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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
108/281

108~ああ、あんたか~

お読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、起きてます。

前話でメイちゃんの言ってた、プラント母さんがとらえたものの話です。

メイちゃんに知らされて、プラント母さんの様子を見に、拠点に戻る。

何を捕まえたんだろう、プラント母さん。

ここに入ってくることって、魔獣はできないはずだし、そもそもこんな道を通る人っていないと思う。

冒険者ならともかく、商人はもっと安全な道に行くはずだから。


拠点は雨。

本降りだな。

外に出たくないのだけど、プラント母さんを呼ばないといけない。


窓を開けて、きょろきょろすると、プラント母さんの触手がやってきた。

本人?もやってくるのが見える。

よかった。

プラント母さんには何もないな。

ここに入ってこられるようなものだから、プラント母さんに攻撃していないといいと思ったけど、大丈夫そう。

とらえたものって、何だろう。


「プラント母さん、ただいま」


触手の返事が返ってくる。


「何かとらえたんだって?」


いうが早いか、檻をこちらに寄せてきた。

中には、人の形をしたものが見える。

うつぶせていて、震えてる。

なにこれ。


「・・・だれ?」


その声に反応して、それはこちらを見る。


「「あ」」


びっくりした。

こいつ、どこかで会ったよ。

・・・あれだ、おっさん子供だよ。


「おま・・・おまえ・・・アイリーンじゃないか。た・・・たすけてくれ」

「ああ、うん。プラント母さん、これ、知り合いだから放していいよ」


中に入っていたのが、エルフ族のおっさん子供なのには驚いたけど、あれからどれくらいたったのだったかな。

なんでこんなとこにいるんだろう。


雨でびしょぬれになりながら、服もボロボロで震えているし、顔色もあまりよくないな。


「メイちゃん、中で休ませて」

「かしこまりました」


きっとかいがいしく面倒見てくれるだろう。

プラント母さんは、なんでこれをとらえたんだろう。


「プラント母さん?」


どうやら、説明してくれるらしい。

おっさん子供から、私の魔力気配がしたが、私が周りにいないので、不審に思ったのだそう。

ああ、そうか。

おっさん子供に渡したマジックバッグには、私の魔法陣が付与されているからな。


「あれは私があげたのよ。大丈夫、奪われたとかじゃないからね」


私がマジックバッグをあげた人を教えておくか。

そうでなければ、たまたまここに来た人をとらえてしまうかもしれない。

いつか、プラム郷で育った冒険者になる、あの子たちが、ここに来ても大丈夫なように。

そして今度からマジックバッグも、メイちゃんかシツジローくんに作らせよう。

ドールの魔法付与だと、誰かの魔力というものが見えないらしいから。

あ、そうだ。

プラム郷の人たちに作り方教えて、それも売りにすればいいよね。

値崩れしてもいいと思う。

誰もが持っているものなんだし、プレイヤーとしてはね。

ただ、どれくらいの大きさができるかだよね。

人それぞれだろうなあ。


プラント母さんが納得して、また雨に当たりに行っている。

いい風景だ。

さて。

おっさん子供に、事情を聴くか。


中に入ると、おっさん子供は風呂に入れれれているそうだ。

その間にメイちゃんが、温かい飲み物を作ったりしている。

服はボロボロになっているので、王都中央部に買いに走ってもらう。

上がる前には洋服一式も靴も用意できた。

我が家は土足禁止だから、靴は玄関に置いてあるけどね。


上がってきたおっさん子供を風魔法で乾かし、ソファに座らせる。

すかさずメイちゃんがスープを出してきた。


「あっつ」


勢いよく飲むからだ、馬鹿者め。


「それで?なんであんたここにいるのよ」


一息ついたようだし、聞いてみないとね。


「いや、お前こそなんでここに?」

「ん?ここは私の家だからよ」

「は?」

「私のことはいいから、あんたのことよ、ええとたしか・・・タリラリランだっけ?」


そんな名前のはずよね。


「だれだ、それ!タリヤだ」


あ、惜しい。


「俺は故郷のエルフの里に戻る途中だよ」


まだついてなかったか。


「冬の間は動けないからな。やっと出てこれるようになって、王都を抜けて、この国境の森に入ったら、プラント種が前より多くなっていた。何とか隠れながら進んでいたんだが、みつかってな。おいかけられた」


プラント種。

プラント母さんの子供たちだと思うのだけどね。


「それで急に開けた道に出たと思ったら、もう追いかけてこなくて、道なりに進んだらここに出たんだ。そしたら、プラント種の親玉が・・・」

「親玉?」

「外にいる、あの大きなクインだよ!」


プラント母さんのことか。


「外のプラントは、私の使役獣ですー。親玉じゃありませんー」


ほんと失礼なおっさん子供だな。


「お前あれを使役しているのかよ。化け物か!」


やっぱこいつ失礼だわ。


「で、外のプラントにつかまったと」


話しはすすめないとね。


「一瞬であの檻に閉じ込められた。中では魔法も使えなかったし、オレは食糧になるんだと思ったら絶望的だった」

「はあ?プラント母さんは、あんたなんて食べないわよ。あんたがそのマジックバッグ持ってたから、たすかったのよ?」

「は?これか?お前がくれたやつだよな」

「そうよ。わたしの魔法がかかっているから、プラント母さんは保護したのよ」


外は魔獣が多いし、危ないからね。

それで、メイちゃんに知らせてくれたのだろうし。


「そうだったのか・・・」

「まあ、言葉が通じなかったのも怖かったでしょうし・・・森の中のプラントは、使役獣じゃないけど、プラント母さんの子供だから、もしかしたら、あんたをここに誘導しようとしたのかもね。あんた、私の気配するものを持っているんだし」


きっとそうだと思う。

ここの森のプラント種は、いいこばかりなのだ。


「そ・・・そうか」


大きく息をつくおっさん子供。

緊張が解けてよかったよ。


「今日はもう疲れたでしょ、しばらく泊まってく?」

「いや・・・」

「一泊くらいしていきなさいよ。国境超えるんでしょ?」

「ああ・・・」

「決まりね。プラント母さんに頼んで、案内のプラントかしてもらうから、無事に出られると思うよ」

「案内のプラント?」

「プラント母さんの子供。プラント母さんの言うことは聞くからね」

「クインのこどもという認識なのか・・・」


なにかしら。あきれている気がするわ。


「森の出口までおくらせるからね」

「ありがとう」


今日は、おっさん子供もいるし、ここで寝泊まりだな。

使役獣たちは迎えに行かないとだし、シツジローくんには、サカイ送ってもらわないとだけど、せっかく昼寝したのに疲れたなあ。

もう夕方だし、ご飯食べて寝たいわ。


メイちゃんは、いろいろな手配している。

おっさん子供は外見ているし、私もサクッと動いて、早寝だな。


あー。一日が短い。


お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。


今回出てきたタリヤは46話に出てきています。忘れたころに出す感じですね。

存在忘れかけてましたが。


不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。

「追放王子と生態系調査人」


https://ncode.syosetu.com/n4898ho/

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