12、転入生の新宮愛華 NO5
12、転入生の新宮愛華 NO5
――美月、璃理恵、ごめん――
目の前が真っ暗となり、意識が途切れていくなか声がした。
「まだ、眠りには早い時間ですよ」
俺は目を開いた。体は床から解放されていた。そして倒れた体のすぐ上を大火焔が吹いていた。炎の合間よりとある人物が姿を現した。長い黒髪に、切れ長の眉毛で背の高い少女。とても綺麗な人で、俺は朝その人に見とれていた。
新宮愛華。
「神原さん、大丈夫ですか?」
俺の身を案じてくれる彼女に俺は疑問で返した。
「新宮さん、アンタは一体……」
俺の頬に優しく触れた彼女は、小悪魔的な笑みを浮かべた。
「私はですね、巫女です」
「巫女って、神社にいるあの人でいいんだよな」
「はい、その認識で間違っていませんよ。それより焔がきつすぎました。どこかヒリヒリするところはございませんか。少しでも痛いところがあれば、申してくださいな」
俺は腕、わき腹に背に目をやった。少し汚れがついているだけで怪我をしている様子はなかった。
「大丈夫そうだ」
「よかった。ところで……」
少女は黒焦げになって、床を転げまわっている男に目を向けた。特徴的なテンガロンハットとマントはなくなり、赤い長髪は焦げて縮れている。
「ぜえぜえ、おうぉッ、おのれエ。新宮愛華、貴様という女ハ、どうして」
新宮さんは敵意の満ちた瞳で、男を見下ろしていた。
「あら、呆れました。殺すつもりだったのにピンピンしていますね。ルート・バンカー、今度こそ、あの炎で現世より立ち去ってください」
新宮さんは指先より小さな火を点けるとそれを赤髪青帽子、ルート・バンカーへ向ける。
ルート・バンカーは自身を黒い靄で包み込んでいく。
「逃げれませんよ」
そう告げた彼女は誰かのむせかえる声に注意を取られた。視界からほんの少し話しただけで奴は消えていた。
新宮さんは璃理恵に駆け寄る。
「彼女はどうしたんですか? これは霊体でも、……つながっている?」
新宮さんは、彼女の体を一通り見るとこういった。
「とにかく、血を止めますから」




