111~これは!~
お読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、子供たちを伴い、森に来てます。
交代時間の後、宿の人たちにも来てもらう。
ナナの意見や、エイト、ビート、マークの意見を伝え、どうするか考えてもらう。
結論は、ジャムさんが伝えてくれるらしい。
予定が狂ったので、ちみっこたちを連れての森は、翌日に回そう。
メイちゃんが食事を作ってくれている間に、拠点に帰って、プラント母さんから種をもらう。
新しい垣根だ。
ほんとは魔物なんだけどね。
広場の宿屋寄りに、垣根としての種をまく。
すぐに成長した垣根は、うねうねしているな。
キドナップバブーンたちが、新しい垣根にちょっかい出してつかまっているけど、すぐに放してもらってた。もしかしたら遊んでいるのかもしれない。
王都の一部なのに、ここは魔物と共存の郷だからね。
「ボス、これからはここの垣根の水やりとかもお願いね」
頼めば了承したとの意思が来る。
夏場だし、水がないからな。
水路も作ったほうがいいかもだけど、どうしようかな。
「お嬢さま、食事の用意ができました」
広場にて、住民と食事。
夏の晴れた日は、夕方から少し過ごしやすくなっていいよね。
私のいる席には、サカイとジャムさんとちびっ子たちが来ている。
親のとこ帰りなさいよ。
穏やかな雰囲気で始まった夕食。
宿屋のほうの人は、広場は使えない。
広場は、馬車で休む人達用でもあるから、あとで違う場所を作らないといけないよね。
「エイトとビートとマークは、明日の予定は?」
「俺はない」
「ないよ。後、ねーちゃん、オレ、ビイト、だからね。何か、発音おかしいんだよな」
細かいわね。
同じようなものでしょ。
「ないよ。おじょうさま、なんか用事?」
「明日、三人とも、一緒に森にいらっしゃい」
スライム核石作るために、スライム狩りしたいしね。
「ナナもごよーじないよ」
「ナナは危ないからな、お留守番」
「やだー、ナナもいっしょにいくの」
かわいいわんこが駄々こねてる。
ここで屈してしまうのが、癒しを求める私なのよ。
「仕方ないわね。メイちゃんやシツジローくんから離れちゃだめよ?」
「はあーい」
元気が一番。
「おじょーさま、ナナを甘やかさないでくれよ」
「マーク、ごめんなさいね。あなたはお兄ちゃんなんだから、見ててあげるのよ」
ちぇっ、とすねるマークには、メイちゃん特性のおやつが一つ多くいく。
これで機嫌直してくれるなら安いものよ。
「サカイ、あんたも来なさい」
「はい、師匠」
否は言わせんよ。
「朝は早いからしっかり早めに寝てね」
「「「「はーい」」」」
「師匠が寝坊しなければですよね」
「余計なこと言わない!」
サカイめ。
明日はこき使ってやろう。
そ・・・早朝、とは言えないけど、一応、朝起きられたわ。
お昼になってないから、朝よね。
「おじょーさま、まだねむい?」
ああ・・・、ナナの素直な目が、心をえぐるわ。
「大丈夫。もう眠くないよ」
ほかの四人のジト目も、心に突き刺さるわ。
「き・・・気を取り直して、出発よ」
プラム郷を出て、森。
ついてきているのは、サカイと、子供たちと、キドナップバブーン。
キドナップバブーンたちは、外で戦闘ができるものだけで、あとは集落の中にいる。
「ねーちゃん、森で何やるの?」
「スライムの核を引き抜く作業よ。これはとても大切な作業で、錬金術をやるものには基本なの」
「れんきんじゅつおしえてくれるの?」
「ナナはやってみたい?」
「やるー」
ほかの子供たちもやるみたいね。
いい傾向だ。
スライムグローブを渡す。
使い方も覚えさせる。
あとは実践あるのみだ。
森の中に詳しい、キドナップバブーンに連れられて、スライムが多くいる場所。
土のスライムがすごい。
「それじゃ、お手本ね。サカイ」
「えっ!」
「あんたはやれるはずよね?」
「はい・・・」
グローブはめて、スライムに手をつっこんで引き抜く。
それだけの作業だけど、サカイは何匹か失敗した。
下手だね。
「シツジローくん、お手本見せてあげて」
「はい」
・・・
シツジローくん、素早いわ。
子供たちもあっけにとられてる。
ダメか。
「こんな感じで、こういうものを取っていくのよ」
「ナナ、やるー」
ナナは好奇心旺盛すぎだわ。
やらせるけどね。
さすが子供たちは、コツをつかむのが早かった。
四人とも、どんどんスライム核を抜いていく。
「サカイ、負けているわね」
「ちょっと難しいだけです。すぐできます」
悔しかったらもっと早くやらないとね。
スズランはやらせてないから、どうだろうな。
今度、王都に行ったとき、スズラン呼び出すか。
昼近くまで、スライム狩りをしていたら、キドナップバブーンが、何か持ってきた。
ん?
これは!
ジャガイモじゃないの。
いや、こちらではなんていうのかわからないけど、なんでここに?
どうやら案内してくれるらしい。
行ってみたら、ジャガイモがたくさん生えてた。
葉っぱしか出てないから、あまり気づかないのよね。
ここは森で、ほかの植物と混ざってしまうからね。
収穫する。
今日は芋パーティだわ。
種芋も分けとかないとね。
全部は取ってはいけない。
プラム郷で栽培できるといいなあ。
暑い日差しの中、早く帰ろう。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
https://ncode.syosetu.com/n4898ho/




