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紅蓮誠の現代ダンジョンーダンジョンが出来て100年ー  作者: ギャボ
## 【第1章 始まりのスライム・ダンジョン】(1~25話)
4/10

妹は見ていた

本日4話目

### 妹は見ていた


誠と玲が見事にゲルスネークを撃破し、転送ルーターを手に入れたその夜、彼らの冒険はさらに大きな試練に直面することとなった。誠が自宅に帰り、まだ興奮冷めやらぬ中で食卓を囲んでいると、妹の紅蓮莉子が横目で彼を見つめていた。


「兄ちゃん、今日、何か特別なことしたんでしょ?」莉子は好奇心を抑えきれずに尋ねた。その目には不審と探求心が交錯していた。


「いや、何も…ただ、普通の日だったよ。」誠は動揺を隠そうとしたが、その反応が逆に莉子の疑念を強めるのを感じた。


「それ、本当に普通のことなの?」莉子は鋭く続けた。彼女は最近、兄の様子が少し変わったことに気が付き、暗くなった彼の隠し事に興味を持っていた。


その時、莉子は誠の肩に手を置いて、冷静さを保とうとした。兄の秘密を探る計画を思いついた。しかし、彼女の真正面からの視線に誠は思わず動揺した。


「実は…」誠は言いかけたが、莉子の目は彼をじっと見つめ、彼に何かを訴えかけた。


そのまま何気なく立ち上がった莉子は、部屋の隅に置かれたオープナーを見つけ、驚愕の表情を浮かべた。「これ、何なの?」


「莉子、これは…!」誠が慌てて声をかけたが、莉子の好奇心は彼の言葉を振り払った。彼女は無邪気にオープナーを手に取ると、「これ、私にも見せて!」と言わんばかりの姿勢で駆け寄った。


突然、部屋に響くような声がした。二人とも振り向くと、その瞬間、オープナーが光り始め、莉子を中心に奇妙なエネルギーが広がった。誠は目を見開いた。「何が起こるの?」


莉子の体が光に包まれ、やがてそのエネルギーが引き戻された。彼女はまるで特別な力に目覚めたように見えた。何が始まったのか、誠は心配でたまらなかった。


「兄ちゃん、私、何か感じる…!」莉子は呆然としながらも、力強く言った。彼女の拳が輝き、ついには回復の魔法が発動したのだ。「私、魔法が使えるみたい…!」


「ああ、なぜこんなことに…!」誠は頭を抱えた。事態の深刻さを理解しつつも、妹の魔法の才能に驚愕した。


「私も一緒に行くよ、兄ちゃん!絶対に行くから!」莉子は決意をもって続けた。


しかし、誠はその決意が危険を伴うことを理解していた。「莉子、危険だからそれは…」


「兄ちゃんが隠していることを知っちゃったんだから、私も混ぜてよ!」莉子は強い意志を持って言った。誠はその目に抗えない思いを感じた。


「わかった、でも大切な秘密を守るために、私たちの間で契約を結ぼう。」誠は冷静さを取り戻し、莉子に向かって真剣な表情で言った。「家族の秘密は家族だけのものにしよう。守らなければならない。」


莉子はその提案を受け入れ、笑顔を浮かべた。「じゃあ、兄妹の絆を強くするための契約だね。」


二人は心を一つにし、秘密保持契約を結ぶことにした。それは強い絆の証であり、一緒に未知なる冒険へと挑む覚悟の表れでもあった。


こうして、誠と莉子の兄妹は、冒険の旅に共に出発することとなった。彼らの絆と新たな力は、これからの冒険において、どれほどの力を発揮するのか、それは未知数であった。秘密が結ばれたことで、彼らは一層の覚悟を持って、ダンジョンの果てまで進むことになるのであった。


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