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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
117/281

117~エイトの登録~

いつもお読みいただきありがとうございます。

居眠り女主人公、今回は、エイト君の冒険者登録に付き合っております。

秋も深まったころ、ギルドの職員もそろい、プラム郷のギルドが始動した。

これで、冒険者さんたちも、この近くで買ったものは換金できるし、考えてみれば、この近くのダンジョン、まだ誰も踏破してないんじゃないかな。

ダンジョンは浅そうに見えるけど、どうなのかわからないし、私にはザコだけど夏に出てくる蛍のレベルを考えると、厳しいのかもしれない。

一階層にいるものがあふれてくるって話だから。

あ、がぜん興味出てきた。

いちど潜ってみようかな。

でも、最初から虫だしなあ。

私は虫は嫌いです。


宿に泊まりに来ていた冒険者さんたちも、ここにギルドができてすぐ、換金始めているし、それで宿の美味しい料理さらに食べようと、泊まるのが長くなっている。

いいことなんだけど、ほかに行きなさいよ・・・

ここでは、武器屋防具は、なおせないんだよ、まだ。


でも今日は、そんなことはどうでもいい。

なぜかというと、プラム郷の住人の冒険者登録の日だからだ。

兄のほう。

エイト、だったな。

今、目の前にいる。

弟のほうはまだ年齢が達していないから駄目。

マークもだ。

エイトの冒険者になるための許可は、きちんとご両輪に取った。

いいかな?っていったら、なんなく許可くれたんだけどね。


「いいかね、エイト君」

「はい、師匠」


いや、私、あなたの師匠じゃないから。


「今から、冒険者登録行くから、ついてきなさい」

「はい!」


いい返事だ。

まあ、門の外に出るだけだし、なぜかジャムさんもサカイもくっついてきているし、弟のほうもマークもナナもいる。


「今日の登録は、エイトだけだよ」

「だって、姉ちゃん、オレだってみたいー」


中に入りたいらしい。

まあいいか。

弟のほうも許可は取ってあるしね。


「ナナはまっていようか?」

「ナナもいくー。ナナはいつかぼうけんしゃになるの」


うん。

反対。

ナナは、冒険者にはしたくない。


「マーク、ナナ泊まっていられるわね?」

「えー。ビイトも行くのに、なんでおいていくんだよ」


このおこちゃまたちめ。


「ギルドには怖い冒険者だっているかもしれないよ?」

「来年にはいくんだし、いいじゃん」


口の減らないおこちゃまだよ。


「師匠、自分がみてますから」


サカイ・・・

役に立つかわからないというのに。

まあ、いいか。

違うところとはいえ、副ギルド長。

権限はある。

ジャムさんもいるから何とかなるだろうか。


「私たちから離れないようにね」

「「「「はーい」」」」


返事だけはいいおこちゃまどもめ。


ギルド内は、どこも同じだって言ってた通り、入ってすぐは、いすやテーブルが並んでいて、待っている人たちの場所だとわかる。

壁際にはボードがあり、そこに依頼が張られている。

始動したばかりでもう依頼?と思うだろうけど、冒険者ギルドのボードはいくつかあって、基本ボードといわれているものには、同じものが貼られているそうだ。

低ランクの者たちへの、採取依頼がそれにあたる。

年中依頼と呼ばれるものだ。

あとは、地域性のある依頼。

これは、その冒険者ギルドによって違うらしい。

ここのは・・・

誰だ、依頼したやつ。

もう、いくつか貼ってあるよ。

だけど今日はそれには興味ないから、ムシムシ。


ちょっと奥に進んで、カウンター。

いくつかあって。

冒険者登録のカウンター。

依頼を受けるカウンター。

報告用のカウンター。

買取カウンター。

きちんと分かれている。

よく見たら字案内が書いてあったわ。


私たちが必要なのは、登録カウンター。

きょろきょろしているおこちゃまたちを連れ、そこに向かう。

幸い、今いる冒険者さんたちは、宿に泊まっているので、みんな顔見知り。

だって、しょっちゅう宴会に呼んでいるから。

プラム郷は宴会大好き。


「すみません、登録したいのですが」


カウンターの女性に話しかける。


「ようこそ、プラム郷の冒険者ギルドへ。こちらの書類に目を通して、ご署名お願いします」


明らかに面倒くさそうに対応。

ここに来るの嫌だったのかもしれないな。


「おいおい、ねーちゃん、そんな態度はないだろう。あんた、仮にも受付嬢だろうが」


後ろから、冒険者さんたちが文句を言ってくる。

いいっていいって。

こんな田舎じゃいやな人もいるだろうし。


「ありがとね、気にしないから」

「アイリーンさんよぅ。舐められちゃ駄目だぜ?」

「いいって。それより、ちょっと場所貸してほしいわ。このこの登録だから、書類に目を通させて、署名させるから」

「そうかい、悪かったな」

「ありがとね、今日はこの子の登録で宴会だから、広場来てね。ほかの人もね」


みんなに向かって言う。

エイトの登録がきちんとすんだら、お祝いだ。

うおーっって、野太い声がする。

ほんとに宴会好きな人ばかりよね。


「ほら、エイト、座って」

「はい」


エイトに渡された書類、というか、紙一枚よね、これ。

これで何を詳しくわかれと?

あとで説明があるのかな?


「エイト、待ちなさい。ちょっとクオークと話してくるから」


サカイがエイトが読もうとしたのに待ったをかける。

険しい表情だ。

ほかの職員に話しかけ、何か言ってる。


「ね・・・ねーちゃん・・・」

「ああ、気にしなくていいよ。クロークさんが来るから、待ってようね」


子供たち四人とも不安そうだ。

態度が悪すぎるのも困りものよねえ。


ほどなくクロークさんが来た。

サカイと何やら話をしていて、受付嬢が変わる。

後ろにつれていかれたようだけど・・・

私たちには関係ないわね。


「先ほどはすみません、受付変わらせていただきましたので、改めてカウンターにお越し願えませんでしょうか」

「エイト、行っておいで」


促す。

あとは説明してくれるだろう。

ジャムさんがエイトのそばについているし。

近くで座って説明を聞く。


冒険者ランクや、依頼の受け方、依頼失敗の時のペナルティなど、いろいろ説明されている。

あと、登録料。

これは私が渡しておいたので間に合っているはずだ。

冒険者になるための試験もあるらしい。

当たり前か。


「ねーちゃん、採取試験がある」

「それは自分で持ってこないとだめだよ。わたしたちは手伝えない」

「うん。・・・ここでとってきちゃダメかな?」

「何が依頼物なの?」

「薬に使える植物」


何その、ざっくりとしたもの。

いろいろあるけどね、確かに。

そして、いやし草、プラム郷にあるものね。

だけど、これは森で探してもらわないとね。

ここにすんで、森の浅いところは子供たちも行っているし、植物の見極めもできるようになっているしね。


「森に行かないとだめよ。試験官もいるのでしょう」

「うん。・・・行ってくる」


ああああああ。

心配だけど、ここで待っていないとだめよね。


「ボスがついていってくれるそうだから心配するな」


ジャムさんにこっそり言われたけど、ボス、魔獣だから、試験官さんが驚いちゃうでしょ。

ああ、でも、見つからないようについていってくれるかな、頭いいしね。


二時間ほど待ったら、エイトも戻ってきた。

その間は、やきもきしながら、待っていたけどね。

あと、クロークさんが最初の受付嬢を連れて謝罪にも来たけどね。


森の入り口まで試験官がついていき、そこから一人(幼い子を一人で行かせるなんて!!)。

森の浅いところにいろいろ生えて居たようだから、すぐ終わったらしい。

ボスが視ててくれたから危険もなかったらしい。

エイトはボスの存在に気付いていたのね。


「合格したよ、ねーちゃん」


真新しい冒険者カードに、ランクHの文字が見える。

Hから始まるのか。

まだ11歳だったものね。


「これから、プラム郷の冒険者として頑張ってね、今日はお祝いだよ」

「うん」


よかった。

ほんとによかった。

落ちる心配はしてなかったけど。


夕方、広場にみんな集まった。

エイトの冒険者としてのお祝い。

宿に泊まっている冒険者さんたちも招く。

これからうちのエイトをよろしくお願いします。

冒険者ギルドの人たちも、何人か来ている。

ほんと、よろしくお願いします。


お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。


不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。

「追放王子と生態系調査人」


https://ncode.syosetu.com/n4898ho/

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