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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
101/281

101~炉を使います~

お読みいただきありがとうございます。

居眠り女主人公、作業しています。

出てくる金属の使い方は、ガイア仕様なので、よろしくお願いします。

研磨がおわった魔法玉を、シツジローくんが受け取ってきた。

研磨の仕方は人によっての癖があるので、プレイヤーのドールとは違い、少々形が違う。

少し細長いほうがサカイのらしい。


これで材料としては、魔法玉はできた。

あとは、持ち手と鞘に使う木材と、刀身の金属。

何がいいかな。

やっぱり定番の、ミスリルだろうか。


「ねえ、運営さん、ミスリルならいい感じかしらね」

「魔法剣を作るのだったな。ミスリルはやめておきなさい」

「え?なんで?」

「ミスリルは聖銀だからな」


運営さんが言うには、ミスリルは、聖魔法や光魔法を使うには、魔力が発揮されるそうだ。

だがほかの魔法は、威力が半減されてしまうという。

この世界での性質らしい。

貴重な金属ではあるけど、魔法剣としては使えないのだとか。


納得できた。

それなら違うものにするかな。

幸い、金属類は、ゲームの時のアイテムが大量に残っている。

カンストまで集めるの好きだったし、腐らなかったからね。

空間魔法の中に眠っているし。


「これにしよう」


ついでにいくつか、ミスリルも取り出す。

魔法剣じゃないなら作れるらしいから、刃渡り30センチくらいのダガーナイフを10本ほど作っておこう。


まずは、炉の準備。

普通の炉としても使えるけど、錬金技術で使う時は、だいぶ違う。

というより、プレイヤーの使い方が、ゲームの時そのままなのだと思う。


炉の周りに結界はって、炉の中に魔力込めて、作るもの一つに対して、一つの紙に書いた魔法陣と、その材料を、炉の中にいれる。

なぜかゲームの時は何個も作れたので、どうやら、そのゲーム仕様が、残っているのだと思う。

炉の周りの結界の外から、さらに魔力を込めて、錬成が始まった。


一瞬でできればいいんだけど、そうもいかないみたいね。

なぜか、炉の上にタイマーが出てきた。

ゲームの時の仕様だ。

15時間と書かれている。


「・・・寝ようかな」


どうせこのまま掘っておけば、15時間後には、出来上がっているのだし、見ているのもつまらないし、ただ眠い。

近くに置いてあるソファに寝転ぶ。

ああ、やはり魔力を使った後の強力な睡魔には勝てないや。

魔力自体はたくさん残っているのだけどね。


おやすみなさい。


目が覚めたのは、二日後だった。

拠点のベッドの中。

メイちゃんかシツジローくんか運営さんが運んでくれたのだと思う。


炉の様子を見に行くと、出来上がったロングロードとショートソードの魔法剣、もちろんさや付きと、ミスリルのダガーナイフ。もちろんこちらも、入れ物付きだ。

抜き身は危ないからね。

さやの中は、同じ金属で加工されているから、さやが剣によって壊れることはない。

すごい仕様だよね。

ゲームってそこまで考えてのクオリティがあるものなのかな。


久しぶりに鍛冶作業したけど、やり切った感はもちろんないし、炉がすすで汚れているということもないから、掃除もなし。

材料も魔法陣も一緒に消滅しているから、残りかすもない。


ゲームやっていた時はエフェクト見た気がするけど、実際はこんなものなのかもね。


あとは、何で鎧を作ろうかな。

金属は重そうだし、やっぱり革鎧?

私たちプレイヤーはほとんど革鎧だ。

弱そうに見えるけど、使っている皮が高レベルの魔獣の皮だから、金属鎧より軽くて丈夫で防御力が高い。

グローブや靴も併せて、一式シリーズでそろえているしね。

シリーズ効果もある。

私のも、ベヒモス装備だしね。


ちなみに革鎧は裁縫スキルで作るので、炉は必要ないしね。

一気に作れるだろうけど、シツジローくんからサイズ聞いておかないとな。

魔法陣縫い込むのは手作業だけど、革鎧は錬金でできるものね。


それよりおなかすいたな。


グーっとなるおなかの音とともに、炉のある部屋の扉が開いた。


「お嬢さま、お目覚めですか」

「あ、メイちゃん。おなかすいた」

「食事のご用意はできております」


よかった。

さすがメイちゃんだよ。

それにしても夕方だったか。外は薄暗くなってきている。

晩御飯だな。


「運営さん、お待たせ」

「ようやく起きたようだな」

「まだちょっと眠いんだけどね」

「夜も近いからだろう」


なぜか夜になると眠くなる性質も持っちゃっているんだよね。

最近は夜更かしもできるようになったはず・・・だけどね。

それよりも・・・


「いただきまーす」


ああ、おいしい。

起きた後のご飯サイコー。

何もしないでご飯が出てくる生活ってホントいいわ。


「お嬢さま、私は再び集落へといってまいります」

「ああ、うん。あ、シツジローくんに採寸表持ってくるように言っておいて」

「お嬢さまの部屋においてございます」


そうだったのか。

気づかなかった。


「わかった。行ってらっしゃい」


運営さんと、他愛ない話しながらの晩御飯。

お風呂もできてるようだし、入って寝よう。


「運営さん、明日は、こちらにいるの?」

「いや。どうやら、先に雨季が来るようだ」


え?それって教えちゃっていいの?

まあ言わないんだけど。


「なのでまたしばらくは、向こうに詰める」

「わかった。早めに帰ってきてね」

「できる限りな」


しばらく会えないのはさみしいけど、この星のためだものね。


「おやすみなさい、運営さん」

「ああ、おやすみ」


目が覚めたら、革鎧をつくろう。忘れなければね。

お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。


不定期連載で、違うお話も書き始めました。興味があったら読んでみてください。


「追放王子と生態系調査人」


https://ncode.syosetu.com/n4898ho/

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