落にたどり着いた時、この集落が病が蔓延して、たくさんの住民がなくなったと聞いた時、親のことを真っ先に思いました。・・・聞いた時にはもう遅かったと知りましたが」
後悔しかないという。
なにも話し合えなかったと。
12歳で飛び出した時の面影もほぼ残っておらず、住民の老人たちも自分のことは見てもわからなかったという。
名前と経歴を言い、やっと思い出してもらえたが、それでも、親を棄てた自分を受け入れてもらえないのではないかとおびえたそうだ。
住んでた当時の家もない。
「ここの方たちは優しい。郷長のジェヌさんも子供たちも、ほかの方も・・・」
「そっか。・・・ここに住むんでしょ?どうする?教会にすむなら、協会内に居住スペース作るよ?」
この人のもとの家はもうないのは仕方ないよね。
私が全部つぶして作り替えたんだから。
「住んでいいのでしょうか。わたくしは罪深い」
「決めるのは自分だよ。ここに就任されたってことは、その期間は必ずいなきゃいけないんでしょ」
「はい・・・」
「じゃ、いいじゃない。悪いけど、私は信心深くないからね、神がどうとか言われてもわからないよ」
プレイヤーは神が作った神の代理人みたいなものなんだけどさ。
「ここにすむ限りは、郷の仕事もしてね」
「もちろんです。ありがとうございます」
これで挨拶終わりでいいかな。
居住スペース作らないといけないし。
「あ、そうだ。神父さん、どこまで読み書きできる?子供たちの将来のために、簡単な読み書き計算くらいは覚えさせてほしいのよね」
「教会で教えられたものくらいならば」
「子供たちが何かの時にぼったくりとかに会わない程度の知識を教えてくれればいいよ」
「もちろんです。それくらいのお役には立ちます」
よかった。
教会とかって、勉強教えてくれるとか、よくあるラノベとかで見たものね。
ここもそうしてもらおう。
「まだ居住スペースできないから、数日はジャムさんちにいてね」
「ありがとうございます」
腰低いなあ。
まあいいことだよね。威丈高なら、追い出しているかもだけど。
神父さんと別れて、サクッと居住スペース。
ああ、そういえば、なんの神様信仰しているのか聞いてないや。
まあ、これだけ神像があるのだから、一つくらいはあっているといいな。
内装はメイちゃんにお任せだ。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
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