1~転生した先はゲームのオリジナルだって~
初投稿です
誰かがどこかで読んだことあるよ!
と言う世界だと思いますが、ぬるい目で見守ってください。
ぼんやりとした感覚。
ああ、寝てたんだ?今何時かな?
今日も仕事だ。
まだ目覚ましはなってないな。
目を開ける。
なんだこれ?
真っ白なモヤの中。
まだ夢の中?
〈夢ではないぞ、佐藤あいり〉
佐藤あいり。
私の名前だ。
私を呼ぶ声は、どこから響いているのかわからない。
〈わたしの姿は見えないよ。キミも自分が今どんな姿かよく見るといい〉
姿?
まだぼんやりしながら、私は自分を見た。
あれ?
よく見ると身体がない…
え?
いやいや、おかしいでしょ、これ。
パニックだ。なにがおこってるの?
〈落ち着くまで待とう。その後、話をしよう〉
…ん?
この声聞いたことあるな。
なんだったかなぁ…
〈落ち着いたかね?〉
うん?まぁ落ち着いたかな。
私の心の声?も聞こえているんでしょう?
〈聞こえている〉
それじゃ、話してよ。きちんとわかるようにね!
〈まず結論から言えばキミはすでに亡くなっている。
そしてこの場所は、わたしたちがキミたちをこちらの世界に転生させるために用意した部屋だ〉
え?私もう死んだの?
転生?
私たち?きみたち?なんで私?
〈もちろん、、無作為に選んでいるわけではない。少なくとも、キミとわたしたちは会ったことがある〉
…姿も見えない相手に言われましても…わからないんですが?
〈それもそうだな。ワールド・ガイアというゲームを知っているね?〉
やってたからね。
〈わたしたちはそのゲームの運営をしていたものだ〉
そして語ってくれた運営さんの話では、簡単に言えば、ワールド・ガイアは本当にある複数の異世界の星で、そこに強いものを転生させるために、地球でゲームを配信したのだそうだ。
ワールド・ガイア
ワールドなんちゃらと呼ばれているいくつものサーバーがある、パソコン版のMMORPGの一つだ。
このゲームは、あまり人気がなかった気がする。
サーバごとに、ゲーム内の世界が違い、そこで起こるイベントも違う。近未来的な世界から中世時代みたいな世界。
それでも、すべて、剣と魔法の冒険ファンタジーとかいう、よくあるRPGだった。
ゲームの世界としては、よく作りこんであるのかもしれないけど、その辺りはわからない。
イベントだって、クエストだって、必ずあるとは限らないし、平穏なゲームだった。
私はあまり人と話すのが好きではないから、プレイヤーが少ないのはよかった。交流もたなくてすむから。
でもプレイヤーは一定数いたはずだ。プレイヤー同士で協力しないといけないクエストもあった。
レベルの限界突破のクエストもいくつかあった。
私も限界突破を3回やって、レベルが4桁いってた。
運営さんが言うには、限界突破しているプレイヤーに、その世界を助けてもらうのが目的で、このもや部屋に連れてきたそうだ。
ちなみに運営さんは、ゲーム内のヒントやらをくれるNPCで、たびたび登場してた。声も本人のものなんだそうだ。
この声は、あのおじいちゃんか。イケメンかぶりっこちゃんがよかったなぁ。
と思ったら、運営さんに怒られたw
あれはNPCなだけであって、本当の姿じゃないんだそうだ。わざわざおじいちゃんキャラにしたのか。
そして、1番の疑問。
私、ほんとに死んだの?
大学卒業して中小企業だけど就職できた。
三十路も半ばに差し掛かるからか、後輩が増えては去っていくからか。
あの日も、いつものように朝から日付け超えるような仕事をこなし、なんとか帰宅した。
ここ一年ほど、休日出勤もしてるほどの激務で、それでもストレス解消として、何年も前からやっていたゲームを立ち上げてた。好きだったラノベも、2次元創作も、読んだりつくったりする時間が取れなくて、それでも趣味はやらないと、気分が沈んでいくから。
だけど、1時間くらいで、仕事に差し障らないように寝てたはず。
〈過労死だ〉
そんな端的に告げられても、全く自覚なかった。
寝てる間に、だそうだ。
恋人もいない、友達はみんな結婚して付き合いが減り、後輩もみんな寿退社し、お局と陰口叩かれようとも、仕事場とアパートを往復するだけの毎日。
その癒しがゲームだったけれども。
まさか、そんな人生の終わりだなんて…
私に興味もない両親はどうでもいいけど、いつも心配しててくれた歳の離れた兄には、お別れも言えなかったな。
アパートの管理人さんにも迷惑かけてしまったなぁ。
パソコンの中身は大型掲示板と動画サイトとこのゲームだけだな。消してないなぁ・・・
会社…はどうでもいいか。
〈続きを話してもいいかね?〉
運営さんが言う。運営さんっていうか、神様だよね?
〈こちらの世界では神だが、地球は違う神がいて、その神に許可を取って、こちらに魂を送っている。〉
そうなんだ。
〈…つまり、限界突破をしたプレイヤーだけを厳選して、こちらにつれてきているというわけだ。一つの星に呼んでいい人数も、一度に5人ほどなのでね〉
…地球の神様、ケチだな。
「いや、そうではなく、限界突破してたプレイヤーが少なかったのでな〉
切ないはなしですね。
〈とりあえず、キミにはその時プレイしてたキャラクターとして転生してもらう〉
わかりました。
こうして私はワールド・ガイアに転生することになった。
長く書いてしまい、読みにくかったらすみません