106~今日はお昼寝しよう~
お読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、お昼寝します。
拠点に戻ってくると、雨が降ってきていた。
そういえば、雨期が先に来るって言ってたっけ。
ということは、これからしばらくは、畑も活動できなくなるよね。
雨季と冬。
プラム郷の人たちの仕事を考えないといけないよね。
どんな仕事がいいんだろう。
それよりも今は、たくさんある材料で作るダガーだよね。
ここの炉はいつでもきれいだから作るのが楽だけど、私の魔力は一気に消費されるから、ここでまた眠りこまないようにしよう。
前と同じように魔力を込めて、出来上がりはまた明日だな。
ふあああ
眠い。
どうしてまだこの体は、魔力使うと眠くなるのかな。
いい加減にしてほしいのよね。
まあいいや。
部屋で寝よう。
ぼんやりと目が覚めたら、モフモフしたものの上で寝てた。
うん。
シリウスだ。
どうしたのかな。
「シリウス・・・しーちゃん・・・ベヒー・・・」
三頭ともいる。
ああ、このふかふかの肌触り、気持ちいい。
まだ寝てていいかな。
「ご主人起きて、かまってーにゃ」
しーちゃんが退屈そうだ。
しばらく雨でどこにも行けなかったようだし、最近この子達と遊んでないな。
「かわいいなあ」
しーちゃんをなでる。
シリウスは私のベッドと化してねているし、ベヒーは・・・寝てるな。
はー・・・ 癒される。
何この仔達。
あ、うちの仔だわ。
「シリウスもしーちゃんもベヒーも、プラム郷に行ってみる?あそこはまだ雨期になってないよ」
「いいにゃ?」
「でもそっとだよ?みんな、ちょっと、驚いちゃうかもだから」
確か、あわせたことあるのって、ウーマとキドナだけなんだよね。
私がプレイヤーだから、一応、使役獣がどういうのがいるかは、周知しているけどね。
「森も近くにあるけど、そこは暴れちゃいけないからね。でも、おひさまの下で日向ぼっこして昼寝しよう?」
「するにゃ」
新しい洋服来ているにゃんこのしーちゃんは、お出かけする気いっぱいだ。
プラム郷の庭で寝てればいいかな。
「お嬢さま、お目覚めでしたら・・・」
「あ、メイちゃん、みんなでプラム郷に行くことにしたんだよ。向こうの庭でお昼寝したいの」
「・・・承知しました」
あれ?
返事が遅れているな。
まあいいや。
その前にブラッシングだな。
シリウスもしーちゃんもベヒーも、毛並みがいいから、ブラッシング楽しい。
でももう、夏だから、結構抜けるね。
そういえば、天狼もケットシーもベヒモスも、毛はとても貴重なんだってね。
分けて取っておきますか。
「さ、いくよー」
ベヒーを肩に乗せて、しい薄の上にしーちゃん乗せて、いざ、出発。
あ、その前に、出来上がったミスリルダガー、持っていかないとね。
プラム郷の家のお掃除は、今日はジャムさんちのおばあちゃん。
いつもありがとうございます。
「お嬢さま、どこいってたんじゃい」
「今日は私の従魔を連れてきたんですよー」
「従魔って言うと、キドナかい?」
キドナはここにいるじゃないの、なぜか。
「シリウスとしーちゃんとベヒーですよ」
三頭を出す。
おばあちゃん、行動がとまっているけど、どうしたのかな。
「どうしました?」
「ああああ・・・いいいい・・・いええええ・・・大丈夫です。そうでしたね、天狼にケットシーにベヒモスでしたね・・・」
腰が引けてるけど、大丈夫かな?
「襲わないですから、安心してください。私の家族です」
「・・・そうでしたね。久しぶりに高レベルの魔獣を見てしまったので、おどろいてねえ・・・」
肩で息をしている。
このおばあちゃんがこうだと、ほかの住民だとパニックしちゃうかな?
「先ほどメイさんに伺っていたので、ちょっと驚いただけですよ」
もう大丈夫だそうだ。
よかった。
「外で昼寝するので、何かあったら言ってくださいね」
さっさと出よう。
今日はモフモフを抱きしめて寝る日なんだから。
外に出たら、集落のおじいちゃんおばあちゃんたちがいた。
なんで?
しかも、うちの仔たちにあいさつしているよ。
肝っ玉が大きいなあ。
「お嬢さま、知っていますかな」
「ん?」
「ここでまつっていた神様は、数神おりましてな、そのうちの一神が、ケットシーを抱いていたそうです」
「しーちゃんを?」
あ、しーちゃんじゃないのか。
あくまで、ケットシーだものね。
「なので、ケットシーは、神の御使いとされているのですよ」
「へー・・・」
まあ、かわいいからね。
でも知らなかったなあ。
今度運営さんに聞いてみないとね。
どの人だろう。
運営さんの一人なんだろうけど。
「戦神は、フェンリルを連れていたといいます」
「うちの仔は、天狼なのよ」
惜しい。
フェンリルのドロップだったけどもね。
「そうでしたか。それにしても、とても立派な・・・」
「暴れないから大丈夫だよ。今日はお昼寝のために連れてきたので、いつもは家のほうにいるから」
「王都中央部のおうちですかな」
「違うよ。わたしの本拠地」
あちらには余計連れていけないものね。
うちの仔たちはおとなしいのになあ。
「ああ、お嬢さまの、拠点といわれているおうちですか。今度見てみたいものですな」
「うん。今度連れてくね」
そうだね。
ほかの従魔にも合わせたいしね。
でも今は。
「お昼寝に来たので、寝ます」
メイちゃんが用意してくれた、お昼寝場所。
日陰にクッションだ。
「ゆっくりお休みください」
みんないなくなって、やっと寝れる。
シリウスを枕代わりに、しーちゃんとベヒーを横に添えて。
「おやすみなさい」
起きたらなぜか、ナナが一緒に昼寝してて、シリウスが困った顔してた。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。
不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。
「追放王子と生態系調査人」
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