116~プラム郷のギルド長が来た~
お読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、今回もギルドを見ています。
秋の日は釣瓶落とし。
乾季が来るのかなって思ったけど、そのまま秋になった。
天気がいい日が続くから、気持ちいい。
収穫も本格的になったから、プラム郷では、人間魔物関係なく、ほとんど畑。
麦こそがこの郷の生命線だから。
まあ、今ならいろいろなものを栽培し始めたから、冬も超すのは楽になったと思う。
私は相変わらず、ギルドの建築見てる。
外装は終わったようで、内装だから、入れてもらえず、外で眺めるだけ。
透視しているから、作業は見えるよ。
そこは、チートといえるプレイヤーの特権でしょう。
もう、今日中にできそうなので、メイちゃんとシツジローくんを呼んで、宴会の準備だ。
土産として、大樽のお酒を持たせてあげてもいいよね。
ドワーフの皆さんは、建築材料や道具を持つために、マジックバッグを持っているので、わざわざ作らなくても大丈夫だ。
棟梁さんが一番大きいのを持っているそうで、その中に、建築材料が全部入っているそう。
どれくらいの大きさなんだろう。
出来上がる数日前に、ギルドの本部に連絡がいって、ギルド長と魔法陣設置の人が来るという。
棟梁から引き渡しの儀式みたいのがあって、そこからやっと、ギルドの職員とかがこちらに来るんだって。
寮を作り始めたほうがいいよね。
面倒くさいけど、自分で決めたこと。
冒険者じゃないんだから、常駐する人は郷の仲間・・・となるといいんだけど、どうだろう。
それまでは大工の皆さんは帰って、棟梁だけになるそうだから、やっぱり今日が宴会だな。
夜は、作業が終わったドワーフのための宴会。
相変わらずの酒の飲む量と、メイちゃんのご飯がおいしいからって、郷の食料食べつくす勢いだ。
買ってきてあるけど、最初の時より勢いがすごい。
「もう食べられないからな」
棟梁さんが、魔物肉のステーキを口に運びながら言う。
確かに、ここの住人ならともかく、ほかの人はメイちゃんの料理食べられる機会ないよね。
ここの人たちは料理を教えられているから、おいしいの作るけど。
お別れは明日の朝だから、お酒とつまみになるようなもの持たせてあげよう。
郷の人や、泊まり込んでいる冒険者を巻き込んで、宴会は大盛り上がりだった。
なので、私は、彼らの旅立ちには、かかわれませんでしたよ、はい。
寝てたからね。
数日して、ギルド長さんが来た。
プラム郷という田舎に来るの嫌だったのだろう。
ものすごい仏頂面だ。
ジャムさんやサカイと話しているけど、私はかかわりたくないかも。
でも、プラム郷の子供たちのギルド登録には、この人にかかわらないといけないし、いやだなあ。
「師匠」
呼ばれて振り向く。
サカイとギルド長さんがいた。
「師匠、こちらがプラム郷のギルド長のクオークです」
「ク・・・クオーク・ロシェといいます」
ん?
「はじめまして。アイリーン・プラム・シュガーです」
「は・・あじめ・・・あああああああ!感動です!」
はあ?
「師匠、実はクオークは自分の同期なのですが、プレイヤーが大好きなのです。プレイヤーにあこがれて冒険者になったそうです。なので、プレイヤーの子孫である自分にまとわ・・・じゃなく、仲良くしてもらってます」
サカイの眼の光がないよ。
「ああ、そうなんだ・・・。よろしくお願いいたしますね。プレイヤーなので、こちらの常識はわからないので・・・」
「は・・・はい」
緊張して、仏頂面だったのか。
変な人材送り込んでくるなよ、ギルド本部。
まあ、仕事してくれるならいいや。
「サカイ、クロークさんを寮に案内して」
「はい。…クオーク、こっちだ」
お辞儀して慌ててサカイについていくクロークさんを見送る。
サカイに任せておけばいいや。
夜、ギルド長さんと影が薄すぎて忘れていた魔法陣設置の人と、受け渡しのために残った棟梁さんの、歓送迎会を開いて、一日が終わった。
にぎやかになりそうだなあ。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
https://ncode.syosetu.com/n4898ho/




