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おまけのホームセンター戦記 佐久間の気持ち

俺は、店長から言われて初めて気付いたようなふりをしたが、

きっと少し前から自分の気持ちには気付いていた。


あいつが、お見合いをした時はなんでもないようなふりをしたが、

確かに動揺したし、お見合いの相手と付き合いだしたと聞き

ぶっちゃけ動揺が隠せなかった。


あいつは、いつも脳みその中身を垂れ流して歩いてるようなアホで

何をやっても一生懸命が空回りするし、ドジでどうしようもない。

しかも腐女子だし。

あんなやつ、どこがいいんだ、俺。


店長に映画のチケットを渡され、水戸と二人で行けと言われて、

周りには俺の気持ちがバレバレだったらしい。

そう思うと、余計全身が熱くなるほど恥ずかしいし、めちゃくちゃ

意識するっつうの。


しかも、あいつ、映画デート当日、オシャレしてハイヒールなんて

履いてきやがって。スカート短いっつうの。見ちゃうだろ。

俺はあいつを直視できなかった。好きだって意識したらもう。

危なっかしいから手を引いてやった。

バカだな、俺とデートごときであんなにオシャレして。

俺が浮くだろ。でも、ホントは嬉しかった。

水戸が俺のために、オシャレして会いにきてくれたことが。


だから、嬉しくて、俺はあいつの手を離したくなかった。

抱き寄せただけだったけど、ホントはキスしたかった。


でも、キスなんてしたら、俺明日からどんな顔して水戸と仕事すればいいんだよ。

うわぁぁ。考えただけでも恥ずかしい。


なんか、俺、中学生みたいだな。

水戸は呆れてないだろうか?


キスとか、そういうのはだな、もっとこう、なんていうか。

とにかく大切にとっておいてもいいと思うんだ。うん。


元カノの事だって、あいつ我慢せずに、俺に言えばいいのに。

俺はぜんぜんもう元カノのことなんて何とも思ってないのに、

あいつが勝手に空回りするから、俺が二次会抜けて水戸に

会いに行っただけで泣くし。たぶん、あいつすごい不安だった。

ほんと、どうしようもないアホだ。アホだから抱きしめるしかない。

そうすればきっと安心して泣き止んでくれると思ったから。



そう、俺は水戸が大切なんだ。


って、何、俺ってば。ちょー恥ずかしい。


「バカ佐久間、鈍感。」

後ろからぼそっと聞こえたぞ。

俺は、水戸を睨みつけた。


聞こえてるぞ、おい。

こっちの気も知らないで、まったく。


今度ちゃんと好きって言って、キスするからな。待ってろバカ。

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