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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
121/282

121~プラム郷の旗~

いつもお読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、起きてます。


神父が普通に動けるようになるまで、かかわらないでいた。

つまり、会いに行ってから数日たった。

行き倒れ神父は、薬と食事で、何とか動けるようになってきたらしい、と、ジャムさんに聞いた。

その前に、畑手伝っているエイトにきかないとね。


エイトは、畑にいた。

大人に混ざって収穫をしている。

まだ冒険者としては経験は浅いのに、しっかりした体格になってきたようだ。


「エイトー」

「あ、アイリーン姉ちゃん」


手を止め、大人たちに何か話して、こちらに向かってくる。


「なに?」

「あんた、神父さん拾ったんだって?なんで私に報告ないかな?」

「ジェヌさんが言うかと思って。姉ちゃん、忙しいだろ?」

「確かにね。まあいいや。どこで拾ったの」

「ここから、隣の集落に行く途中に森があるだろ、そこで行き倒れてた」

「え?門番街までの森じゃなくて?」

「うん、違うよ。ギルドにいつもいる冒険者さんたちが、臨時でパーティくんでくれて、隣の集落までの配達依頼受けたんだ。冒険者さんたちも、その近くで用事があるからって」


それでパーティくんだのか。

いや、それって、エイトのために受けてくれたんだと思うのだけどな。

まだ、見習いだしね。


「そう。なんていう冒険者パーティなの?」

「『鋼鉄の腕』っていう、冒険者パーティ。リーダーが、片手が義手なんだ。で、その帰りに、森の中に行き倒れてて・・・。姉ちゃんがくれたバッグの中に、薬も入れてたから、それ飲ませて、冒険者さんたちとここに運んできた。プラム郷のほうが近かったからね」

「そう。ありがとう」

「もういい?手伝いの途中だから」

「ええ。でもエイトも、あまり頑張りすぎないようにね」

「はーい」


手を振って、そのまま畑に戻る。

プラム郷の冒険者として、未来は明るそうだ。

それよりも、鋼鉄の義手・・・だったかしら?

お礼を言いに行かないと。

エイトの成長のためにお手伝いしてくれるなんて、いい人よね。


冒険者ギルドの中は、閑散としていた。

いつもいる冒険者さんたちもいないな。


「こんにちは」

「あ、アイリーン様」

「ねえ、鋼鉄の義手?とかいう、冒険者パーティは、いないの?」

「義手・・・ああ!鋼鉄の腕ですね。今は依頼を受けて、討伐と採取で、隣の集落に行っていると思いますが・・・、彼らがどうかしましたか?」

「ああ、いえね、エイトがお世話になったというから、お礼でも、と。そう、いないのね。・・・何人パーティなのかしら?」

「4人パーティですね」

「そう、ありがとう。・・・もし来たら、アイリーンがお礼をしたいといってたと言づけてくれる?」

「かしこまりました」


会えなくて残念だけど、仕方ないわね。


「ねえ、メイちゃん」

「はい」

「冒険者へのお礼って、何がいいのかな?」


基本、プレイヤーはソロが多いし、ほかのパーティに混じっていても、そういうやり取りはなかったし。


「そうですね・・・。マジックバッグなど、どうでしょう。お嬢さまは、マジックバッグをプラム郷から売り出したいと考えておられるようですし、それなら、プラム郷のものだとわかる刺繍を入れたバッグを彼らにお礼として送り、使っていただくことで、ほかの者にも検知されますし」


確かに。

マジックバッグを、売り出そうとしているんだから、広める役目は欲しい。

お礼なのだけど、無料で広告塔にもなってもらうのは、いいかもしれない。


「プラム郷の刺繍って、何かしら」


プラム郷だってわかるような、刺繍するものがあるかしらね。


「そこはジェヌさんに」

「ああ、そうね」


プラム郷の長なんだし、何か考えてくれるわね。


ジャムさんが考えてくれたのは、キドナップバブーンの顔に、小麦の絵が描いてあるものだった。

もうちょっとポップな感じに書けないかな?

と思ったら、シツジローくんが、サルの顔の中の目が、小麦になってる絵をかいた。耳の部分が、プラント種の弦だ。

簡易的でこれでいいな、ということだ。

たしかに今のプラム郷は、キドナップバブーンがいるものね。

畑も宿も手伝っているし。

門は、弦が守っているものね。

で、その周りに、プラム郷という名前を書いて、プラム郷のロゴにしようと。

すぐに畑の人や宿の人たちに意見を取りにいって、了承してもらう。


「旗でも作るか?」

「プラム郷だというのを、掲揚してもいいかもね」


あとは、宿にそのロゴ入れとけば、プラム郷を主張できるか。


「旗、お前が作れよ、アイリーン」


ええ!

めんどくさ。

でも、仕方ないか。


「わかった。メイちゃんに刺繍してもらうわ」


私はやらないよ。

バッグづくりしたいし。


家に帰って、早速バッグづくり。

郊外の畑一枚分くらいの量が入るバッグ。

ああ、そうだ。

エイトとビートのも、変えてあげないとね。マークのも作ってあげないとね。

冒険者は、いろいろ準備が必要だろうし。

がんばろう。


あ、神父さん。

あとでいいか。


運営さん、早く帰ってこないかな。


お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。


不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。

「追放王子と生態系調査人」


https://ncode.syosetu.com/n4898ho/


そろそろこちらも更新できるくらいの時間が欲しいです。

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