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ゆるい短編

Hello my world.

作者: 閑古鳥


ずっと昔に恋をした。ずっと未来に恋をした。たった一つの恋をした。あなたに恋をした。


一番最初は偶然だった。大学の同級生で偶然隣の席に座って話をしたのがきっかけ。同じ学部の同じ学科で何度か講義で隣の席になって、話をするようになった。仲良くなって恋人になって家族になって一生を終えた。初めての恋だった。


二度目も偶然だった。どうしてか一度目の記憶を持ったまま生まれた私は、この場所にうまくなじめなかった。一度目と同じようで違う世界で記憶に翻弄されるまま流されて生きていた。会社の飲み会で別の部署に居たユウトを見つけた。名前も顔も同じですごく驚いた。飲み会で話をして意気投合して仲良くなってまた恋人になって家族になって一生を終えた。とても幸福だった。


三度目もまた偶然だった。また記憶を持っていた私は、一度目よりも二度目よりも昔の世界でまたユウトと出会った。私が店員をしていたお茶屋さんにユウトが買い物に来たのがきっかけだった。常連になったユウトとまた恋をして家族になって一生を終えた。ユウトが大好きだった。


四度目は少し私から動いた。私は一度目よりも二度目よりも未来の世界でユウトを見つけた。VRヴィジョンを使って探したユウトはやっぱりここでも変わらなかった。またユウトに出会って四度目の恋をした。そして家族になって一生を終えた。


五度目と六度目は魔法がある世界だった。今までと勝手は違ったけれど、やっぱり私はユウトと出会って恋をして家族になって一生を終えた。


性別が変わっても、歳が変わっても、種族が変わっても、それでもユウトに恋をした。繰り返して繰り返して、残ったのはたった一つ。ユウトに恋した私だけ。


何度繰り返しても変わらない。私はユウトが大好き。だから会いに行くね。


「ねえ、ここ座ってもいい?」


話しかけられたユウトはきょとんとしてこっちを見上げた。その表情変わらないなぁ。ずっと大好きなユウトの顔だ。何度生まれ変わっても変わらない初めて話す時のユウトの表情だ。


「はじめまして!私はアケミ!君の名前は?」


はじめましてだね、ユウト。私の世界。私の全て。またここから始めよう。ずっと君を待ってたんだ。私の大好きなユウト。



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