第7話・解決困難な話
いろいろな要因が積み重なって生活保護申請はウナギ登りだという。一時的なものにせよ、助け合うのは国民の務めである。
私を含めてごく普通に衣食住に困らない国民は、住民税や固定資産税、自動車税、年金そしてオプションで各自で保険金などなど…支払っている。税金など絶対支払わないといけない類にはもう取られ過ぎという感覚もある。が払えないわけではないのでそれは観念して払っている。消費税も上がるし、もうしょうがないなあ、と思う。
税金は困った人の助けや公共の益になるようなことに使っていただいて当然だ。だけど、すごく腹が立つのは不正受給者。
本当は困っていないのに、本当は健康なのに、働けるはずなのに、お金があるはず? なのに、生活保護で医療を受ける輩。ある程度の疾病は「過去」は確かにもっているが現在は小康状態でかつぎりぎり常時薬がいる状態。
本当の疾病患者と本当に困っている方々に悪いのでここには詳細はかかないが、保護がもらいやすいという病気は確かにある。ここには書かないが専門職張りの(自己の病気のみ詳細に知っていてそれを悪用した)医療知識を持って薬の量を自分で自己調節して症状を加減する人がいる。そして「やっぱり働けません…」という人。
医療職は全部わかっています、この矛盾。
こういった不正な受給者は基本的に時間があってヒマ。病院でこまごまと症状を訴えて結構高価なMRIやCTなど検査を受けまくって小さい腫瘍などみつかっても早期発見で無料で治療してもらい入院生活を満喫してゆったりのんびり生活する。
仕事なんかしてないから、退院後の生活とか心配しなくても保護費が出る。
一方我らがあくせく働いて一生懸命働いて、体調不良でもなかなか休みが取れなくて病院に行けなくて、やっとのことで休みが採れたので病院で精密検査を受けても、(それも1日で結果はでない。精密検査も初診で全部してくれない。予約待ちでやっと検査を受けたら今度は検査結果を聞くためにもう1日休暇を取らねばいけない。合計3日はかかるわけだ。会社は特に民間は年齢や職種問わずなかなか3日も休めない)
その上予後の悪い診断をもらってもなかなか手術ができない、長期の休みがとれない事情があったりする。かくして基本的に一番の働き盛りなのに、発見時には手遅れだったりする。
こういう矛盾を目のあたりにすると怒りがこみあげてくる。
「忙しかったのです…あのとき無理してでも時間をつくって精密検査を受ければよかった」
「幼い子供の今後の生活が心配でおちおち入院もできません」、等入院のベッドまで仕事を持ちこんでくる人を見るとかわいそうでならない。
また本当に働けない状態でしかも医療費の支払いも1割もしくは3割負担でも苦しい。事情を伺って生活保護の申請をすすめたが窓口で門前払いをくわされました、と言ってこられた人がいる。
「…でもあなたの場合は申請すべきだと思いますが」
というと今生活保護申請で手いっぱいであんたは自分自身で役場まで来られるだけ元気でいいじゃないか、その気になれば働けるよ、っと言われて返されたそうだ。
お忙しいのはわかりますが話と事情は最後まで聞いてやってください。某役場の窓口担当様。
その場でケースワーカーを紹介して正規の手続きと助言を受けてくださいといったが、その後彼は病院にもやってこなくなった。
こういった矛盾にどう対応していいのか、特に個人の良識というものが欠落している人には何をいっても無駄、こちらの精神力がもたないというのが本音です。
良識…結局は社会の良心というものの育成、つきつめれば幼児教育の大切さに行きつくかな? これが全部解決したらもっと住みよい国になるのではないかな。いうのは簡単だがとても難しい問題です。
余談になるが病院側は定期的に来る患者がいきなり来なくなっても「どうしたの?」とかは基本的には聞かない。(手術日とか入院予定の人は聞きますが…ばっくれるひともたま~にいるから)
慢性疾患でずっと薬を飲まなくてはいけない人が突然こなくなる、どうしたのかな? と思っても聞かない。きっとどこか別の病院の良い医師に出会ったのだろう、とか思うので。
いちいち最近来ないけどどうしたの、なんて聞かない。またそんな時間がない。怒涛のごとく患者はいつでも押し寄せてくるので、一個人の患者にいちいちかかわっていられないというのが本音だ。
やっつけ仕事とは自分で認めたくはないが大きい病院になるほど、「情」ーなさけーというものが通いにくくはなる。残念だが、でも万一金銭的な面で通えない人はケースワーカーに相談すべき。当然基本、秘密厳守です。
また病院側に対して不満がある…これも匿名で投書とテがあるのでぜひ利用してほしい。
文句を言う人のことをクレーマーといいます。その中で本当に一番怖いのはサイレントクレーマーだという。黙って何も行動を起こさず、そのまま不満を持ったたままの人。
病院に勤務している人は全員が自分の仕事で手一杯で忙しいが、患者の要望を聞く余裕をもってこそ、医療だと思う。