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気遣い

 「ねーねー、蘭。」

 帰り、いつものように蘭太郎の自転車にの後ろに乗るすみれは、蘭太郎に尋ねた。

 「なに?」

 「蘭はどんな子が好きなの?」

 「……お前さ、人の心の傷をえぐって楽しいわけ?」

 ため息をつきながら言う蘭太郎だった。

 「え? ごめん、何かまずいこと言った?」

 「そりゃあ、忘れろって言ったよ? でもさ……もう、いいよ。」

 「ごめん。でも、うん、ごめん。」

 そこから一気に気まずくなってしまった二人は、無言のまま家に着いた。

 すみれの家の前で自転車が止まると、すみれは何も言わず自転車から降りた。

 「……送ってくれてありがとう。」

 「いーえ。すみれ……さっきのは、お前なりの気遣いだったんだよな? ありがとう。」

 蘭太郎はすみれの頭をポンと撫でた。

 「そうゆうバカなところも……いいや、なんでもない。じゃあ、明日な。」

 「ばいばい。」

 蘭太郎は2m先ぐらいの自宅へと帰っていった。

 蘭太郎は自宅に着くなり、顔を真っ赤にした。

 「……すみれの奴、あんなかわいい顔すんなよな。くそー。」

 自分から忘れようと決めた蘭太郎だったが、蘭太郎自身が忘れられそうにもなかった。急にすみれと距離を置くのは、すみれがかわいそうでできなかった。それでもこれからもずっとすみれといるのは自分の中で整理ができないだろうと分かっていたが、どうすればいいか分からず、今までの状態を続けている蘭太郎だった。

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