二人乗り
すみれは眠れないまま朝を迎えた。ボーットしながら朝食を食べ、歯を磨き、着替えた。
まさか蘭太郎が自分を……。しかしすみれは蘭太郎を恋愛対象としてみることはできなかった。
すみれはボーットしながら、学校へ向かうため外へ出た。
「よっ。」
そこには蘭太郎が立っていた。
「蘭……おはよ。」
「おす。」
蘭太郎は自転車にまたがった。
「何してんだよ、早く乗れよ。」
「え?」
「今日は歩いてくのか?」
「じゃあ……。」
そう言ってすみれは、自転車の後ろに乗った。
自転車はゆっくり走り出した。
「お前は重いから、後ろ乗せれば足腰鍛えられて便利だわ。」
蘭太郎は笑いながら言った。
「……。」
すみれは何で蘭太郎がこんなにのん気なのか分からず、何もいえなかった。
「昨日の事だけど、忘れろ。な?」
「は?」
「すみれがそんなに困ると思わなかったし、俺らはこんな感じでいいと思うからさ。」
「蘭はそれでいいの?」
「おう。つか、すみれが彼女って……やっぱありえねーし。」
蘭太郎は大声で笑っていた。
「なにそれ!? あんなに真剣に悩んだのに!! ふざけんなー!!」
すみれは蘭太郎の脇腹をくすぐった。
「おい、やめろよ。あぶねーだろ。」
「ゆるさねーよ!!」
こういってもすみれは内心安心していた。蘭太郎とはこのままの関係でいたいという思いからだ。
しかし、すみれはこの後の予期せぬ出来事から、蘭太郎への思いが変わっていくのだった。
更新遅くなって申し訳無いです