第4話・院外処方線と調剤薬局の話
医薬分業はずいぶんと安定し皆さまの生活にも定着したと思います。
さて一体だれが一番得をしましたでしょうか?
国ですか? 病院ですか? 製薬会社ですか? それとも調剤薬局ですか?
私は最初に処方箋を外部の薬局に持って行ってもらいましょう、とすすめた立場の一人です。患者様の反応はいろいろでした。
広い駐車場を横切って門前薬局で一番便利のいいところはいつも満員です。
健康で元気な人はいいけれど、病院へ行くのがやっとで院外薬局まではもうしんどい人もいます。
今までどおりで院内の薬局で薬をもらいたい、でも先生が医薬分業になったからそれはだめだと言われた。
ここは公立の病院だから国の推進通りにしないとって言われた。
本当はすすめる病院側も患者の苦労を思えば気がすすみません。
だってそう言ってきた人はたいてい本当に通院すら辛い人です。
たとえば患者さん介護して車いすを押す人は元気で健康な人だとは限りません。介護する方がどうかすると80歳過ぎているしそっちの方が足元が悪くてふらふらです。
まだこちら側に苦情をはっきり言える人はいい。
でも今後の治療に不利になると思いこんで、何も言えず重たい足取りで処方箋をもって行く人が大半です。
でも少しでも楽に薬がもらえるように、医療機関側も心を砕いています。処方箋だけ指定の薬局へファックスで先に送るという方法もあるし、
家の近くの薬局を紹介してもらう手もあります。
調剤薬局が定着した分、患者さまに利益になるように医師会、薬剤師会も改善しつつあると思います。
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さてある人が気分を害しました。
ようようせっかく調剤薬局へたどりついても昼前は満員です。
◎薬局…ああ、先に処方箋を見せてください。あなたの薬が出来上がるまでは1時間待ちですね、あ、あなたは錠剤がのめなくてみんな錠剤をつぶして粉薬にしていといけないのでもっと時間がかかりますね。
◎患者…薬局さん、私は気分が悪くて…できるだけ早く帰りたいのですが、診察待合に時間を取られてもうしんどい、また吐きそうです。
◎薬局…でも他の皆さんも待っていますよ。
◎患者…それでは仕方がないので待ちましょう。
調剤室の奥では薬剤師さんが一生懸命薬を作っています。
先生という声がすると、窓口の端ににすわっているおばさんがはい、と返事して奥の調剤室に入りました。はて、調剤場にいるあの若い女の子達は薬剤師ではないのかしら。患者様達はたいてい老眼なので目をこらして名札を読み取れます。
一番年かさのおばさんの名札には薬剤師○○とあり、それ以外はただの○○です。
調剤室入口の壁の上には薬剤師免許証は1枚しかはっていません。
あの若い女の子たちは全員調剤補助と名の医療事務員さんなのだとわかります。
薬剤師はできあがった薬を説明して患者に渡すだけ。
愛想はいいですが忙しそうので質問もできない雰囲気です。
薬を調剤するのは薬剤師さんだけの特権ではないのでしょうか。
あの事務員さんは指の先がなんですか、マニュキアっていうんですか、真っ赤ですね。手は綺麗に洗って消毒もしているのでしょうがなんだか不潔に思えます。
茶髪で清潔感のない人もいますね。煙草の匂いもしますね。
姑根性みたいですがでも私達の大事な薬ですよ。
今頃は薬の説明書と明細書みたいなのがもらえます。
調剤料ってわりとたくさんとられるのですね。あんな若い事務員さんが何枚か薬のシートを取るだけでこんなにお金がかかるの?どうして?
幸い私は○割負担だけどちょっと変に思うなあ。
薬剤師さんって時給いいんですってね。
窓口でお薬渡してあとは終わりなのに。ふとみると週刊誌が広げて置いてるじゃないの?
私の知人がある薬局へ処方箋をもっていくと、そこの薬剤師が○○の薬がないです、在庫ないです、といってちっと舌打ちしたそうです。
私のお友達は処方箋を持ってくるまでパチンコの雑誌を読んでいた人がいてその人が事務員さんかなあって思っていたら、薬剤師さんでその人は面倒そうに薬をはいって渡したのですって。
いつきても満員な薬局もあれば閑古鳥の鳴いている薬局がある。差がありますね。
反対にいつも評判がいいところはプライベートな会話ができて(ブースで仕切られている)
薬剤師さんは納得いくまで説明して何かご質問はありませんか? とか薬が前回とどう違うかちゃんと説明してくれる。
前に来た時の会話をちゃんと覚えていてうちの孫の名前も覚えてくれたって。
毎月毎回通わないといけない患者はこういう何気ないのが一番うれしいのよ。
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確かに調剤補助という名目で事務員に調剤をさせているところもあります。
(特に地方の薬剤師が不足しているところはそうです)
厳密的にはこれは違反です。でも当局も黙認しているのが本当です。
薬学の基本的な知識のないままに調剤しているがために監査を見逃して、このまま患者の手に渡ってしまう話も結構多いです。
また薬剤師自身もろくな調剤経験もないままに管理薬剤師として経営の一部をまかされてしまうと天狗になってしまう面もあります。
いわく採用していない新規の薬品の発注を面倒がったり患者に手間がかかる処方だと暴言を吐いたり、事務員に調剤まかせて薬ができあがるのをだた座って待つだけの薬剤師。
(これは私の知っている薬剤師の女性の話。この人は患者が1時間も待たせて平気な人でした。自分はできあがった薬を監査するのが仕事だと思っていました。
そして卸の気に入りの男性がくると患者で待合が満員でもしなを作ってずっとしゃべりたがる。時には奥の休憩室に鍵をかけていたこともあったそうです、
職務能力もありませんでした。慣れない医療機関の表示がわからなかったらしく、簡単なmg計算ができず計量でおろおろする。うろおぼえで何とか調剤すると私に監査を頼まずそのままさっと止める間もなく薬を患者に渡してしまった。
注意されて痛いところをつかれると何様だと怒り狂う。本当に最低でしたね…地方の方が人手不足のせいかひどく質の悪い薬剤師がいますね)
またこういう状況が一部の医療関係者から薬剤師が見下げられている面も本当だと思います。
でもなお医療業界はまだまだ儲かる業界ですし、大規模な医療改革はもう少し先になるのではないでしょうか。