第19話・自己愛、ナルシストの話
不動産訴訟関連に題材を取った小説を完結した。主人公が原告の設定。しかしこちらでは視点を変えて相手の被告の話を聞いておもしろく思ったことを書く。
裁判とは全く関係ないようでもあるが、実はしっかりと関係ある。というのは相手(被告)の性格が知れば知るほど病的なナルシストなのだ。
被告は家賃滞納から端をほっして原告のモデル女性との賃貸借契約がこじれにこじれて裁判にいたるのだが、原告はその時に初めて被告と対面することができる。(それまでは会うことも不可能な相手だった)
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ナルシスト、別名、自己愛性人格障害。
そう、ナルシストには精神病理学的にも立派な病名がつけられている。
病的なナルシストは男性に圧倒的に多い。(約70%の確率)
その被告も40代、独身の男性。もちろん人格障害とはいえ、通常の社会生活を送りにあたり全く支障はない。頭も悪くないので利害が一致する場合にはこの上ない協力者になりえる。
ただ彼のプライド、ご機嫌を損ねた場合、もちろん支障がでる。この場合はまわりがあぜんとするほど、相手に対して人格が変わる。
とばっちりの相手は家族、勤務先、取引先、旅行先。ありとあらゆる対象者とかかわりのある相手だ。
まずナルシストの判断基準からの話をする。実例をあげてするので読んでみてほしい。
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1、自分を自分で自分にとって大変重要な相手だと自分で思っている。
自分を愛している。自己嫌悪にいたることもあるにはあるが、基本的に自分が大好き。(実例:被告の自己のブログには I LOVE MYSELF。と冒頭の自己紹介に書かれている。繰り返すが40代の男性である。)ライオン、イーグル、自分のカメラ目線の画像の羅列。好きな英単語、英熟語(高揚目的? 特徴あることばなので書きたいが一発で相手を特定できるため書かない)を病的に繰り返す。
2、限りない権力や才能にあこがれている。そのためには手段を選ばない場合がある。頭も悪くないのではっきりとした目標があれば、そのために計画を綿密にたてられる。
実例:先年ノルウェーにて1人でテロを行ったアンネシュ・ベーリング・ブレイビクのフェイスブックを見るがよい。フリーメーソンには限りなく愛情と畏敬の念を持ち、かつメンバーであることを誇りに思っている。フリーメーソンの盛装をしたブレイビク。彼の恍惚とした表情を見るがよい。自分の容姿や地位に満足している表情だ。まさにナルシスト。
ブレイビクもそうだが、相手の被告も実はフリーメーソンのメンバーであることを明記している。世界史に影響を与えたと言われる秘密結社のフリーメーソンにはそういったナルシストも入会することで自分自身が一種の特権意識にあるという意識がもてるし、ステイタスを与えるものであるようだ。筆者はフリーメーソンには詳しくないが入会するに当たり性格テストだけはないのだろうとは確信している。
3、自分は特別な存在であり、周りにもそう思われたい。
実例:プライドを傷つけられるとどういった手段であっても逆襲する。やりすぎても自分を傷つけたのだから当然だと思う。罪の意識は皆無。被告のブログでホテル宿泊の際、手落ちがあってひどいクレームをつけて謝罪させて悦にいったりする筆記を見たが、第3者から見ると当然だが彼は単なるクレーマーにすぎない。逆に飲食店の注文などであきらかに相手のミスが見つかった場合は寛大な態度をとる。「いやあ、これぐらいいいですよ、おいしいからいいですよ」とか。優越な立場にいるときが楽しいのだろうなと思う。
4、いつでも賞賛を要求。原告モデルの女性から聞いたが、非常に賞賛に弱い。自分はどうあっても許される存在であり、尊敬される存在でありたいのだ。どういう相手からでも、いつでも特別扱いを受けたい、特別な存在でありたいと思っているのだ。
被告のブログにはわざわざ英語表記の部分が多い。誤字や文法ミスが多いが自分は英語を使えるという得意げ? な感じが多い。
自分に興味あるフレーズ、単語を繰り返し使用する。韻律を踏んでいるつもりなのだ。哲学上の知識並びに聖書の知識も狭い範囲で繰り返し筆記する。なにやらひけらかして悦にいっている感じもある。私(被告のこと)は文章も書けるので誰か文章を書くことを依頼してくれないか、というくだりがあって苦笑。自己の文章力に非常に満足しているらしい。自己満足もそこまでいくと良識ある人はひくだろうな、と思う。基本的に知識はある程度はある。だから社会生活を送るに当たり問題にぶち当たらない限りはまず障害は感じられない。
原告は被告の問題にぶちあたったためこじれて裁判にもつれこんだわけである。自分がかわいいあまりに裁判上で被告はみっともない醜態をさらすことになる。事実は小説より奇なり、だ。
5、自己の目的のためには他人の気持ちを思いやれない、思いやることができない。
病的な人ほどこの項目がぴったりあてはまる人もいる。ナルシスト以外にもそういう人が確かに多い。
今後不快な思いをしたくなければたとえ、肉親であっても縁を切ることしかできない。それか割きって距離をおいてつきあうか。私も学生時代にそういう人と知り合い大変不快な目にあったことがある。
6、いつでも他人を嫉妬する、また逆に自分はいつでも他人から嫉妬される存在だと思い込んでいる。 つまり被害者意識が強い、自分は絶対に悪いところはないと思っている。だから裁判でも遅刻しても平気、裁判官に発言を制止されても自分なら許されると思っているのであと1つだけですから、と言いたいことを最後まで等々と述べた。心証はかなり悪かったのだろう、原告の家主側にはめずらしい全面勝訴になった。
7、己の過ちに気付くことは決してない。軽く反省はしても根本的には自分は悪くない。
これは結局自己愛が強すぎるために治ることはない。自分を振り返り、自分が悪かったとは絶対に思わない。死んでも治らない。
他人に迷惑をかけるという意味合いでの病的なナルシストの根源というかその素因は成長過程にあるといわれている。これは定説だが母親に愛情をかけられすぎたが、逆にかけられすぎてないかのどちらかといわれている。こういったてあいは絶対に心療内科にかかることはないので、まず治療者としておめにかかることはないだろう。
繰り返すが、結局これは治ることはない。
社会生活を送るに当たり本人は周りを気にしないので周りが苦労することになる。だが本来は本人は心の奥底では気づきがあり、でもそれは見たくないので周りを攻撃することで自分の身を守る態勢にある。
つまり彼はいつでも心が満たされることはなく、いつでも心の渇きがある。渇仰というべきか。
これは、ある意味とても幸福な人でもあり、ある意味とても不幸な人でもあるのだ。
ナルシストにつける薬はなく、自分を治そうとするナルシストもない。自分がナルシストかなあ、と悩む人は正常な人だと私は思う。人が自分の性格についても悩むのは全く正常なのだ。
こういう人にかかわった原告の女性には気の毒だが他人の性格なんかどうにも変えようがない。特に裁判の相手ならなおさらだ。さっさと判決をもらって強制退去なりを決めないといつまでたっても解決はない。
被告の過去の所業も法律が緩いので一応犯罪者ではないが、民事裁判の被告になることを、つまり他人から訴えられることを、同じことを繰り返している人物なのだ。
原告女性は彼から逆恨みを受け、被告ブログ上で容姿を繰り返しバカにし、かつ自分で捏造した作り話を書いてきている。それで友人たちをだましているのだ。彼女がしつこい守銭奴と書くならば、まずそのきっかけから書くべきだろう。自分が契約通りの家賃を支払わないから、請求がきて裁判にいたり敗訴した、そこまできちんと書くべきだろう。とにかくうそ話ばかり。彼に対するまわりの人の世評は一体どんなものかぜひ聞いてみたいものだ。
I,THE LORD ,
YOUR LORD,GOD
自分は神にひとしい存在だと言い放ち、飼っている猫に「神に愛されて幸せな猫」、神に愛されるってどんな気分だい? と愛でる…ナルシストの見本のような上出来のブログ。
さぞや彼は幸せな毎日を送っているに違いない。




