人生初夢
前回より長めです。それでも読んでくれる人は読んでください。
読んでくれない人も読んでください。
そして感想をください。喜びます。喜びすぎて死にます。
嘘です死にません。
「いや、というかあんた誰だよ。ここどこだよ。」
という俺の質問に、そのおっさんは言った。
「わし?神やけど。で、ここはお前の夢の中や。」
はぁ?え、はあ?
「ふむ、何言うとんやって顔しとんな。」
いや今ので理解できる奴なんていねえだろ…ん?夢…そうかこれは夢なのか!理解できたわ。
俺、夢見たことねえしわかんなかった。
いやなぜか夢見ない体質なんだよな…忘れてるだけかもだけど。
誰に言い訳してんだ。
てか初めての夢が知らんおっさんとの会話って…俺疲れすぎじゃね?
「よっしゃ説明したるわ。えっとな最近神界って暇なんよ。わかりやすく言うならデスノートみたいな感じな。」
「デスノートは死神でしょ…いや、死神も神か。」
「まあ実は死神って実在しないんやけどな。」
「まじかよおい。」
「話それたやんか。いやまああれほどひどいってわけじゃないんやけど、めっっっちゃ暇やねん。」
自称神のおっさんは、うんざりしたような顔をして言った。
「神様って、なんかいっぱい仕事ありそうだけどな。」
「あーまあ仕事がないわけじゃないんやけど、ほぼ無いねん。いや、無くなってんな。」
「はあ。」
「お前らの世界にもあるやろ?人工知能。あれがめちゃくちゃ技術上がってな。
お前らのほうの何十倍も賢いんちゃうかなー。そいつらが仕事はじめよったんや。
最初はみんな喜んだよ。神ってブラックやったしな。」
どこの世界も社畜は社畜なんだなー。
「でもな、どんどんそいつらの仕事の数が増えてな、しまいには俺らはほぼやることなくなってもうたんや。」
「へえ。で、何でここに。」
「まあそう急かすなって。でな、まあ暇なわしはなにしよっかなって考えたわけよ。で、思いついたのが一番強い人間持ってきて戦わせて勝たせたやつ勝ちの大会
“操り人形”
だったってわけよ。」
はあ、なんかバトル漫画みたいだな。開催理由が暇つぶしだけど。
「おいちょっと待て。ってことは、俺が実はめっちゃ強いからお前のもとに来たってことか?」
なんてことだ…まさか俺がそんな秘められた力を持っているなんて…
「いや違うけど。」
ですよね。
「じゃあなんでこれまた俺のところに…」
「えーっと、神って実は見通す目とか持ってないのよ。やから適当に呼んだ。」
「ってことは、俺用無しじゃねえか…」
「んーまあそうなんやけど、このまま返すのもなんかもったいない気がするし…あ!そうや!一個頼み聞いてくれへんか?」
「まあ内容と報酬次第で。」
「おう。まずお前にやってほしいことは強い人間を探してくることや。」
「なんか悟空みたいやな。」
おらもっとつええ奴と戦いてえぞ!
「いやでもさ、俺別に芸能人でも何でもないから、強いやつっても格闘技の選手とか連れてこれねえよ。」
そんな俺の言葉に、余裕そうな笑みを浮かべて
「大丈夫や。強いっていうのは単純な力だけやない、神界やから魔法使えるしな。」
おお魔法もあるのか。ちょっとテンション上がるな。
「それにな、お前にはわしからある能力を渡そう。はぁぁぁっ!」
「うぉまぶしっ!」
おっさんの手から光がほとばしった。
またまぶしいっ!僕融けちゃう!いや融けないけど。
「ふぅ疲れた。終わったぞ。」
「すっげえまぶしかった。言ってからしてくれよ…」
「おおすまんすまん」
「反省の色が見えねえ…あと別になんも変わってねえけど?」
「いや、変わってるぞ。“道標オン”って言ってみな。」
おっさんはにかっと笑いながら言った。
「お、おう。じゃあ“道標オン!”」
その瞬間自分の若干右上のほうにモニターみたいなのが出た。
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|名 桜木 裕
|職業 教師
|力 50
|防御 62
|素早さ 53
|賢さ 132
|魔力 39
|魔法防御 80
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「うおっ!なんだこれっ。」
いきなり出てくるからびびったわ。
するとおっさんは満足そうにひげをさすりながら
「うむ、成功やな。こいつはお前にやった能力の道標や。」
と言った。
「なんかステータスみたいなの乗ってるけどこれって何?」
俺が尋ねると、
「お前の言う通り、これはステータスや。この能力は相手や自分のステータスが見れるようになんねん。って、お前よっわっ!!」
「えまじかよ。そんな弱えのかよ。」
「弱いってレベルじゃねえぞこれ。ちなみに、常人で平均100や。」
「弱えっ!」
俺が若干ショックを受けていると
「まあよし、なんか説明してほしいとこあるか?」
「一応ゲーム好きだしなんとなく大体わかるけど、賢さと魔力の違いだけ判らん。」
「ああそれな。簡単に言えば賢さは魔法の質で、魔力は量やな。わかったか?」
「まあ大体は。」
「そや、言い忘れとったわ。“オフ”っ言ったら戻るで、モニター。」
「あ、そうなの。」
一生このモニター見ないといけないのかと思ってたわ
「ちなみに能力は何回でも使えるからな。」
「おお。ところで報酬は?」
俺は一番気になってたことを聞いた。
「結果次第やな。」
…。まあいいか。
「じゃあ、話をまとめるぞ。俺の頼みはその能力を使って強い人間を見つけてこいだ。やってくれるか?」
さてどうするか、成り行きでここまで来たが、
これを受けると…って別に夢だし、深く考えなくてもいいか。
「じゃあ受けるわ。」
「おう。ありがとお。じゃあ見つけたら連絡くれ。連絡取りたいって思ったらとれるから。頼んだぞ~。」
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「んーっ。」
うるさい時計に起こされ俺の一日がはじまった。
布団から出て、目を覚ますために顔を洗いに行く。
しかし変な夢だったなあ。なんだったっけ…?と顔を洗いながら考えていた。
「カイト…いやライドオン、あそうや道標オンだったな。」
洗い終わった顔をタオルでごしごしこすり、目を開ける。
と、俺は持っていたタオルを落として呟いた。
「夢だけど、夢じゃなかった…。」
俺の視界の右上には、クソ雑魚ステータスが映し出されていた。
「ユウ見たもん!神様いたもん!」
朝から幼女の声真似をするおっさんであった。




