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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
105/281

105~スズラン~

お読みいただきありがとうございます。

居眠り女主人公、プラム郷にいます。

最近は、王都の家に帰らせていないな。

スズラン専用の武器ができて、プラム郷に向かう。

そういえば、いつまでサカイ様もスズランもいるんだろう。

ついてきた人たちも、宿でのんびりしてる。

森の魔物も狩ってくれているけど、ここでは換金できないんだよ?

街のほうに戻るときもあるんだろうか。


スズランは、宿にいる。

サカイ様もだ。


「スズランー、武器できたわよ」


離れの部屋を一棟かしきっているらしく、そちらに行けば、すぐにスズランがサカイ様と出てきた。

サカイもいる。


「ししょう!ほんと?」


喜んでいるね。


「ほんとよ」

「やったー」


どうでもいいけど、入り口で話すことじゃないんだけどな。


「アイリーン殿、こちらに」


さすがサカイ様。

気遣いできる紳士。


かしきられている部屋は、最上階だ。

部屋のソファに座ると、サカイ様のおつきのものが、お茶を用意してきた。

でも、テーブルは今から使うので、置くのやめてほしかったよ。


「スズラン、これがあなたの武器よ」


スミロドンのグローブにアダマンタイトのナックルが付いた、スズランの花の刺繍をしたナックルグローブ。

弟子であるスズランのために作った逸品だ。

私としては、あまり得意じゃないのだけどね。


あと、スライムグローブ。

スライム核石を作るためには必要。

これは、サカイに上げたのと同じ、回数制限あり。


「わー。ありがとうございます、ししょう」


早速両手にはめている。


「でも、これもいいものすぎるー」

「そう?あなたにもこれくらいは扱える人になってもらわないとね」

「わかったわ。がんばる」


年相応の少女みたいにうれしそうだ。

作ってよかったわ。


「でもこの花の刺繍は?」

「スズランでしょ」

「???」


いやいやいや。

あなたの名前でしょうに。


「私が説明いたします」


一緒に来ていたメイちゃん。


「この花は、プレイヤーの国では、スズラン、と呼ばれているものです。そして、ミュゲ様、ミュゲという名もまた、スズランの花の別名なのです」


一礼をしながら教える。


「えっ、そうなの!それじゃ、師匠が私のこと、スズラン、スズランいうのは、名前を間違っているわけじゃなく・・・」

「ミュゲ様の名前を、アイリーン様はなじみの花の名前として認識しております」

「そうだったの・・・」


ん?

いやいや。

だから、スズランでしょうに。


「よかったな、ミュゲ」

「はい、おじいさま」


先ほどよりうれしそうだな。

あ、そうだ。


「サカイ様にも、これを」


ミュゲにあげようとして断られたナックルグローブ。


「これは・・・」

「サカイ様に持っててもらうのがいいと思うの。これはね、スーベニア・サカイ作なの」

「「「えっ」」」


三人の声が重なる。

そんな驚くことかな?


「プレイヤー国にいたとき、スーベニア・サカイが、材料が足りないっていうから、提供したら、作ってくれたのよ。だから、正真正銘、スーベニア・サカイ作、ナックルグローブよ」


ゲームの中で、フレンドプレイヤーとは、物々交換が盛んだった。

ナックルだけじゃない、様々な武器が、交換された。

私は採取が好きだったから、材料提供が主だったけど。


「そんな貴重なものを・・・」

「あなたたちが、スーベニア・サカイの子孫だからこそ、渡すのが当たり前でしょう」

「ありがとうございます。アイリーン殿、家宝にいたします」


えー・・・

使ってくれるんじゃないのか。

それなら。


「サカイ様には、これもあげるわね」


スズランのナックルグローブと一緒に作ったほかのナックルグローブ。

あと、ミスリルダガー。


「なんと!」

「ついでに作ったものなので、どうぞお使いください」


使う人に渡すのがいいよね。

あ、そうだ。

どうせなら、ミスリルダガー、ここの住人分全部作るかな。

全員に渡せば、外に出たときのちょっとした護身用になるし。

そうと決まれば、これで、ここはいいや。


「それじゃ、帰りますね。やりたいことあるし」

「そうですか。アイリーン殿、ありがとうございました」


サカイ様が頭を下げる、

高位貴族って、王族以外に下げないんじゃなかったっけ?

よく知らないけど。


それよりも、ミスリルダガー作ろう。

さっさと帰らないとね。

今日も忙しいな。

お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。


不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。


「追放王子と生態系調査人」

https://ncode.syosetu.com/n4898ho/

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