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楽してのんびり生きていたいけど、やっぱりお金は稼がなきゃ ー宇宙開拓記 その2ー  作者: 杠煬
第6章 バイヤーさん

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クルナ星の水牛 1

お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。


「それじゃあ課長、行ってきまーすっ!!」

「気をつけてなー」

「はいっ!!」



元気よく返事をして、ガゴビ星系きの暖簾のれんをくぐる。



本来なら「じゃ、あとはよろしく」って暖簾の向こうに消える日来課長おいちゃんを「かちょぉ~!!カムバーックっ!!」って叫ぶ状況シチュなんだろうけど、昨日と同じく日来課長おいちゃんは搭乗手続きに時間がかかるから、けっきょく私が見送られることになっちゃってる(苦笑)



それにっ!

そんなことより、私のためにあんなに頭を下げてくれた日来課長じょうしの期待に応えないってのは女がすたるってもんだしっ!!

ここはがんばんなきゃっ!!









うん、自覚はあるわ。

我ながら、おだてに乗りやすい単純な思考回路をしてるわよね.......(汗)



.............................................



「すいませんっ!!お待たせしましたっ!!」

「ああ、大丈夫のこと、オッケーよ」



「いいお湯だった~」っていつものネタもできずに慌てて暖簾のれんをくぐり、待合用スペースに座っていたチュウさんのところへ小走りでかけ寄る。

相手をいきなり待たせてしまってアセるショウコちゃん(汗々アセアセ



だってガゴビ星に着いたら、なぜだかすっごくお化粧室が混んでたのよ!!

仕方が無いから更衣室のすみっこでテキトーにファンデと口紅だけしてきたんだけど.......

大丈夫かな??



日来課長おいちゃんと2人だけの出張だったら平気で待たせとくし、そもそも日来課長おいちゃんはいつも宇宙港で足止めをくらっちゃうから今までこんなことはなかったのよね。

それに最悪の場合、スッピンで合流してから移動中にお化粧するってことも可能だし。

(前に一度だけやった事あるのよ。あとでそのことを知った歌保ちゃんにスンゴク怒られた.......)



なんだけど、さすがに昨日知り合ったばかりの、それも他社の社長さんに対してスッピンをさらすわけにはいかないものね??



「さ、それじゃ行こか」

「はぁい、よろしくお願いしますっ」



宇宙港を出て、乗り場に並んでタクシーに乗り、中央省庁のあるエリアへと向かう。

タクシーの中で再度の打ち合わせをしておく。



「資料、目を通しておいてのくれた?」

「あ、はい、今回の出張にあたって読んでおきました。すごく面白かったです」

「ふふん、そうでしょ?僕の力作の資料やからね。ちなみに有料なんよ」

「存じてます。結構なお値段のわりに簡単に経費で落ちたのでびっくりしましたけど.......でも読んでみて納得しました」

「ありがとね。自分で言うのなんやけど、それだけの価値はあると思うのことやわ」



......

.....

...



このチュウさんてバイヤーさんは個人で小さな会社を経営していて、あちこちの星を回っては現地の宇宙人さん達と交渉して様々な珍しい品々を買い付け、地球圏ホモサピエンスに売るということをやっている。



極東貿易株式会社うちみたいな組織で仕事をしている商社と違って、小回りが利いてフットワークが軽いぶん、ひとつひとつの仕入れ先と密接プライベートな人間関係を築いていて、それが強みになっているみたい。



んで、業界でひそかに有名なのが、さっきの話にもあった「資料」ってやつ。

正式には「超広域宇宙生活圏連合の加盟星毎における大まかな文化興隆履歴とそれに伴う商取引をする上での留意点に関する詳細資料」っていう長ったらしい名前で......いやこれ覚えられる??



その星で買い付け可能な品目とその一般価格、商取引に関しての特記事項なんかはもちろんのこと、その星の政治状況や経済のありよう、はては地域ごとの文化風習のみならず文明のルーツから人々の考え方まで。

それこそその星のあらかたを網羅もーらしてるといっても過言でない「すぺしゃる」なヤツなのよ。



ちなみにこの「資料」、チュウさんの会社のWEBサイトから有料で読めるようになってて、これはこれですごいもうかってるんだろうなぁ。



で、この「資料」のスゴイところは、普通ならよく眠れる程に退屈な・・・・・・・・・・データの山を、巧妙な文体と洒脱な表現力できさせることなく読み進めさせるその文章力にあって、正直、ヘタな小説を読むよりも面白いってとこ。

まあお値段もかなりするし、こういう仕事をしていないとその価値のスゴさは分かりにくいので、あんまり一般的には知られてないんだけどね。



「まあでも、ガゴビ星系には数年ぶりの来るやから、今回の仕事が終わったら次版のを出さないといけないわな」

「スゴイですね。あれだけの資料をいつ書いてらっしゃるんです?ひょっとしてチュウさん、やっぱり寝ない人なんですか?」

「あはは、まさか!!毎日の睡眠こそがパワーの源よ?それとおいしいご飯ね」

「それは大賛成です。腹が減っては戦はできません!」

「そやね。潟田ガタダさんアナタ、ほんとよく食べるの人だって日来さんから聞いてるよ」

「う”.......」



そうこうしているうちに、タクシーはある大きな建物の前で停まる。

ドアを開けると、少し寒い外気のせいでぶるっときた。

ううん、それとも武者ぶるいかしらね?



ガゴビ星系では、クルナ水牛のつのと干したレバーを買い付ける予定。

でもその前に、まずは特別な「認可証」の受取をする必要があるのよ。



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