107~おやつ時間はのんびりしたいよね~
お読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、寝て起きたら食べてます。太らない体質です。
シリウスから事情を聴く。
どうやらナナは、メイちゃんに言われて私を起こしに来たようだ。
おやつ時間だとか。
でも私が寝ているから、シリウスにうるさくするなといわれたら、そのうち眠ってしまったらしい。
まだ小さい子供だから仕方ないよね。
ナナを起こすと、眠そうな目をこすりながら、おやつだといいう。
おきかけで食べられるのか、すごいな、獣人。
「すみませんでした」
ぺこりと頭を下げるけど、私にではなくシリウスにだ。
獣人にとっての、うちの従魔たちは、神様の使いみたいなものだそうだ。
怖くはないらしい。
「うむ。子供はねるものだ」
シリウスが大人ぶってる。
うちの仔は、やはりかわいい。
「それよりおやつにゃ。メイはどこにいるにゃ?」
「メイおねーちゃんは、しゅうかいじょでおやつつくってまっているそうです」
それなら行かないとね。
なんでかここの住人のおやつ係にまで、メイちゃんはなっているけど、そこまで面倒見る必要あるかな?
そもそも、何とか、食糧事情は改善されてきているし、梅雨と冬の備え以外は、何とかなると思うのだけどな。
メイちゃんは優しいからありか。
シツジローくんは、相変わらず、いろいろな指導しているけど、なぜか今日はいないな。
集会所では、ほとんどの住民が集まっている。ここは憩いの場だからね。
「メイちゃん、シツジローくんは?」
「本日は、王都中央部の冒険者ギルドに呼ばれて、手伝いに行っております」
「どういうこと?」
「サカイさんがこちらに来ていらっしゃるため、業務が滞っているとのことです」
「サカイ、向こうに帰しなさいよ」
うちのシツジローくんを使おうとは、いい度胸よね、がるがるさんも。
シツジローくんに、断るように言っておこう。
あと、サカイを連れて行くように言おう。
それよりちょうどいいや。
ダガーナイフ、渡しておこう。
説明しながら配ると、みんな喜んでくれた。
ナナのはないよ。
そんなもの欲しそうにしてもだめ。
ナナはまだ小さいからね。
「ナナだって、これくらいつかえるようになるもん」
むくれているけど、ダメ。
「ナナには、スコップでも作ってあげようか」
「すこっぷ?」
うれしそうだ。
土でも掘って、遊んでてほしい。
「こちらに来ていない方たちにも、おやつを運んできます」
「いや、そこまでしなくてもいいと思うよ?」
自立した大人ばかりなんだから。
いつか私たちがいなくなった後どうするのよ。
「かしこまりました。こちらに取りに来ていただきましょう」
「いやいやいや、メイさんや、うちらが持っていくよ」
住民たちが言う。
そうだね。
そのほうがいい。
「ではよろしくお願いします」
バスケットを渡す。
ここにきていないということは、宿屋のほうでの仕事や、畑仕事だろうな。
そういえば、サカイ様に任された住民も見ていないな。
「メイちゃん、サカイ様が紹介してた人たちって、どうしているのかな?」
「今はサカイ様がおいでになられてますので、そちらに行っているのではないでしょうか」
メイちゃんも知らないらしい。
ここにきて、最初にあった時以来、私は会わないし、もう、結構経つから、慣れたと思うけど、どうなのだろうか。
「そのうち、あいさつにでも行こうか」
まだいいや。
この集落が、もう少しきちんとしてから、その人たちの在り方を聞こう。
衣食住は、ジャムさんに言えばどうとでもなるのだから、関係ないや。
「お嬢さま、おきがけの時にお伝え忘れていましたが、プラント母さんが何かとらえたようです」
「え?」
うちの敷地に侵入してくるものがいたの?
どうやって?
「まだ確認はしていないのですが、そのまま、プラント母さんの檻につかまっているようです」
「ああ、そうなんだ。じゃ、行かないとね」
面倒だけど、確認しないとな。
場合によっては敷地の結界の強化もしないといけないし。
「シツジローくんに今すぐ買えるように伝えて」
「承知しました」
メイちゃんとシツジローくんは、通信できるからね。
すぐ帰ってくると思う。
拠点に帰ってくるように伝えてもらう。
さて。
何がかかっているのやら。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
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