クルナ星の水牛 3
お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。
ニコニコと笑ってるチュウさんに、ペコペコと謝る私。
「す、すいませんでしたっ!!」
「いいよいいよ。日来さんの言うとおり、あなた面白いの人ね。それより貿易省に着いたよ」
「あ、ハイ。えぇと.......」
クルナ星の説明をしてたら、タクシーの中でチュウさんの呼びかけを完全に無視しちゃってたみたい.......(汗々)
き、気を取りなおして.......タクシーが目的地に着いたわ。
ここはガゴビ1号星の首都にある貿易省、の第8ビル。
この貿易省というのは、ガゴビ星系内&星系外での貿易に関して、そのすべてを管理しているかなり大きなお役所なの。
なにしろ、巨大なビルの数だけで10を超えるってんだから(汗)
蛇足だけど、それぞれのビルはけっこう離れて建ってるから、タクシーの運転手さんに目的地を告げるときには注意が必要よ。
「ま、そうのは言うても、1~3号星との取引に関してのは第4ビルまでで用は足りてるんよ。」
「第5ビル以降はすべてクルナ星関係ってことですか?」
「まあそうやね。それと貿易省の名乗ってはいるんやけど、農業、林業、水産業といった第一次産業のに関しての薬剤や機械の開発、クルナ星人のための特別な医療に関する諸々(もろもろ)なんかも、すべて貿易省の管轄のになってるからね」
「ナルホド、ビルのひとつやふたつじゃ足りないってわけですね」
......
.....
...
うぃーんっ!っと左右にひらく自動ドアをくぐる。
「うわー.......混んでますね」
「なあに、いつもこんなもんよ」
「しかもいろんな宇宙人さん達で、なんとも国際色豊かだわ」
「そやね、でも人類はうちらだけのみたいやな」
超広域宇宙生活圏連合からやって来たたくさんの宇宙人達が、だだっ広いロビーに置かれたあちこちのイスにすわっておとなしく順番を待っている。
ロビーの向こう側には、フロアを半分に区切る長~いカウンターがあって職員さん達が一定間隔に並んで座り、そうやって設置された窓口でお客さん(?)をさばいている。
カウンターの向こうでも、おおぜいの職員さん達が忙しそうに働いている。
地球でも、お役所でよく見かける景色(?)だわね。
地球のそれと違うのは、待たされて怒鳴ったりする老害のたぐいがいないことかな?
見た感じ、だーれもイライラしてないのは流石のんびり屋の宇宙人さん達。
ウトウト、うつらうつらとみんな幸せそうに微睡んでる。
じつはクルナ星と取り引きをするには、最初に第8ビルで特別な「認可証」の受け取りをしなくちゃいけないの。
ちゃんというと「クルナ星における農産物の商取引に関する特別認可証明書」ってやつ。
長いけどこれでも略称らしいわ(汗)
申請そのものは、すでにチュウさんは自前で、私ことショウコちゃんのぶんは日来課長がしておいてくれてある。
ていうか、申請については私が頼んだの。
「アンタがやればいいのに」
「それで万々が一、なにかしら不備があって、認可証が出なかったらどうするんです?」
「大丈夫大丈夫、僕はアンタを信用してるよ?」
「私がいちばん、私のことを信用できないんですっ!」
「えばって言うことやあらへんけどな.....」
ってゆー不毛なやりとりもあったんだけどね。
で、ホントなら郵送でもしといてくれりゃいいのに、受け取りには本人確認が必要とやらで、それでわざわざこうして出向かなくちゃいけないのがナントもカントも......
カウンターの側にある発券機で順番待ちの番号札を取って、じゃあ居眠りでもして待ちますかって思ったけど空いてるイスがなーいっ!!!
「いったん外に出て、どこか喫茶店でも探します?」
「いんや、大丈夫のことよ」
そう言いながらチュウさんは、カウンターの向こう側に視線をさまよわせている。
やがて誰かを見つけたみたいで、奥の方のわりと大きなデスクに座っていた職員さんに向かって手を振った。
お!
あちささんもチュウさんが来ていることに気が付いたみたい。
近くにいた部下っぽい人に何やら二言三言言い付けると、デスクから立ち上がり、ニコニコしながらこっちに近付いてきた。
チュウさんもカウンターに近付く。
「チュウさん、久しぶり」
「ご無沙汰のやね。今日はお客さんと来たんよ」
「は、初めましてっ!えぇと.....」
急いで名刺を出そうとして、きっちりテンパる私。
そんな私の手元を、チュウさんがやんわりとおさえる。
「まだいいのことよ」
「ええ、ご挨拶は後ほど、ようこそガゴビへ。奥に部屋を用意したのでそちらへどうぞ」
「そういうのこと。行くよ潟田さん」
「へっ?」
すたすたと歩いていく二人の後をあわてて追う。
ど、どうなってるの???
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