赤い星の子
ミアムちゃんの過去編です。
[当キャラクターはVRCのイベントの、非公式キャラクターであり。元アバターの設定等とは関係ありません]
「目を見ろ。あの赤き瞳……間違いない。我らが“神の印”を持っている」
木の陰から、粗末な法衣に身を包んだ男が囁いた。
神を創る。そのための“素材”を集める中、彼らがたどり着いたのは、
獣人たちの住むとある辺境の村。
そこにはガント種と呼ばれる神話上の存在に似た特徴――
赤い瞳を持つ幼い少女がいた。白い体毛に赤い瞳、髪は暗い紫色をしている。
村の者たちはその少女を神聖視し、名を口にすることさえはばかられていた。
小さくて、純粋で、寂しがり屋で――
だが彼女には、“外の世界”への憧れがあった。
それを教団は利用することにした。
「見てごらん、お嬢ちゃん。これは『星の図書館』って言うんだよ」
夜辰教団の者は、絵本のような手製の紙束を持ち出し、
色とりどりの空や、星の道を旅する少女の物語を語って聞かせた。
木の陰に現れたその男は、にこやかな笑顔と滑らかな口調で、
少女の孤独と好奇心を丁寧に撫でた。
「君のような特別な子は、本当はこんな小さな村に収まる存在じゃない。
星の国で、君を待っている人がいるんだ。
それにね……その瞳の秘密も、そこに行けばきっとわかる」
「……本当に? わたしも、星の国に行けるの?外で遊んでもいいの?」
純粋な問いかけに、男は微笑んだ。
「もちろんだとも、お姫様」