表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
楽してのんびり生きていたいけど、やっぱりお金は稼がなきゃ ー宇宙開拓記 その2ー  作者: 杠煬
第6章 バイヤーさん

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/55

クルナ星の水牛 5

お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。


タクシーをつかまえて、今度は第10ビルへと向かう。



「さあ、いよいよ本番の始まるよ」

「そうですねっ」



次はいよいよ、実際の仕入れに関しての打ち合わせ。

までも、さっきの人がアドバイス(・・・・・)をしておくって言ってたから、もしかして次もスムーズにいくかもって期待してもいいんじゃないかな?

チュウさんもニコニコしてて楽しそうだし、商売はうまくいってるってことよね?











うん、そう思ってた時期が私にもあったわ......



......

.....

...



「いやいやチュウさん、その値段ではとてもムリだって!!」

「そんなハズあらへんのこと。おたくも十分な利益のあるでしょう?!」



今度の相手は、実際にクルナ星からの商品を取り扱っている部署の人。

ということは、こっちは少しでも安く買いたい、そして向こうは少しでも高く売りたいわけで。

だからチュウさんと先方さんとの間で、バチバチの値段交渉バトルが繰り広げられている真っ最中なの(汗)



念のために商流を確認しておくと、形式上は



ガゴビ星系(クルナ星)

 ↓

チュウさんの会社

 ↓

極東貿易株式会社うち

 ↓

うちのお客さん(製薬会社)



ってことになるわ。



実際の商品は、ガゴビ2号星からうちのお客さんへ亜空間輸送で直接届けられることになるんだけどね。

(蛇足だけど、クルナ星の農産物はすべていったんガゴビ2号星の集積所へ入庫されて、小分けの後にそれぞれの星へ送られてる)



で、商品の原価にガゴビ星系(クルナ星)、チュウさんの会社、そんで極東貿易株式会社うちが順に利益マージンをのせていくってわけね。



今回、極東貿易株式会社うちとしては、すでに目標の仕入れ価格がチュウさんに伝えてあって、ガゴビ星系から提示された価格はチュウさんが良識的なマージンをのせても問題ないレベルなんだけど。



なんだけどね......



今回、私だけがチュウさんと仕入れ交渉をするにあたって、日来課長おいちゃんショウコちゃんのおり代として、「極東貿易株式会社うちの仕入れ値は固定でええからね」って言っちゃったのよ。



つまりチュウさんとしては、安く仕入れれば仕入れるほど儲かるってことになるわけで。

そりゃあ、交渉にも力が入るってもんよね?



ちなみに価格交渉に関してはチュウさんから「手出し無用よけいなことはしないでね」って言われてるからぼやっと見てるだけなんだけど......っていうかこの2人、なかなか割って入る隙がないわ(汗)



「今年は相克境界が不安定ですので、クルナ星の気温が上がりにくいんです。ですからこれ以上価格は下げられません」

「でも、この数量(かず)の買うんよ、この数量(かず)。それに、もともとつのは使いみちの無くて廃棄されてたの物でしょ?」



補足しとくと、そもそもクルナ星の軌道ってのが中心にある恒星たいようからいちばん()ぉーいところにあってさ。



ガゴビ1~3号星が人類わたしたちの太陽系でいうところの地球ぐらいの位置にあるのに対して、クルナ星だけがまるで海王星くらいには離れててね、つまり普通なら極寒の星で、生き物なんて育つはずがないのよ。

ところがクルナ星には相克境界っていう次元の壁があるもんだから、これが温室効果を生み出してて、それでクルナ星は人の住める惑星になったの。



で、さっきの「相克境界が不安定になっている」ってのは、この次元の壁が薄くなったりして穴が開くと、そこから大気圏内の熱が漏れていくから気温が下がる。

寒くなれば水牛ちゃんたちの食べる植物エサも育ちにくくなるから、結果としてコストアップになる、というわけ。



それとつのについてはチュウさんの言うとおりで、かなりもろい上に薄茶色に濃い黄色の水玉っていうまあなんと言うかアレ・・なデザインなものだから、装飾品としての価値は皆無で粉砕して捨ててたらしいわ。



それを「いやいや捨てないで。うちが買いますよー」ってんだから、その分は感謝サービスしてくれてもいいわよね?

ダメかな??



「いやそうは言ってもねチュウさん......」

「いやいや、それを言うのであればね......」

「いやいやいや......」

「いやいやいやいや......」



ふたりのギロンは白熱し、ロンリは破綻しはじめる。

もはや何が正しい理由なのかアヤシクなってきてはいるけど、どうやら結局のところ、どんな手を使ってでも相手を言い負かした方が勝ちってことらしい(あきれ



面談はとっくに1時間を越え、そろそろ2時間になろうとしているってのに、2人ともそれはそれは楽しそうに値決めというゲームを楽しんでいるわ。

お腹すいてきたなぁ......



「だからそれはね.......」

「いや、そうじゃないのこと......」



あぁそうか......



「いやでもこれがさ.......」

「いやこれも考えてのもらわないと.......」



ここへ来る時のチュウさんのニコニコ顔って、そういうことだったんだなぁ......(遠い目)





気に入って頂けましたら、ご評価、ブクマ登録など頂けますと大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ