プロローグ:VRW
のんびりまったり書いていく 主人公最強異世界ファンタジーです。
作者の妄想が山ほど詰まっております。完全に趣味全開の自己満足です。
閲覧の際には十分にお気を付けてください。
ヴァーチャル・リアリティ・ワールド。通称VRWが開発されたのは確か200年ほど前だった。
豊富な資源。未知の架空技術。新たな物理法則。そこは新世界と呼ぶにふさわしい場所だった。
戦争、温暖化、環境汚染。刻々とその寿命を減らしていく現実世界は、必然的に荒廃の一途を辿ることになった。
それらに絶望した人類は、次々と現実世界に見切りをつけVRWへと移住を開始する。
その数――全人口の99.9%。それだけの数の人類が肉体を捨て、人格を情報へと変換し、この世界から逃げ出した。
今では現実世界の鉄1キログラムよりもVRWの鉄1グラムのほうが高価だろう。
まぁ、今の現実世界がどうなっているかは誰も知らないだろうけどね。
VRWに不可能は無い。
現実では到底不可能だとされていたことも、VRWでは実現可能となる。
VRWでは情報こそが資源であり法則なのだ。要は理論さえ正しければ実現できる。
その根底となるのが『情報』だ。情報無くしてはVRWでは何も出来ない。逆に言えば情報さえあれば何だって出来るということだけどね。
かくいう俺もVRWの住人だ。職業は電脳侵入者。
軍や企業の大物依頼から個人の小さな依頼まで幅広く扱っている。だけど依頼内容は同じようなものばかりだ。おかげで俺のあだ名が、俺の与り知らぬところで決められてしまった。
『強奪屋』だとさ。人聞き悪いと思うだろう? まぁ、やってることは的を得ているけどね。
俺は他人が持っている『情報』を奪うことを生業としていた。