好きな人
「おはよう、すみれ。」
学校に着くと、いつものように雪が声をかけてきた。
「おはよう。」
「今日も蘭太朗くんと一緒?」
「う、うん。」
すみれは“蘭太朗”という名前に過剰に反応してしまった。
「すみれ? なんかあった?」
雪はすみれの少しの変化も見落とさなかった。
「うーん。」
すみれは昨日の出来事を話そうか迷った。だが、親友の雪にならと思い話すことにした。
「あのね、昨日ね、蘭に告られた。」
「へー。で?」
雪は大して驚きはしなかった。
「蘭は友達だからって言ったの。でね、今日の朝学校来るときに、昨日のことは忘れろって言われたから、なかったことになった。」
「そう。すみれはそれでいいの?」
「え?」
「蘭太朗くんは、何があっても幼なじみなのね?」
「うん……。」
「すみれがそこまで言うなら、それでいいと思うよ。」
「雪はどう思うの?」
「うーん。きっと蘭太朗くんは忘れろって言っても、すみれのこと諦められないと思うよ。すみれはずっと側にいる存在なんだからね。」
「うん……。どうしたらいい?」
「うーん、そうだねー。蘭太朗くんに新しい好きな人ができればいいんだけどね。」
「好きな人かぁ。」
「もしくは、蘭太朗君を好きになる人が現れればいいんだけどね。」
「そうだね。」
この日は、ずっとこのことを考えていて終わってしまった。
放課後、すみれのもとへいつものように蘭太朗が迎えにきた。
「すみれ!! 帰るぞ!!」
「うん。雪、また明日ね。」
「ばいばい。」
すみれと蘭太朗は教室を出て行った。
その光景を雪は静かに見ていた。
「蘭太朗君を好きな人なんて、ここにいるっつーの。」
遅くなりましたー(泣)
これからはちゃんと更新するんで、
みなさま、これから読んでやってください(願)