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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
102/282

102~怒られた、理不尽~

お読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、ジェヌとサカイに作った剣を渡しに行きました。


おっさん二人のための革鎧。

だけど、まだどの皮で作るのか決めていないから、悩み中。

空間の中にあるのは・・・

結構あるよね。

仕方ないんだよね。

長くプレイしていたから、縫製素材としての皮がたくさんある。


どういうのがいいんだろう。

動きやすくて守備力があるものだろうけど、変な柄になりそうなのはだめでしょうし。

ある程度の魔獣には引き裂かれそうになっても引き裂けないような布がいいよね。


考えるの面倒になってきたから、あとで聞けばいいかな。

きっと好きな革鎧の素材もあるはず。

もしかしたら、プレートアーマーとかのほうが好きかもしれないし。

個人的にはあまりにも重くて動けなそうでどうかと思うのだけどね。

ゲームではきてた時もあるけど、現実では着たくはないわ


できた剣を持っていかないとね。

気に入ってくれるかな。


集落、もといプラム郷。

どうもこの名前は私の中では定着しにくいな。

自分の名前が冠されているからだと思うのだけどね。


今日の、この家の掃除は、ダンゴロー一家だった。


「あ、おじょーさまだー」


扉から出るとナナが雑巾持って走ってきた。


「ナナー。いい子だったかなー?」

「ナナはいつもいいこなの。きょうはおそうじのひなの」


ナナの頭をなでていると、チトセさんも来た。


「お嬢さま、いつもお世話になります」

「元気にやっているようでよかったです」


動けない状態だった時から考えると、とても健康そうでよかった。

ダンゴローさんは外の草むしりをマークとやっているようだ。


「ジャムさんとサカイを探しているのだけど、どこにいるか知ってる?」

「ジェヌさんとサカイさまは、門のところにいらっしゃるかと思います」

「ありがと」


門番だったか。


「おじょーさま、よんでこよーか?」

「大丈夫、そこに行くから」

「おそーじおわったら、おやつなの。おじょーさまもおやつ?」

「メイちゃんに何か作ってもらおうねえ」


ナナをなでて、外に出る。

草むしりは終わったようで、ダンゴローさんとマークが伸びをしていた。


「ダンゴローさん、マーク、ありがとう」

「お嬢さま、こちらこそ、仕事も家も与えてくださり・・・・」


ダンゴローさんが土下座し始めた。


「やめて。あなたはここの住民なんだから。家の掃除やってもらって助かるわ」

「ありがとうございます」


泣き始めた。

おっさんの泣き顔とかかわいくもないよ。


「マーク」

「なに、おじょうさま」

「あの・・・何だっけ、兄弟連れて、門のとこまで来てよ」


ダメだ。

兄弟の名前が出てこないわ。

ここにメイちゃんかシツジローくんがいないのが悔やまれるけど、子供ってあまりいないから、マークにはわかったみたい。


「すぐ連れてく」

「お願いね」


王都中央部に入る直前にあった、あの家族。

父親は裏のほうの門の番をしている。母親は、畑のほうに行っているらしい。

子供たちもそちらの手伝いだと思う。

名前は聞いているはずなんだけど、どうも思いだせないんだよね。


表門に二人はいた。

話しをしながら門番。

違うことやってほしいものなんだけどね。


「ジャムさん、サカイ」

「師匠!」

「おう、アイリーンか。どうした」


どうしたもこうしたも、魔法玉を磨かせたこと、忘れているんじゃないでしょうね。


「できたから持ってきたわよ」


空間から二振りの剣を取り出す。

久しぶりに作ったけど、うまく作れてよかったよ。


「お・・・おいおい・・・」

「もうできたのですか・・・」


二人が唖然としてる。


「錬金術で作ったからね。後、これもあげるわ」


ダガーナイフも二振り取り出す。


「解体にも適しているし、結構優れモノなんだよ、これ」

「・・・いいのか・・・って、これ・・・おい・・・まさか」


剣をさやから抜いて、驚愕の表情。


「海の近くの洞くつで、アダマンタートルっていう大きい亀がいるでしょ。その甲羅で作ったの」


アダマンタイトなんだけどね。甲羅。

オリハルコンにしようか迷ったけど、アダマンタートルのほうが、よく倒してた記憶があるから、いっぱいあったのよね。使ってなかったし。


「魔法剣にするにはいい素材よね」

「いやいやいやいや・・・」

「ししょう・・・」


二人とも言葉が出ないくらい喜んでくれたみたいね。

作ってよかったわ。


「ダガーナイフはミスリスで作ったから、切れ味もいいよ」

「「・・・っ」」


使い心地試してもらいたいけど、これから外に行くのはだめよね。

まだ装備整えてないもんね。


「あのな、アイリーン・・・」

「ん?」

「こんな貴重なもの、使えるわけないだろ!」

「えー?」


意味わからないわ。


「よくある魔法剣よ?」

「よくあってたまるか!アダマンタイト製の魔法剣?どこの王族が持つ聖剣だよ」

「一般プレイヤーが持つただの剣だけど?」


私も持っているしね。

魔法剣なんて当たり前じゃない。

メイちゃんとシツジローくんだって持っているよ。


「師匠、こんな貴重なもの、扱えませんよ」

「扱えないっていっても、その魔法玉、あなたたちに磨かせたのは、認識させるためだし、ほかの人は扱えないよ?」


魔法玉の研磨は、少なからずとも魔力を必要とする。

なので販売するものや譲渡するものは、ドールにやってもらったり、本人にやってもらうのだ。


「もっと早く知りたかった」

「冒険者なら一般知識」

「それはプレイヤーの一般常識でしょう」


なんでか私、二人に怒られているけど、理不尽だ。


「それにミスリルのダガーナイフなんて・・・」

「ミスリルで魔法剣作ろうとしたら、ミスリル銀て、光魔法か聖魔法しか通さないんだって」


これは私の知識じゃないからね。


「そういう問題じゃなく・・・」

「えー?」


文句多いなあ。

よろこんでないのかな。


「もしかして、アダマンタイトが嫌いだった?オリハルコンのほうがよかった?」

「そういう問題でもない・・・」


なんでか二人でため息ついてたけど、受けとってもらえたしよかったよ。


あとは、マークがあの兄弟連れてくるのを待つだけだね。

早く来ないかな。


お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。

誤字がだんだん多くなってきている気がします。漢字が苦手です。


不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。


「追放王子と生態系調査人」

https://ncode.syosetu.com/n4898ho/

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