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第25話・自分の名札を裏返す人は仕事に責任感を持っていない

 上記表題断言いたします。


 若い女性で名札をつけること自体に抵抗感を持つこともあるだろう。美人ならストーカー予防のためとか、個人情報で自分の名前を知られたくないとかで。もっともな理由だけど、仕事中はちょっと意識を切り替えないといけない。単純に名前を知られたくないとかいっている場合ではない。また職員に堂々と名札をつけさせるために、ごく一部のヘンな客や治療目的で来院してくるストーカーな患者から職員を守るのは職場の雇用者もしくは管理者の仕事だとも思う。


 自分の名前を職場で名乗るということ、職場によっては自分の顔写真をつけること。真に私はここの職員であると断言しているということ。ここでやっている仕事に誇りを持っているということ。それは、接する客や患者にとっても有益で当然の行為だと思う。


 なぜこういうことを書くのか?

 病院に限らない。デパート売り場、郵便局、どこかの売店、ビルの清掃業者、運転手…。

 たいていの職場では全員自分の名前を大きく明記した名札をつけている。だけど、わざと裏返しにしたり、病院ならば輪ゴムをいっぱいひっかけたり、シールをつけて見えにくくしたりする人がいる。

 そういう人は職場の管理がしっかりしているうえでなんとなく名前を隠します。

→ → → 「責任感がもてない」 人だと断言いたします。


 こういうことがあった。

 医療従事者として最低な行為をした看護婦が。


 ある老人施設にて。

 ノロウイルスがはやっていたころの話。施設ごと患者が増えてサンケタになった。入所者、介護者、問わずで。そこは消毒や本来ディスポなエプロンや手袋が使い回しされていたことが明るみになっている。

 別の施設でも似たようなことがあった。だが事が感染事故につながる大ごとになる可能性大だ。

 さて、ある看護師がある病室にやってきた。血糖値を測る。糖尿病疾患の患者さんだから朝夕計測する。だがその看護師は消毒用綿花を使い回ししていた。偶然家族が来室していて、何気なく見ていたら綿花に血がついている。彼女はよその患者の使用済みをそのまま持ってきたのだ。

 医学的にどういう素人でもそれが何を意味するかわかる。


 すぐ指摘した。

 その看護師はいえそんな、とか言ったが綿花を裏返しして「あ」と一言。

 裏返ししたらよその患者の血液のふきとったあと。どういう言い逃れもできない。

「すいません」と言ったそうだ。そしてすぐに新しいのをふたを開けてふき取った。

 家族は茫然としたまま、「ここはいつもそうなんですか? 使い回ししているんですか」と聞く。

「いえ、偶然です。私は知らなかった、すみません」

 頭を下げた。家族はその看護師の名札を見たが裏返しにしている。そういえばこの人はいつも名札を裏返している。いつもうつむいて歩いている看護師だ。

 しかし家族は外部には言わなかった。

「今度から気をつけてください…」

 なぜ言わないかは明白。大事な家族、入院中だ。ずっと入院中で退院のめどもついてない。

 もし家族の私が騒いだら、その夜とかこの看護師は患者に意地悪をするかもしれない。

 何かされたら、困る、怖い…。



 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 ……まあ、そういうことです。

 いつもはやってません、今日はたまたまで偶然です、

 医療職はもし失敗しても言いわけというものが効く。


 いつもチェックしてますからどうぞ安心してくださいね……。

 言い訳もそらぞらしい。生活がかかってるから、仕事がないと困るし。

 もしクビになってもまあ、よそへ行けばいいし。どこでも求人募集はしているし。


 そう、あの人を殺した看護師だってそうだった。事が露見して刑期を終えたら、またどこかに再就職して死にかけの人の胸部を押しつけて死なせた。これがニュースになったのだ。国家資格の免許返還はほんとよほどのことがない限り、ありえないからね。


 本当にこういうことが平気でできる人は、見わけがつかないから困る。





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