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楽してのんびり生きていたいけど、やっぱりお金は稼がなきゃ ー宇宙開拓記 その2ー  作者: 杠煬
第6章 バイヤーさん

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クルナ星の水牛 2

お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。


ガゴビ星系ってのは1つの恒星と9つの惑星からなる星系で、中心にある恒星の回りを4つの居住可能な惑星と、そうじゃない5つの惑星が回っているの。



天文学には(も?)あんまり詳しくないからよく分からないんだけど、火星みたいに地球化テラフォーミングをしたわけでもないのに居住可能な惑星が4つもあるあたり、私たちの太陽系とは星の軌道が少しちがってるのかしらね?



あ、恒星と惑星のちがいって分かるよね?

うんそう、太陽みたいに燃えてるのが恒星、そうでないのが惑星ね。

説明がざっくりし過ぎ?

いいでしょ、ほっといて(笑)



で、9つの惑星にはそれぞれの固有の名前がついてるんだけど、現地の宇宙人さん達のオリジナル言語だと発音がかなりムツカシイものだから、居住可能な惑星にのみ、俗称としてガゴビ1号星、2号星、3号星、それに加えてクルナ星という名前が付けられてるわ。



うん、言いたいことは分かるわよ。

なんでクルナ星だけそんな名前なのかってんでしょ?



まあ「来るなクルナ」星っていうあからさまな呼び名でなんとなく分かるかもしれないけど、他の3惑星と違って、この星だけは保護対象惑星ってことになってて、基本的に他の宇宙人がいこくじんが訪れることは禁止されてるんだ。

オッケーなのは、他のガゴビ星系人の中でも特に選ばれた一握りの人間だけなの。



その理由はわりと単純で、この星由来の生き物たちだけがみんな、外部から持ち込まれる病原菌のたぐいにめったやたらと弱い、というか抵抗力がほとんど無いからなのよ。



けれど現地のクルナ星人にとっても、政治的、経済的な交流はやっぱり必要だから、そういったことはすべて、さっき言った一部のガゴビ星系人達が窓口になっているの。

つまりは無菌室に出入りできる、そういう資格を持ったプロってわけね。



......

.....

...



で、なにゆえにクルナ星だけがこんなことになってるのかっていうと、それはズバリ「相克境界」のせい。



えーとね......



くわしく言うと、他のガゴビ星系の惑星と違ってこのクルナ星ってのは、海抜約5000メートルの上空に特殊な次元の壁・・・・ってゆーのがあって、この壁のことを「相克境界」って呼んでいるの。



ここでは時空が歪んでいて、わりとつい最近まで、他の星からの探査機や宇宙船がクルナ星を訪れることを阻害していたらしいわ。

この「相克境界」を無理に越えようとしても、激しい時空干渉が起こって機体に激しいダメージを受けちゃう......ってことみたいね。





「???......潟田ガタダさん、さっきから端末で何を検索のしてるん??」

「..........ブツブツ」


(日来さんの言ってたの通りやわ。この人、時々どこかの誰かと話すの人やね......)





で、クルナ星から出ようにも、逆にクルナ星へ行こうにも、この「相克境界」を越えなきゃいけないものだから、亜空間移動システムが完備されるまでは、いわゆる完全隔離の状態だったわけで、長いこと他の惑星と異文化交流をすることなく独自の進化をとげてきたのね。



その過程で、この星の動植物はすべて、この星においてのみ生きていけるような進化をしちゃったらしくてさ。

超広域宇宙生活圏連合コズミックワールドへ参加した今でもまだ、人や物の輸入には高いハードルがあるのよ。



......

.....

...



ただまあ、クルナ星人としても他の宇宙人達とのお付き合いはしたいわけで。



だからクルナ星の農産物を「食材」として輸出して、代わりに元素変換装置で作る純粋な塩や水、金属といったものを輸入することで生計を立てているのよ。



個性的な生態系で育てられたクルナ星の農産物は、味はもちろんのことその希少価値も相まって、超広域宇宙生活圏連合せかいじゅうの食通さん達がこぞって買い求める人気商品になっているわ。



ちなみに、最初はペット向けに、羽の生えたリスみたいなのや、とがった鼻がドリルみたいに回転するモグラみたいなのとかの輸出も検討されてたみたいなんだけど、いかんせんクルナ星の外では生きていくのが難しいからって取りやめになったって聞いたことがある。



で、この星には、まるでユニコーンの様に額に一本角を持つ牛みたいな動物がいて、俗にクルナ水牛って呼ばれてるんだけど、このクルナ水牛のつのと干したレバーを買い付けるってのが今回の訪問目的なんだ。



以前チュウさんがサンプルを入手してくれて、それを日来課長おいちゃんがある製薬会社おきゃくさんに紹介したところ、なかなか良い「お薬」ができることが分かったのね。

で、そのお客さんから、今後の継続的な安定供給を頼まれてるのよ。



まだ地球圏ではレアな品だから、ぜひとも成功させたいところ。

競争率は高いけれど、ここはひとつ気合入れていくわよっ!!!






潟田ガタダさん、さっきのからずっと、一体誰としゃべってるの?」



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